ジミー・クリーヴランドとは?代表作からアナログレコードの魅力まで徹底解説

ジミー・クリーヴランドとは

ジミー・クリーヴランド(Jimmy Cleveland、1926年5月3日 – 2008年8月23日)は、アメリカ合衆国のジャズトロンボーン奏者であり、ジャズの黄金時代を彩った名手の一人です。彼のキャリアは1950年代から1960年代にかけて特に花開き、多くの著名なジャズミュージシャンのレコーディングに参加し、またリーダーアルバムも複数リリースしています。ここではジミー・クリーヴランドの代表曲と、そのレコード作品を中心に解説いたします。

ジミー・クリーヴランドの音楽的特徴

クリーヴランドのトロンボーンは、温かみのある太い音色と優れたテクニック、そしてメロディアスで正確なフレージングが特徴です。彼の演奏はリズムセクションと美しく絡み合い、ソロパートでは豊かな感情表現が感じられます。ブルースや標準ジャズに深く根ざしたスタイルを持ちながらも、モダンジャズの要素を取り入れた独自のアプローチは、多くのジャズファンから高い評価を受けています。

代表曲と代表作のレコード情報

1. "A Jazz Date with Jimmy Cleveland" (EmArcy Records - MG 36027)

この1957年リリースのアルバムは、ジミー・クリーヴランドの代表作のひとつです。レコードはEmArcyレーベルからリリースされ、モノラル盤として流通しました。収録曲の多くで、彼のトロンボーンの技巧と感情表現力が堪能できます。

  • 収録曲例:"Out of This World", "Love Me or Leave Me", "Soon"
  • 演奏陣:ホレス・シルバー(ピアノ)、バスター・ウィリアムス(ベース)、アート・テイラー(ドラムス)など
  • 解説:このアルバムはクリーヴランドのリーダー作品としてジャズファンに高く評価され、トロンボーン奏者としての地位を確立するきっかけの一つとなりました。

2. "Rhythm Crazy" (EmArcy Records - MG 36055)

同じく1957年にリリースされたこの作品には、ジミー・クリーヴランドがフロントマンとして活躍しており、特にモダンジャズファンには欠かせない名盤です。アナログ盤はオリジナルのEmArcyのレッドレーベル仕様で知られています。

  • 収録曲例:"Crazy Rhythm", "Our Delight", "Isfahan"
  • 参加ミュージシャン:アーティ・ショウ、マイケル・カミンスキー(トランペット)、ビル・エヴァンス(ピアノ)
  • 特徴:フレッシュかつエネルギッシュな演奏で、クリーヴランドの多面的な技巧が光る一枚です。

3. "Cleveland Style" (EmArcy Records - MG 36068)

1958年にリリースされたこのアルバムは、ジミー・クリーヴランドのソロやアンサンブル両面での魅力を伝える重要なレコードです。アナログ盤はEmArcyの中期の黄金期に制作された作品で、状態の良いオリジナル盤はコレクターズアイテムとしても価値があります。

  • キートラック:"Out of the Blue", "I'm Gone", "Lester Left Town"
  • 共演者:レスター・ヤング(サックス)、レイ・ブラウン(ベース)
  • 概要:クリーヴランドの個性が特に際立つアルバムで、トロンボーン奏者である彼のスタイルをありのまま楽しめます。

ジミー・クリーヴランドが参加した注目のレコード作品

クリーヴランドはリーダー作品だけでなく、多くの他アーティストのアルバムにも参加しており、そのジャズシーンへの貢献は計り知れません。特に以下のレコードはトロンボーンファンなら押さえておきたい名盤です。

  • アート・ブレイキー & ジャズ・メッセンジャーズ「Moanin'」(Blue Note Records - BLP 4003)
    クリーヴランドは正式メンバーではありませんが、同時代のジャズセッションやライブに多く参加。Blue Noteのオリジナルプレスは高価でコレクターズアイテムとなっています。
  • クリフォード・ブラウン「Clifford Brown & Max Roach」(EmArcy Records - MG 36032)
    ジミー・クリーヴランドも一部セッションに参加し、マイルス・デイヴィスやホレス・シルバーと並ぶ豪華メンバーとの共演で知られる作品。オリジナルのEmArcy赤盤は特に評価が高いです。
  • アニタ・オデイ「Anita O'Day Swings Cole Porter with Billy May」(Verve Records - MGV 4006)
    ジミー・クリーヴランドはビッグバンドの一員として参加し、その時代のレコードにトロンボーンパートで貢献しました。

レコード収集におけるジミー・クリーヴランド作品の価値

ジミー・クリーヴランドのレコードは、1950年代~1960年代ジャズの重要な作例として特にアナログ盤の価値が高まっています。EmArcyレーベルのオリジナル盤は、赤いEmArcyのロゴが刻まれたレーベルが特徴で、その状態の良さやプレス時の仕様によって価格も変動します。特に希少なオリジナルモノラル盤は、コレクターの間で根強い人気があります。

また、クリーヴランドはセッションプレイヤーとして膨大な録音に関わっており、参加作を元に集める楽しみもあります。アナログレコードの重量感ある音質は、彼の温かいトロンボーンの音色を余すことなく再現し、デジタル音源との差別化として特に評価されています。

まとめ

ジミー・クリーヴランドの代表曲は、彼がリーダーを務めた1950年代のEmArcyレコード作品に数多く収録されており、それらはジャズ史において重要な位置を占めています。彼のトロンボーンの美しい音色と卓越した技術は、アナログレコードで聴くことで一層深く味わうことができるでしょう。

コレクターやジャズ愛好者は、オリジナル盤の入手を目指してその歴史的価値と音楽的価値を楽しみ続けています。ジミー・クリーヴランドの音楽世界はアナログならではの温かさと臨場感があり、ジャズトロンボーンの真髄を知る格好の入り口となるはずです。