パーシー・フェイスの代表曲と高音質LPレコードで楽しむイージーリスニングの魅力完全ガイド
パーシー・フェイスとは?
パーシー・フェイス(Percy Faith、1908年4月7日 - 1976年2月9日)は、カナダ出身の指揮者、アレンジャー、作曲家であり、特にオーケストラによるインストゥルメンタルのポップス音楽で世界的に知られています。彼の作品は「イージーリスニング」ジャンルの代表格として今なお高く評価されており、1950年代から1960年代にかけて数多くのヒットを生み出しました。
彼の音楽はしばしば「ムード音楽」とも呼ばれ、映画音楽やテレビ番組のバックグラウンドとしても多用されました。特にリラックスした雰囲気や都会的な洗練を感じさせるアレンジによって、レコード時代には大変な人気を博しました。
パーシー・フェイスの代表曲とその特徴
パーシー・フェイスの代表曲には、「ムーンリバー」、「ゴッドファーザー愛のテーマ」、「カミニート」などがあります。これらの曲はオリジナルの映画音楽やスタンダードナンバーを彼独自のオーケストラ・アレンジで編曲し、大ヒットを記録しました。特にアナログレコードの時代には、ステレオ効果を活かした音作りが高く評価され、レコードプレーヤーで聴く楽しみの象徴となりました。
- ムーンリバー (Moon River):1961年に映画『ティファニーで朝食を』の主題歌としてヘンリー・マンシーニが作曲した曲を、パーシー・フェイスが美しいオーケストラ・アレンジでカバーしました。レコードでは特にコロムビア・レコードからリリースされたアルバム『Percy Faith Plays “Moon River” and Other Themes』が有名で、ホーンセクションやストリングスの繊細な音の重なりが特色です。イージーリスニングとしてだけでなく、映画音楽の名演として収集価値も高いです。
- 愛のテーマ(ゴッドファーザー愛のテーマ):フランシス・フォード・コッポラ監督の名作『ゴッドファーザー』の主題歌「愛のテーマ」をアレンジしたもので、パーシー・フェイスの手によるオーケストラ・エディションは、劇的なフルオーケストラの迫力としっとりとしたメロディの両方を兼ね備えています。1972年ごろにリリースされたアナログ盤は、当時の映画ブームとともに大きな話題となり、現在でもビンテージ盤としてコレクターに人気です。
- カミニート(Caminito):アルゼンチンタンゴの名曲をオーケストラに編曲したもので、ラテン音楽的なリズム感とストリングスの抒情性を巧みに融合させています。1950年代にリリースされ、海外市場でもヒット。オリジナル盤レコードは特に高音質で知られ、当時のオーディオ技術の粋を集めた録音がファンの間で評価されています。
レコード時代におけるパーシー・フェイスの特徴
パーシー・フェイスの音楽は、多くがアナログレコード、特にLP(ロングプレイ)レコードで聴かれてきました。1950年代から1960年代にかけて、彼の作品はコロムビア・レコード、CBSレコード(後のソニー・ミュージック)など、大手レーベルから数多くリリースされました。
この時代のレコード盤には、ジャケットのアートワークやライナーノーツも丁寧に作られ、彼の音楽の世界観を視覚的にも楽しめるよう工夫がなされていました。また、ステレオ録音技術の発展に伴い、パーシー・フェイスの繊細なオーケストレーションのディテールが鮮明に再生できるようになり、当時のオーディオファンやホームリスナーからの支持を獲得しました。
レコード盤には、初期プレスの希少性やオリジナルマスターテープからのカッティング品質によって価格や評価が変動します。パーシー・フェイスの作品は、特にコロムビア・カラーステレオシリーズにおける一部のLPが、高音質を求めるコレクターの間で人気が高く、ヴィンテージ市場でも高値で取引されています。
代表レコード作品の詳しい解説
- 『Percy Faith Plays “Moon River” and Other Themes』(Columbia CL 1747, 1962)
このアルバムは、パーシー・フェイスのイージーリスニングの真骨頂を示す作品です。収録曲は映画音楽やスタンダードナンバーを中心に、彼の手による洗練されたオーケストレーションで聴かせます。コロムビア・レコードのカラーステレオシリーズの一枚で、音質も非常に優れているため、オリジナル盤は特にコアなレコード収集家に好まれています。 - 『Themes for Young Lovers』(Columbia CL 899, 1959)
恋愛をテーマにした曲を集めたアルバムで、パーシー・フェイスのロマンティックなアレンジが光ります。「ラヴ・イズ・ア・ワード」や「恋はみずいろ」など、当時の若いリスナーに支持されたポピュラーな楽曲を取り上げています。LPは美しいジャケットデザインとともに、ステレオ音源が魅力です。 - 『The Voice of Romance』(Columbia CL 1538, 1960)
タイトル通りロマンチックなムードを追求した作品集。弦楽器を中心に編成されたオーケストラの響きが耳に心地よく、デートやリラックスタイムにぴったりの一枚です。オリジナル盤は専用のカラーステレオ仕様で、音の解像度の高さが特徴です。
レコード収集の視点から見たパーシー・フェイス作品の魅力
収集家の観点から見ると、パーシー・フェイスのLPレコードは
- サウンドクオリティの高さ
- オリジナルマスターからのステレオ録音
- アートワークの美しさと希少性
これらが人気の理由です。
特にアナログステレオ時代の初期プレスは、現代のリマスター音源とは異なる独特の温かみと豊かな音場が魅力で、ホームオーディオ愛好家やムード音楽ファンにとっては必ず手に入れたい逸品です。中にはジャケットの「Columbia Records」ロゴや「Hi-Fi Stereo」の表記、特定のマトリックスナンバー(レコードの刻印)を見分けることが価値判断の指標となっています。
まとめ
パーシー・フェイスは、20世紀中盤のイージーリスニング音楽を代表する指揮者でありアレンジャーです。彼の代表曲やアルバムは、レコード盤の時代にこそ真価を発揮し、美しく熟成されたオーケストラ作品として、今もアナログファンやコレクターに愛されています。
ムーンリバーやゴッドファーザーの愛のテーマといった名曲を、パーシー・フェイスによる洗練されたアレンジと高音質ステレオ録音で楽しめるレコードは、単に音楽を聴く以上の価値をもたらします。音の立体感、ジャケットデザインの魅力、当時の録音技術の粋を感じさせるサウンドに触れたいレコード愛好家には、ぜひ手に取ってほしい作品群です。
これからパーシー・フェイスのレコード収集を始める方も、まずは代表的なアルバムを見つけ、オリジナルのアナログ盤で彼の音楽世界の豊かさを堪能してみてはいかがでしょうか。


