バディ・デフランコの名盤レコード徹底解説|ジャズクラリネットの巨匠の音楽とコレクション価値
バディ・デフランコの名盤について
バディ・デフランコ(Buddy DeFranco, 1923-2014)は、ジャズクラリネット界における伝説的な存在です。1940年代から1980年代にかけて活躍し、主にスウィング、ビバップ、ポストビバップのスタイルで知られています。ジャズクラリネット奏者としての彼の革新的なアプローチは、当時クラリネットが主流であったスウィングジャズからモダンジャズへと移行させる上で一役買いました。
本コラムでは、バディ・デフランコの名盤の中でも特にレコード(アナログ盤)での評価が高い作品を中心に、その魅力やレコード盤の特徴も含めて解説します。
バディ・デフランコのレコード名盤の選定基準
- オリジナルプレスの有無と入手の難易度
- 録音のクオリティと録音方式(モノラル、ステレオ)
- ジャズ史における位置づけや楽曲の独自性
- 共演者の豪華さや録音時のバンド編成
- レコードジャケットや付属資料の充実度
これらの点を踏まえ、以下に代表的な名盤を紹介していきます。
1. “Buddy DeFranco and Oscar Peterson Play George Gershwin” (Verve, 1954)
このアルバムはバディ・デフランコのモダンジャズクラリネットのビジョンを鮮やかに示す名作です。ゲストとして参加しているオスカー・ピーターソン(P)のピアノが絶妙に絡み合い、ジョージ・ガーシュウィンの名曲群をジャズ的アレンジで彩っています。
レコード盤の特徴:
Verveの初版LPは、マトリクス番号やプレス工場の違いによって微妙に音質が異なるため、熱心なコレクターの間で人気があります。オリジナルのモノラル盤は特に音が濃密で臨場感が優れており、その粘り強いサウンドはアナログならではです。
2. “The Glenn Miller Story” (Verve, 1954)
このアルバムは、バディ・デフランコがグレン・ミラーの名曲をモダンジャズ風にアレンジして吹き込んだもので、スウィングジャズとモダンジャズの架け橋的な作品です。クラリネットの巧みなテクニックと躍動感が魅力で、グレン・ミラーのファンのみならずジャズファンからも高い評価を得ています。
レコードの仕様:
Verveからのリリースで、オリジナルステレオ盤も存在しますが、モノラル初版のほうが重厚感のある音質で知られています。ジャケットデザインも当時の雰囲気を反映しており、コレクション価値が高いです。
3. “The Art of the Clarinet” (Columbia, 1956)
バディ・デフランコのクラリネットソロを中心に構成された作品で、クラリネットの持つ多彩な表現力を存分に堪能できるアルバムです。ジャズスタンダードからデフランコ自身のオリジナルまで幅広く収録されています。
レコードのポイント:
Columbiaレーベルのステレオ盤はやや高価ですが、非常にクリアでバランスの良い音質が特徴。オリジナルマトも多くのジャズ愛好家に探し求められています。盤面も厚く、長期間の保存に向いている点が評価されています。
4. “Gone with the Breeze” (RCA Victor, 1959)
RCA Victorからリリースされたこの作品は、モダンジャズクラリネットの可能性を広げた重要盤。バディ・デフランコのリーダー作の中でも特にエネルギッシュで、バンドのブラスセクションとのコンビネーションが聴きどころです。
オリジナルレコードの特徴:
RCA Victorのオリジナルモノラル盤はしっかりとした重量感のあるビニールで作られており、音のレンジも広めです。50年代後半の名録音としても知られており、アナログ盤で聴くことが最も制作意図に近い音響体験が得られます。
バディ・デフランコのレコード収集における注意点
- オリジナルプレスかリイシューかの判別 – コレクター市場では初版が価値が高いため、レコードのマトリクス番号やバーコードの有無をチェックしましょう。
- 盤の状態 – ジャズレコードは再生頻度が高いため、スクラッチノイズが発生しやすいです。できるだけ傷の少ない美品を選びましょう。
- ジャケットの保存状態 – オリジナルジャケットはアートワークやライナー・ノーツを楽しむため重要です。特にビンテージ盤はジャケットが傷みやすいので丁寧に扱いましょう。
まとめ
バディ・デフランコのレコード盤は、クラリネットジャズの歴史を語るうえで欠かせない作品群です。特に1950年代から60年代にかけてリリースされたアルバムは、録音技術の発展と彼の演奏スタイルの成熟が相まって、モダンジャズの中でも非常に味わい深い音楽を奏でています。
レコードとして聴くことで、デフランコのクラリネットの温かみやニュアンスをより深く体感でき、CDやデジタル音源にはない魅力を発見することができます。コレクターとしての価値も高いため、バディ・デフランコの名盤を探す際はぜひオリジナルのアナログ盤での入手をおすすめします。
今後もジャズクラリネットの巨匠であるバディ・デフランコの作品を通じて、ジャズの奥深さを再認識してみてはいかがでしょうか。


