Nick Drakeの代表曲3選と希少価値の高いオリジナルレコード徹底解説

Nick Drakeの代表曲についてのコラム

Nick Drake(ニック・ドレイク)は1970年代初頭に活動したイギリスのシンガーソングライターであり、その繊細で詩的な歌詞と独特なギター・アルペジオで知られています。彼の作品はいまなお多くの音楽ファンやミュージシャンに影響を与え続けていますが、生前には商業的成功をほとんど収めることなく、その死後に奇跡的に評価が高まりました。

今回は、Nick Drakeの代表曲に焦点をあて、彼の音楽性やレコードにまつわるエピソードとともに詳しく解説していきます。

1. Nick Drakeの音楽的背景とレコードリリースの概要

Nick Drakeは1969年にデビューアルバム『Five Leaves Left』をリリースしました。彼の音楽は主にアコースティックギターとボーカル中心で、独特のドロップDチューニングや複雑な指弾きを特徴としています。レコードは主にイギリスのレーベルIsland Recordsよりリリースされましたが、当時はプロモーションが十分に行われず、商業的には失敗に終わりました。

しかし、Nick Drakeのアルバムはリリース直後からレコード・コレクターの間で徐々に注目を集め、オリジナルプレス盤は現在では非常に高値で取引されています。特に、初版の赤ラベル・プレスなどは希少性が高く、音質も評価されています。

2. 「Pink Moon」:不朽の名曲とそのレコード事情

Nick Drakeの代表作の中でも特に有名なのが、1972年にリリースされた3rdアルバム『Pink Moon』のタイトル曲「Pink Moon」です。この曲はシンプルながらも美しいメロディーと内省的な歌詞が特徴で、Nick Drakeの繊細な感性が最もストレートに表現されています。

「Pink Moon」はアルバムの中でも特に短く、約2分の曲ですが、その静謐なギターサウンドとポエティックなボーカルは聴く人の心に強く響きます。当初、アルバムのプロモーションはほとんどされなかったため、リリース当時のレコードは販売枚数が少なく市場でも希少な存在でした。

後にCMや様々なメディアで使用されたことで一般にも知られるようになりましたが、現在オリジナルの『Pink Moon』LPレコードは、赤ラベル初版(オリジナル1stプレス)が最も価値が高く、状態の良いものはコレクター間で非常に高額取引されています。

  • 発売:1972年 
  • レーベル:Island Records(赤ラベル初版)
  • 音質:アナログならではの温かみがあり、多くのオーディオファイルが高評価
  • 価値:保存状態によっては数十万円を超えることもある希少盤

3. 「Northern Sky」:美しいストリングス伴奏が魅力の佳曲

Nick Drakeの2ndアルバム『Bryter Layter』(1971年)に収録される「Northern Sky」は、そのポップでメロディアスな作風でファンから高い評価を得ている曲です。Rickie Lee JonesやBeth Ortonなど、多くのシンガーがカバーしたことで知られています。

この曲の特徴は、Nick Drakeのアコースティックギターに加えて、John Caleが担当したストリングスアレンジの浮遊感あふれるサウンドです。これにより、彼の作品の中でも特に華やかな雰囲気が漂い、同アルバムの中でもひときわ目立っています。

『Bryter Layter』のオリジナルレコードは日本ではプレス数が少なく、特に欧州初版は非常に希少でコレクター間での人気も高いです。Island Recordsの黄色レーベルや、フォーマット違い(45回転盤など)が存在し、これらもコレクター心をくすぐります。

  • 発売:1971年
  • レーベル:Island Records(黄色レーベル初版が有名)
  • 特徴:John Caleによるストリングスアレンジが豪華
  • 価値:オリジナル盤は保存良好ならば珍重され、数万円~十数万円で取引されることも

4. 「Time Has Told Me」:デビューアルバムの代表曲

Nick Drakeの記念すべきデビューアルバム『Five Leaves Left』(1969年)に収録された「Time Has Told Me」は、彼のフォーク・スタイルと特徴的なギターフィンガリングがよくわかる代表曲です。

この曲は、Nick Drakeの孤独感や内省が滲み出た歌詞とメロディを特徴としており、彼の初期の作品に見られる繊細な音楽世界の象徴的な曲とされています。

レコードに関しては、初回プレスの「赤ラベル」および「黒ラベル」と呼ばれる版が存在しており、とくに赤ラベルはコンディションや流通数の少なさから高額査定となっています。一般流通のLP盤でも今日では良好な状態のものは希少になってきているため、コレクター垂涎の品となっています。

  • 発売:1969年
  • レーベル:Island Records(赤ラベル初版が特に希少)
  • 特徴:フォーキーで叙情的な楽曲、悲愴感のあるボーカル
  • 価値:オリジナル赤ラベルLPは稀少かつ人気、プレミア価格を誇る

5. レコードコレクターズから見たNick Drakeの魅力

Nick DrakeのオリジナルLPレコードは、単なる音楽作品としてだけでなく、その希少性と音質、ジャケットの美しさからもレコードコレクターの間で絶大な人気を誇ります。特に1970年代のプレス技術やレーベルの違いによって音質やプレスの状態に差があるため、愛好家は細かくバージョンを見分けながらコレクションを行っています。

また、Nick Drakeのレコードはその時代の仕掛けとしてインサートや帯(日本盤)なども存在し、その当時の紙質や印刷技術を検証する資料としても貴重です。特に日本盤は音質調整のためにマスタリングが独自に行われていることもあり、特別なファン層から評価されています。

さらに、Nick Drakeの作品はCDやデジタル配信で容易に聴けるものの、オリジナルプレスのレコードにはアナログならではの温かみのあるサウンドや盤面の質感、ジャケットの質感などCDやサブスクでは味わえない魅力があります。

6. まとめ

Nick Drakeの代表曲である「Pink Moon」「Northern Sky」「Time Has Told Me」は、彼の音楽スタイルの多様性と独特の世界観を象徴的に示しています。これらの名曲は、いずれもIsland Recordsからリリースされたアナログレコードの初版が現在では非常に希少価値があり、音楽ファンやレコードコレクターの間で高く評価されています。

生前に知られることが少なかったNick Drakeですが、彼の残した作品は時代を超え、今なお新しいファンを獲得し続けています。もし機会があれば、ぜひオリジナルプレスのレコードで彼の代表曲を味わい、その繊細な世界に浸ってみてください。アナログならではの深い響きと温かさが、Nick Drakeの音楽の真髄をより深く感じさせてくれることでしょう。