ザ・ヤードバーズ完全ガイド|伝説のギタリストと希少アナログレコードの魅力とは
The Yardbirdsとは?
The Yardbirds(ザ・ヤードバーズ)は、1960年代に英国で結成されたロック・バンドで、ブルースを基盤としたサイケデリック・ロックとハードロックの先駆けとして知られています。特にそのギタリスト陣においてエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジといった後にロック史に名を刻む名手たちを輩出したことで有名です。
バンド結成と初期の活動
ザ・ヤードバーズは1963年にロンドンで結成されました。当初のメンバーはエリック・クラプトン(ギター)、クリス・ドレヤン(ボーカル)、ポール・サミュエルズ(ベース)、ジム・マックギネス(ギター)、そしてジム・ミリナー(ドラム)でした。彼らは地元のクラブシーンを中心に活動を開始し、ブルースカバーを多くレパートリーにしていました。
クラプトンが1965年に脱退し、後任としてジェフ・ベックが加入するとサウンドはさらにハードで革新的なものへと進化していきます。また、後にジミー・ペイジがベースやギターとして参加し、バンドは名実ともに英国ロックの最前線に立つこととなります。
レコードリリースとヒット曲
ザ・ヤードバーズはレコードレーベルEMIの傘下にあるColumbiaレコード(英国)とEpicレコード(米国)から多数のシングルとアルバムをリリースしました。以下に代表的なレコード作品とその特徴をまとめます。
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シングル「For Your Love」(1965)
エリック・クラプトン脱退後の新ギタリスト、ジェフ・ベック参加の最初のヒットシングル。UKチャートでトップ10入りを果たし、バンドの商業的成功のきっかけとなりました。数多くのアナログ盤はヴィンテージ盤としても人気があります。 -
シングル「Heart Full of Soul」(1965)
ジェフ・ベックの独特なギターサウンドが際立つ一曲。東洋的なフレーズを取り入れた演奏が評価されました。このシングルのオリジナル盤は英国盤、米国盤それぞれに異なるジャケットデザインが存在し、コレクターズアイテムとしても人気です。 -
シングル「Shapes of Things」(1966)
ザ・ヤードバーズのサウンドがさらにサイケデリックに進化した代表曲。ジェフ・ベックのギターが炸裂するこの曲は多くのギタリストに影響を与え、英国シングルチャート5位を記録。アナログシングルはオリジナルの英国プレスを中心に高い価値があります。 -
アルバム『Roger the Engineer』(1966)
通称『The Yardbirds』としても知られるこのアルバムは、バンドの音楽的成熟を示した作品。ジェフ・ベック、ジミー・ペイジが在籍時の録音で、ブルース、サイケデリック、ハードロックの要素を融合させています。オリジナルのステレオ英国盤LPはコレクターズアイテムとして非常に人気があります。
ギタリストたちとサウンドへの影響
ザ・ヤードバーズほどギタリストに恵まれたバンドは稀であり、彼らのサウンドは大きく3人のギタリストによって特徴づけられています。
- エリック・クラプトン — 真正のブルース・ギタリストであり、バンド結成時のブルース色の強いサウンドを牽引。
- ジェフ・ベック — 爆発的かつ実験的なギター・プレイでヤードバーズの音楽にサイケデリックな風味を加え、様々なエフェクトを駆使した新しいギターサウンドを開拓。
- ジミー・ペイジ — ベース兼リードギターとしてクラブミュージックや録音に参加し、後にレッド・ツェッペリンを結成。トラックごとにギターを分けて演奏するレコーディング手法で知られています。
彼らはライブ演奏においてもインプロヴィゼーションとハードなギターリフでファンを魅了し、レコードにもそのエネルギーが反映されています。
レコードのコレクターズアイテムとしての価値
ザ・ヤードバーズのレコードはコレクターの間で非常に高い価値を持っています。特に1960年代のオリジナルLPやシングルは、保存状態、プレスのタイプ(英国盤、米国盤、ジャケットのバリエーションなど)によって価格が大きく異なります。
例を挙げると:
- 「For Your Love」初版シングル英国盤(Columbia 1965年)は稀少で状態良好なものは高額取引されることが多い。
- アルバム『Roger the Engineer』のオリジナルステレオプレスは、特にジャケット内のインナーや帯が完備された状態のものがコレクター人気が高い。
- 「Shapes of Things」シングルはプレスされた国や年によりジャケットのデザインが異なり、希少性を左右する要素となります。
こうしたアナログレコードは近年のリバイバル人気も相まって、コレクションや投資対象として注目されています。
まとめ
ザ・ヤードバーズは1960年代英国ロックの枠組みを超えた革新的なバンドであり、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジという巨匠ギタリストが在籍したことでロック史に消えない足跡を残しました。彼らのレコード作品は、ブルースからサイケデリック、ハードロックへの変遷を辿ることができる貴重な音源であり、多くのコレクターや音楽愛好家にとって宝物です。
特に1960年代にリリースされたオリジナルのアナログ盤は、音質やジャケットデザイン、レーベルごとの違いが魅力で、今なおその価値を高めています。ザ・ヤードバーズの音楽的遺産に触れるためにも、ぜひ彼らのレコード収集に挑戦してみてはいかがでしょうか。


