間仕切りとは?種類・用途・施工方法をわかりやすく解説【建築基礎知識】
間仕切りとは
間仕切り(まじきり)とは、室内空間を区切るために設置される壁・パネル・仕切りの総称です。
建築工事では「間仕切壁」「間仕切りパネル」「可動間仕切り」などと呼ばれ、住宅・オフィス・店舗・工場など、あらゆる建物で使用されています。
固定の壁だけでなく、可動式・簡易式など多様な種類があり、
目的に応じて柔軟に空間を分割することができます。
間仕切りの役割
1. 空間の分割
リビングと寝室・作業室と会議室など、目的に応じて空間を区切る。
2. プライバシー確保
視線を遮る・音を遮るなど、生活や業務の快適性を向上。
3. 動線の整理
通路と作業スペースを分けることで安全性が向上。
4. 音・臭い・空気の遮断
吸音・防音間仕切りや気密性の高い間仕切りも存在。
5. 空間の柔軟性の確保
用途変更に応じて動かせる可動間仕切りも多い。
間仕切りの種類
■ 1. 固定間仕切り(常設)
最も一般的な間仕切り。壁として固定される。
- LGS(軽量鉄骨下地)+石膏ボードの間仕切り
- 木下地壁
- 造作壁
- コンクリートブロック(CB造)の間仕切り
住宅、オフィス、倉庫など幅広く使用される。
■ 2. 可動間仕切り(移動式)
空間を柔軟に多目的利用するための可動タイプ。
- アコーディオンカーテン
- 可動パーティション
- スライディングウォール
- 移動間仕切りパネル
会議室・ホール・店舗など、用途変更が多い場所で使用。
■ 3. 簡易間仕切り(仮設)
工事現場・倉庫・工場でよく見られる一時的な仕切り。
- カーテン間仕切り
- ビニールシート
- 仮設パネル
- コンパネ・スタイロでの仕切り
短期間の区画整理やほこり防止に最適。
■ 4. 特殊機能付き間仕切り
目的別に機能を付けたタイプ。
- 防音間仕切り
- 吸音パネル
- 耐火間仕切り
- 断熱間仕切り
- 透明パネル(ポリカ・ガラス)
オフィス・スタジオ・工場ラインなどで用途が広い。
間仕切りの主要素材
- LGS(軽量鉄骨)
- 石膏ボード
- 木材(ツーバイ材・合板)
- アルミフレーム
- ガラス・ポリカーボネート
- ビニールカーテン
- スチールパネル
- コンパネ(工事用)
建物の用途、火災区画、遮音性能に応じて選定される。
間仕切りの施工手順(固定間仕切りの一般例)
- 墨出し(間仕切りラインの設定)
- LGSまたは木下地の組立
- 配管・配線の先行工事(必要に応じて)
- 石膏ボード張り
- パテ処理
- 仕上げ(クロス・塗装など)
防音仕様の場合は、グラスウール充填・遮音シート施工などが追加されます。
間仕切りを選ぶときのポイント
1. 音の問題
会議室・寝室などは遮音性能の高い材料を選ぶ。
2. 火災区画
法令によって耐火区画が必要な場合がある。
3. メンテナンス性
設備スペースや点検が必要な場所は可動式が適する場合も。
4. コスト
固定壁は安価、可動式は機能により高価。
5. デザイン
ガラス間仕切りや透明パネルは開放感を演出。
間仕切りとパーティションの違い
| 項目 | 間仕切り | パーティション |
|---|---|---|
| 設置 | 固定・可動どちらもあり | 主に移動式 |
| 目的 | 空間を区画・分離する | 空間の一部を目隠し・整理 |
| 強度 | 比較的高い | 種類により異なる |
| 使用場所 | 室内全般 | オフィス・工場など |
パーティションは間仕切りに含まれる場合も多いが、一般的には「簡易仕切り」を指すことが多い。
まとめ
間仕切りとは、室内空間を区分するための壁・仕切りの総称で、建築・設備工事において非常に重要な要素です。
固定式の壁から可動式・簡易式まで種類が豊富で、用途・目的・建物の特性に合わせて選定することで、快適で安全な空間を作ることができます。
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