クリス・デイヴ完全ガイド:入門〜深掘りの必聴レコードと聴きどころ・選び方
イントロダクション — クリス・デイヴとは何者か
クリス・デイヴ(Chris Dave)は、モダン・ジャズ/R&B/ヒップホップを自在に横断するアメリカのドラマー/ビートメイカーです。グルーヴ感の妙、複雑なハイハットやスネアのポリリズム、そして「間」を活かすプレイで知られ、セッション・ミュージシャンとして多数のアーティストと共演する一方、自身のバンド「Chris Dave and the Drumhedz」でリーダー作も発表しています。本コラムでは、彼の“聴くべき”レコード(主に彼の演奏やサウンドの魅力が分かる作品)をピックアップして、聴きどころや選び方を深掘りします。
おすすめレコード — 入門編(まずこれを押さえる)
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Chris Dave and the Drumhedz — Chris Dave and the Drumhedz(リーダー作)
彼がバンドリーダーとして提示する世界観が最もストレートに分かる1枚。ジャズ、ソウル、ヒップホップ、エレクトロニカ的な要素が混ざり合い、ドラミングはもちろんアレンジやサウンドメイク面での彼の個性が随所に出ています。バンドサウンドの中での「間の取り方」「変拍子を感じさせないポケット感」を確認するのに最適です。
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Robert Glasper Experiment — Black Radio(および続編)
(Glasper作品群はクリス・デイヴのプレイを聴くうえで重要な参照点です)ロバート・グラスパー率いるExperimentは、ジャズとブラックミュージックのクロスオーバーを体現するプロジェクト。クリス・デイヴはこの系譜の作品やライブで重要な役割を果たし、メロディとビートの接点でどのようにリズムを構築するかがよく分かります。
おすすめレコード — 深掘り編(セッションワークで輝くプレイを聴く)
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大型アーティストのアルバム(彼が参加しているセッション曲をチェック)
クリス・デイヴは多くのソウル/ポップ系アーティストのレコーディングやツアーに参加しており、セッション単位でその“幅”が確認できます。大きめのポップ作品やネオソウル系のアルバムに参加したトラックでは、スタジオワークならではの繊細なタイム感や、音作りの面での工夫が感じられます。クレジット情報を見て参加曲をピックアップして聴き比べると面白いです。
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ライブ盤/ライブ映像(ライブの即興性を体感)
スタジオでは抑えられた衝動やアプローチが、ライブだとより大胆に出ることがあります。ライブ音源や映像での長尺ソロやソロ間の応酬を聴くと、彼のダイナミクス感や即興判断の妙がよく分かります。
聴きどころ(クリス・デイヴを知るための聞き分けポイント)
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「ポケット」の作り方
速いフレーズや複雑なフィギュアの中でも、全体のグルーヴを崩さず“揺らぎ”を作る。これが彼の大きな魅力です。ベースや鍵盤とどう噛み合っているかを意識して聴くと分かりやすいです。 -
ゴーストノートとスネアの表現
微細なゴーストノートやスネアのアプローチがサウンドの色付けに大きく寄与します。小さなタッチの違いが曲の感触を大きく変えるので、スネアの粒立ちや残響の扱いに注目してください。 -
ハイハット/リムショットの使い分け
クラシックなスイングやヒップホップ寄りのグルーヴなど、ジャンルに応じた細かい使い分けが多いです。アクセントや間の取り方に注目すると差が見えます。 -
音作り・エフェクトの導入
彼の最近のプロジェクトでは、ドラミングにサンプリングや電子音、打ち込み感を融合することがあり、単純な“生ドラム”だけではないサウンドスケープも楽しめます。
聞き比べの提案(実践的な楽しみ方)
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同じ曲のスタジオ音源とライブ音源を比較
タイム感やアドリブの違いを比較することで、クリス・デイヴの即興判断や空間把握能力がよく分かります。 -
ベースとドラムの関係に注目して聴く
“グルーヴの芯”がどのように作られているか、低音帯の揺れとスネア/キックの関係を追ってみてください。 -
曲ごとに「何を削いでいるか」を探る
彼のプレイは余計な音を置かない“引き算の美学”が働くことが多いです。不要な音を削ることで生まれる回路や間の効果に注目すると発見があります。
どの盤を買うか(選び方のコツ)
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リーダー作は帯域やアレンジが彼中心
自身のバンド名義の作品はプレイだけでなくサウンドデザインや編曲面でも彼の意図が反映されています。まずはリーダー作を1枚持っておくと、“クリス・デイヴ的”な美学が掴みやすいです。 -
セッション参加作はクレジットを確認して好きなトラックをピックアップ
参加曲はアルバム全体に対して1〜数曲ということが多いので、クレジットで確認してから購入やストリーミングのプレイリスト作成が効率的です。 -
ライブ音源や映像は即興の学びに最適
YouTubeなどでライブ映像を探し、視覚的な演奏フォームやインタープレイを見ると理解が深まります。
最後に — クリス・デイヴを聴くことの愉しみ
クリス・デイヴの魅力は「一聴して凄いと分かるテクニック」と「繰り返し聴くほどに味が出る繊細さ」の両立にあります。ジャズ的な即興感、R&B的なグルーヴ、ヒップホップ的なビート・センスが混ざり合った独自のリズム美学を、リーダー作と代表的なセッション参加作を軸に聴き分けてみてください。
参考文献
Chris Dave — Wikipedia
Chris Dave and the Drumhedz — Wikipedia(アルバム項目)
Black Radio(Robert Glasper Experiment) — Wikipedia
Chris Dave — Discogs(参加作品のクレジット確認に便利)
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