保存版:The 1975をレコードで楽しむためのおすすめアルバム&エディション選びガイド
はじめに — The 1975 とレコードの相性
英国・マンスフィールド出身のロック/ポップ・バンド、The 1975(ザ・ナインティーン・セブンティファイブ)は、エレクトロニカ、ポップ、R&B、そしてアンビエント的な要素を横断するサウンドで、2010年代以降のシーンを象徴する存在です。アルバムごとに表現スタイルやプロダクションが大きく変わるため、アナログ盤で聴くと各作品の質感や空気感の違いがよりダイレクトに伝わってきます。
以下では、コアな名盤からコレクターズアイテム的なリリースまで、The 1975 の“レコードで持っておきたい”おすすめ作品をピックアップし、楽曲や制作のハイライト、レコードで聴く際の推薦ポイント(プレスの違いやエディションの選び方を含む)を深掘りします。
おすすめレコード一覧(深堀解説)
The 1975(デビュー・アルバム、2013)
概要:デビュー作にしてバンドの基盤を確立したアルバム。インディー・ロック的な骨格に80〜90年代のポップ感、そしてマット・ヒーリーの叙情的なボーカルが融合しています。ヒットシングル「Chocolate」「Sex」などを収録。
- 注目曲:Chocolate、Sex、Robbers
- 聴きどころ(アナログでの魅力):ギターのアンビエンスやリバーブの余韻、ボーカルの距離感がアナログ特有の温度で増幅されます。アッパーなナンバーとバラードのコントラストが明確に出るため、アルバムの“起伏”を楽しめます。
- エディションの選び方:オリジナルの初回プレス(黒盤)で音質・マスタリングに満足できることが多い一方、限定カラー盤や輸入のアナログ仕様(180g重量盤等)がコレクター向け。シングル盤(7インチ)も人気。
I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful yet So Unaware of It(2016)
概要:ポップ、R&B、ニュー・ウェイヴ、電子音楽的アプローチを大胆に取り入れたセカンド。メロディの多様性とポップセンスが前面に出た野心作で、世界的な評価を確立しました。
- 注目曲:The Sound、Somebody Else、If I Believe You、A Change of Heart
- 聴きどころ(アナログでの魅力):このアルバムはアレンジやサウンドスケープが非常に豊かで、アナログ盤だと低域の厚みやシンセの温度感が実感しやすいです。バラエティに富む曲調がレコードの両面に効果的に配置されており、A面/B面の流れを楽しむ「アルバム体験」と相性が良い作品です。
- エディションの選び方:当作は複数のカラー盤やデラックス仕様が存在するため、ライナーノーツやブックレットの充実したエディションを選ぶとアートワークや歌詞カードも楽しめます。音質重視なら重量盤の再発を検討。
A Brief Inquiry into Online Relationships(2018)
概要:インターネット時代の孤独や政治/社会に対する観察がテーマとなった概念アルバム的側面を持つ作品。より成熟したソングライティングと幅広いジャンル横断が特徴で、批評的にも高評価を得ました。
- 注目曲:Love It If We Made It、TOOTIMETOOTIMETOOTIME、Sincerity Is Scary
- 聴きどころ(アナログでの魅力):複雑なプロダクションと生楽器の混在するサウンドはアナログでの再生で「一つの空間」にまとまって聞こえることが多く、曲ごとの細かなニュアンスが立ちます。社会的メッセージの重さを、音の「温度」として受け止めやすい作品です。
- エディションの選び方:この期の作品はシングルやリミックス、デラックス盤の展開が多いので、収録曲やボーナストラックの有無を確認して購入を決めると良いでしょう。
Notes on a Conditional Form(2020)
概要:変化と分裂、ポストモダン的な実験性が濃く出たアルバム。ジョー・バッシング(Joe)的な曲からノイズ〜フォーク風の曲まで振り幅が大きく、賛否両論を呼んだ野心作です。
- 注目曲:People (I’ve Been Searching)、If You’re Too Shy (Let Me Know)、The Birthday Party
- 聴きどころ(アナログでの魅力):一筋縄ではいかない楽曲構成が多いため、アナログでの“順序を追う”体験が理解を助けます。曲間の空気感や長尺のインタールード的なトラックは、デジタルよりもレコードで聴くと説得力が増すことがあります。
- エディションの選び方:批評的・芸術的側面を重視するならアートワークやライナーノーツが充実したもの、音像の鮮明さを求めるなら高品質な再プレス(180gなど)を選ぶのが良いでしょう。
Being Funny in a Foreign Language(2022)
概要:より歌ものに立ち返った作風で、メロウでポップな楽曲が並ぶアルバム。成熟したソングライティングと洗練されたプロダクションが印象的です。
- 注目曲:Part of the Band、Happiness、All I Need to Hear(シングル群)
- 聴きどころ(アナログでの魅力):エレガントなアレンジやストリングス、繊細なボーカル・テイクはアナログの音場表現で深みを増します。夜に静かにじっくり聴きたくなる一枚です。
- エディションの選び方:リリース後のプレスは複数あるため、初回盤や限定色はコレクター価値が高い傾向。音質優先ならプレスの評判(ヴィニールのノイズ感やマスタリング)をレビューで確認して選びましょう。
コレクター向け・特別に注目したいリリース
- Music for Cars(コンピレーション/ボックス・セット) — これまでのシングルや未発表トラックをまとめたコレクション的なアイテム。コアファンやコレクターに人気。
- 限定7インチやプロモ盤 — 初期シングル(Chocolate / Sex 等)の7インチはコレクション性が高い。ジャケの仕様やインサートの有無に差が出ます。
- インターナショナル盤(日本盤ボーナスなど) — ボーナストラックや日本語解説が付属する場合あり。盤面のプレス国による音質差もチェックポイント。
買うときの実用的なアドバイス(エディション選び中心)
- オリジナル初回プレス vs 再発:音質的に初回盤が良い場合もあれば、マスターが見直された再発(リマスター、重量盤)で改善されていることもあります。購入前に評判(オーディオフォーラムやレビュー)を確認しましょう。
- 輸入盤と国内盤の違い:ジャケットの色味や帯、歌詞カードの有無、プレス品質が異なります。日本語の歌詞/解説を重視するなら国内盤、アートワークのオリジナル性や限定色を狙うなら輸入盤がおすすめです。
- 限定カラー盤の価値:見た目のインパクトは高いが、色盤は必ずしも黒盤より音が良いとは限りません。コレクション目的か音質目的かを明確にして選んでください。
- ショッピングの際は出品者レビュー・出荷写真を確認:中古で買う場合は盤面写真、針音(スクラッチ)に関する情報をチェック。新譜は信頼できるショップでの購入が安心です。
レコードでThe 1975を楽しむためのリスニング提案(短め)
- アルバム単位で聴く:The 1975はアルバム毎の流れを重視するアーティストなので、A面・B面通して聴くと各曲の意味や対比が深まります。
- ヘッドフォンだけでなくスピーカーでも:アナログならスピーカーで鳴らしたときの“空気感”が魅力。スピーカーで部屋を満たして聴いてみてください。
- ジャケやライナーノーツを傍らに:歌詞カードやアートワークを見ながら聴くと、歌詞と音像の結びつきがより楽しめます。
まとめ
The 1975 は作品ごとに表情が大きく変わるバンドです。そのため、どのアルバムをアナログで持つかは「どの時期の彼らの音が好きか」によって変わります。デビュー盤の荒々しさ、セカンドのポップ性、3rdの社会的洞察、4thの実験性、5thの成熟――それぞれが異なる魅力を持つので、まずは自分のフェイバリット曲が入っているアルバムから始めるのが失敗の少ない選び方です。
参考文献
- The 1975 公式サイト
- The 1975 - Wikipedia
- The 1975 - Discogs(ディスコグラフィ)
- The 1975 - AllMusic
- The Guardian — The 1975 関連記事
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