Arctic Monkeys必聴アルバム7選|おすすめレコードと聴きどころ完全ガイド
Arctic Monkeys — いま改めて聴きたいレコード紹介
イギリス北部シェフィールド出身のロック・バンド、Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)。2000年代中盤のインディー・ロック再燃の象徴であり、その後の10〜20年でサウンドや歌詞表現を大きく変化させ続けてきました。本コラムでは、彼らのキャリアを俯瞰しつつ「まずこれを押さえておきたい」おすすめレコードをピックアップし、各作品の聴きどころや聞き分けポイントを深掘りして解説します。
選び方の基準
- バンドの「転機」や「到達点」を示す作品を中心に選定
- 代表曲だけでなく、アルバム全体の作風やムードの違いを解説
- 初めて聴く人も、既にファンの人も新たな発見がある視点を提供
Whatever People Say I Am, That's What I'm Not(2006)
デビュー作にして社会現象を巻き起こしたアルバム。若さと観察眼が凝縮された歌詞、鋭いギターリフ、勢いのある演奏で瞬時に支持を集めました。
- 聴きどころ:初期のエネルギーとストリート感。Alex Turnerの生活観察的で具体的な歌詞(クラブや夜の街の描写)が光る。
- 代表曲:I Bet You Look Good on the Dancefloor、When the Sun Goes Down
- 注目ポイント:テンポ感とリズム隊(ベース+ドラム)のタイトさ、若き日の人間描写の瑞々しさ。
Favourite Worst Nightmare(2007)
デビューの延長線上にありつつ、ソングライティングの幅が広がった2作目。メロディの骨格が強まり、よりドラマ性のある楽曲が増えます。
- 聴きどころ:ギター・アンサンブルの厚みと、フックの効いたメロディ。歌詞は依然とがっているが、曲構成が洗練された印象。
- 代表曲:Fluorescent Adolescent、505、Brianstorm
- 注目ポイント:スピード感と緊張感。曲ごとにテンションの振れ幅が大きく、アルバム全体の流れを意識して聴くと面白い。
Humbug(2009)
サウンド的に暗く、ヘヴィでサイケデリックな方向へ舵を切った作品。Josh Homme(Queens of the Stone Age)をはじめとする外部の影響が色濃く出たアルバムで、これがバンドの“変化”の始まりとなります。
- 聴きどころ:重心の低いギター、スロー〜ミディアムテンポの曲で醸し出される陰影。Alex Turnerのボーカル表現がより表情豊かに。
- 代表曲:Crying Lightning、My Propeller(雰囲気重視で聴きたい)
- 注目ポイント:ポップさよりもムード重視。ライティングやアレンジの妙がない交ぜになる章。
Suck It and See(2011)
メロディの柔らかさが前面に出たアルバムで、ロマンティックな曲やフォーク寄りのタッチも取り入れています。前作のダークさから一転して、叙情的で親しみやすい作品。
- 聴きどころ:メロディラインの美しさ、アコースティックやクリーントーンのギターの効かせ方。
- 代表曲:The Hellcat Spangled Shalalala、Piledriver Waltz
- 注目ポイント:歌詞の言葉遊びや恋愛描写に注目すると新たな魅力が見えてくる。
AM(2013)
バンドの世界的ブレイクを決定づけた作品。R&Bやヒップホップ寄りのリズム感を取り入れつつ、キャッチーなギターリフと夜のムードを掛け合わせた“モダン・ロック”の到達点です。
- 聴きどころ:重心の効いたビートと、セクシーで落ち着いたムード。Turnerのヴォーカルの語り口も深化。
- 代表曲:Do I Wanna Know?、R U Mine?、Why'd You Only Call Me When You're High?
- 注目ポイント:プロダクションの洗練度。アルバム全体での統一感が強く、夜のドライブや大人の時間に合う。
Tranquility Base Hotel & Casino(2018)
ピアノ主体のコンセプト作で、従来のギター主導のロックから大きく離れた実験的な一枚。幕間劇のような語りとレトロフューチャーな世界観が特徴です。
- 聴きどころ:歌詞の文学性と抽象性。メタファーやSF的モチーフが多く、物語のように解釈できる。
- 代表曲:Four Out of Five(アルバム全体を通して世界観を味わうことが肝)
- 注目ポイント:アルバムを“作品”として楽しみたいリスナー向け。リピートして詩や細部のアレンジを追う楽しさがある。
The Car(2022)
オーケストレーションや弦楽アレンジが印象的な、より映画的で洗練された作品。Turnerのソングライティングがさらに成熟し、ポップ/クラシカルな手法が融合しています。
- 聴きどころ:ストリングスやブラスを含むアレンジ、緩急のつけ方、そしてLaurenceの語り口の落ち着き。
- 代表曲:There'd Better Be a Mirrorball(旋律美とアレンジの調和が素晴らしい)
- 注目ポイント:アルバム全体の音像に耳を傾けると新しい層が見えてくる。楽器間の配置や空間表現が魅力。
EP・シングル、深掘りしたい補助盤
- Who the F**k Are Arctic Monkeys?(初期の未発表曲や裏面の空気が好きな人向け)
- B-sides集や限定シングル:アルバムには入らなかった良曲が多く、コアなファンにとって発見がある。
聴き方ガイド:何を意識して聴くと良いか
- 時代ごとの差を比較する:デビュー〜AMまでは外向きのギター・ロック、TBH&C〜The Carは内省的でプロダクション重視。対比すると変化が分かりやすい。
- 歌詞の“人物描写”に注目:Turnerは初期から具体的な情景描写が得意。誰が何をしているかを想像して聴くと面白い。
- 楽器の役割を追う:ベースとドラムのリズム隊、ギターのリフ、鍵盤や弦楽器の使い分け—各アルバムでの配置がサウンドの色を決める。
- 続けて聴く順:入門はデビュー→Favourite Worst Nightmare→AMでバンドのエッセンスを掴み、変化を楽しむならHumbug以降を順に。
どのエディションを選ぶか(アルバム体験の観点)
初めて聴くなら通常のスタジオアルバム(CD/配信)で曲順どおりに聴くのが基本。アルバムの世界観を深く味わいたいなら紙ジャケットやライナーノーツ付き、あるいはアナログ盤でのリリース情報(限定盤やボーナストラックの有無)をチェックすると楽しみが広がります。
まとめ:Arctic Monkeysを楽しむために
彼らの魅力は「変化を恐れない姿勢」と「常に歌に重心があること」です。最初の衝撃的なデビュー作から、サウンドや表現を大胆に更新してきた軌跡をアルバム単位で追えば、ロック・バンドとしての懐の深さに気づくはず。入門編としてはデビュー作とAMを、深掘りしたいならHumbug→Tranquility Base→The Carと続けて聴くことをおすすめします。
参考文献
- 公式サイト — Arctic Monkeys
- Wikipedia — Arctic Monkeys
- Domino Recording Company — Arctic Monkeys(レーベル情報)
- Rolling Stone — Arctic Monkeys関連記事
- NME — Arctic Monkeys(記事・レビュー)
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