Bread(ブレッド)入門|70年代ソフトロックの名盤と代表曲でたどるおすすめアルバムガイド

Bread(ブレッド)──やわらかなメロディが刻む70年代ソフトロックの美学

アメリカのソフトロック/ポップ・グループBread(ブレッド)は、デヴィッド・ゲイツ(David Gates)を中心に、1970年代初頭のラジオを彩った存在です。洗練されたメロディ、透明感のある歌声、丁寧に作り込まれたアレンジで、当時のポップとアダルト・コンテンポラリーの橋渡し的役割を果たしました。本コラムでは、代表的なレコード(LP)を中心に「何を聴くべきか」「その魅力はどこにあるか」を深掘りしていきます。

バンド概要と聴きどころ

  • 結成とメンバー:デヴィッド・ゲイツ(リード・ボーカル、作曲・編曲の中核)、ジミー・グリフィン(ギター/ヴォーカル)、マイク・ボッツ(ドラム)などが中心。ゲイツのソングライティングとプロデュース感覚が楽曲の核。
  • サウンドの特徴:アコースティック・ギターを基調にした柔らかなサウンド、ストリングスや控えめなエレキを用いたアレンジ、滑らかなハーモニー。歌詞は恋愛や郷愁を中心にしつつも普遍性が高い。
  • 影響と位置づけ:ソフトロック/アダルト・コンテンポラリーの代表格として、以降のシンガーソングライターやポップバラードのスタンダードに影響を与えました。

おすすめレコード(アルバム)と聴きどころ解説

On the Waters(1970)

代表曲「Make It with You」を含むアルバム。商業的ブレイクの契機となった1枚で、シンプルで親しみやすいメロディが光ります。

  • 聴きどころ:タイトル曲「Make It with You」はメロディ・ラインとゲイツの温かい歌声が直球で心に響く名曲。全体的に耳に残るフックと丁寧なアンサンブルが魅力。
  • おすすめリリース:初期のElektraオリジナル盤や、音質にこだわるなら良好なマスターを使った再発盤を探すと良いでしょう。

Baby I'm-a Want You(1971)

タイトル曲「Baby I'm-a Want You」をはじめ、「Everything I Own」などヒット曲を多数収録。ブレッドの“甘く切ない”ポップ性が結晶した傑作。

  • 聴きどころ:バラエティに富んだバラード群が中心で、ストリングスの使い方やコーラス・ワークに注目。ポップ・ラジオ向けながら曲ごとの質感が高い。
  • おすすめポイント:ヒット曲がまとまっているため、入門盤として非常におすすめ。

Manna(1971)

アルバムとしてのまとまりが良く、名バラード「If」などを収録。音楽的な幅の広がりが感じられる一枚です。

  • 聴きどころ:ヴォーカルと伴奏の微妙なニュアンス、曲ごとのダイナミクスに注目。穏やかな中にも繊細な表現が多い。

Guitar Man(1972)

タイトル曲「The Guitar Man」を収めたアルバム。ややロック寄りのトーンも見せつつ、ブレッド節は健在です。

  • 聴きどころ:ギター表現の存在感と「歌もの」としての完成度の両立。曲のアンサンブルがさらに洗練されています。

Lost Without Your Love(1976)

一度の解散と再結成後の作品で、タイトル曲がヒット。70年代中盤の職人的ポップ・ソングライティングが堪能できます。

  • 聴きどころ:成熟した音楽性と、バンドの“復活”を感じさせる落ち着き。プロダクションの完成度が高い。

The Best of Bread(編集盤/1973ほか)

代表曲を集めたベスト盤は、初めて聴く人に最適。ヒット曲を一気に把握できます。

  • 聴きどころ:彼らの“顔”となる楽曲を網羅。アルバム曲を深掘りする前の導入として有効。

代表曲ピックアップと短評

  • Make It with You — ブレイクのきっかけとなった王道バラード。シンプルさが最大の魅力。
  • Baby I'm-a Want You — カジュアルなポップ感と哀愁が同居する名曲。
  • Everything I Own — 切ない愛の歌。カバーも多く、楽曲の普遍性が際立ちます。
  • If — ミニマルな伴奏と情感豊かな歌唱が胸を打つ短い名曲。
  • The Guitar Man — ギターを主題にした物語性のある楽曲で、バンドの音楽的器用さを感じさせます。
  • Lost Without Your Love — 復活作の表題曲。成熟したポップスを聴かせる一曲。

どの一枚から聴くべきか(目的別の選び方)

  • 初めて聴く人:「The Best of Bread」または「Baby I'm-a Want You」。代表曲を短時間で掴めます。
  • バンド像を追いたい人:「On the Waters」→「Manna」→「Guitar Man」の流れで聴くと成長の跡が分かりやすい。
  • ディープに探るコレクター:オリジナルElektraプレスや、良好な再発で音質差を比較しながら選ぶと新たな発見があります。

音楽的魅力を感じるための聴き方の提案(内容に集中するためのガイド)

  • 歌詞とメロディの関係に注目する:シンプルな伴奏の下で歌詞がどのようにメロディと絡むかを追うと、曲の“効き”が良くわかります。
  • コーラスとハーモニーを確認:バック・コーラスや重ね録りされたハーモニーの配置に耳を寄せてみてください。
  • アルバムの並びを楽しむ:ベスト盤だけでなくアルバムとして通して聴くと、曲順による情緒の流れが見えてきます。

最後に

Breadは「ひと聴きで心地よいメロディ」を届ける名手であり、ポップスの世界における“やわらかな力”を体現したバンドです。代表曲だけでなくアルバム単位で聴くことで、アレンジの妙や楽曲ごとの異なる色合いがより深く味わえます。初めての方はベスト盤から入り、気に入ったアルバムを順に掘る――そんな聴き方をおすすめします。

参考文献

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っておりますので是非一度ご覧ください。
https://everplay.base.shop/

また、CDやレコードなど様々な商品の宅配買取も行っております。
ダンボールにCDやレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単に売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery