Peter Gabriel必聴ガイド:初心者がまず聴くべき名盤8選とエディション別の選び方
イントロダクション — Peter Gabrielという存在
Peter Gabrielは、Genesisの初期リードシンガーとしてのキャリアを経てソロに転向し、ロック/ポップの枠組みにワールドミュージック、先進的なサウンドプロダクション、視覚表現(ミュージックビデオ)を持ち込んだアーティストです。革新的な録音技術やコラボレーション、Real WorldレーベルやWOMADを通した世界の音楽の紹介など、音楽史に独自の足跡を残してきました。本コラムでは、彼のキャリアを代表する「聴くべきレコード」を厳選して深掘りします。
おすすめアルバム:入門〜名盤
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Peter Gabriel(1977)通称「Car」
ソロ活動初期の作品。Genesis脱退後の第一作で、代表曲「Solsbury Hill」を収録。フォーク的な器量と実験精神が混ざった作品で、ソロとしての方向性を示したアルバムです。
- 代表曲:Solsbury Hill
- おすすめポイント:メロディの強さとパーソナルな歌詞、初期のサウンドの生々しさ。
- どの盤を探すか:オリジナル盤は雰囲気が強く残る一方、リマスター盤は音の均衡が良く聴きやすくなります。好みで選んでください。
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Peter Gabriel 3(1980)通称「Melt」
通称"Melt"として知られる3作目。政治的・社会的メッセージと先鋭的なサウンドデザインが混在します。代表曲「Games Without Frontiers」や「Biko」(反アパルトヘイトの追悼歌)を収録し、ソロとしての成熟が感じられる一枚です。
- 代表曲:Games Without Frontiers、Biko
- おすすめポイント:エレクトロニクスとオーガニックが融合した音像、社会的テーマを扱う強い表現。
- どの盤を探すか:オリジナル・アナログは当時の質感が楽しめます。デジタル・リマスターは低域やダイナミクスが改善されていることが多いです。
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Security(1982)
アメリカではタイトルが"Security"でリリースされた作品。電子音とワールド的なリズムが一層深化したアルバムで、シリアスなテーマを扱う楽曲が多く含まれます。有名曲「Shock the Monkey」もここに収録されています。
- 代表曲:Shock the Monkey
- おすすめポイント:実験的なサウンド・プロダクションと緊張感のある歌世界。
- どの盤を探すか:CD/デジタルのリマスターで聴きやすくなっている一方、アナログでのダイナミクスも魅力です。
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So(1986)
Peter Gabrielの商業的ピークともいえる大ヒット作。セールス、批評ともに成功し、「Sledgehammer」「In Your Eyes」「Don't Give Up(Kate Bushとのデュエット)」といった代表曲を多数収録しています。ミュージックビデオの表現(特にSledgehammerのアニメーション)は音楽メディア文化にも影響を与えました。
- 代表曲:Sledgehammer、In Your Eyes、Don't Give Up、Big Time、Red Rain
- おすすめポイント:ポップな完成度とアーティスティックな実験の両立。プロダクション、アレンジが非常に洗練されている。
- どの盤を探すか:初回プレス、リマスター盤共に人気。映像(ミュージックビデオ)との関連で楽しむのもおすすめです。
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Passion: Music for The Last Temptation of Christ(1989)
マーティン・スコセッシ監督作品「The Last Temptation of Christ」のために制作されたサウンドトラック。中東〜アジアの伝統音楽を大胆に取り入れた、ワールドミュージック的な傑作で、Gabrielの音楽的探究心が色濃く反映された作品です。
- 代表曲:タイトル曲「Passion」に準じるインストやテーマが中心
- おすすめポイント:映画音楽としてのドラマ性、そして世界各地の音楽要素が溶け込んだ深い音響。
- どの盤を探すか:サウンドトラックとしてのまとまりが重要。リリース形態によって収録曲に差がある場合があるので注意。
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Us(1992)
内省的で私的な作風が前面に出た90年代の代表作。個人的な関係やアイデンティティをテーマにした歌が多く、サウンドも複合的。シングル「Steam」や「Digging in the Dirt」などが入り、映像表現とも結びついた作品です。
- 代表曲:Steam、Digging in the Dirt、Blood of Eden
- おすすめポイント:内面の葛藤を映すリリックと実験的な音作りの融合。
- どの盤を探すか:CD時代にリリースされたため、リマスターや再発盤で音質改善されたものが見つかりやすいです。
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Plays Live(1983)
初期の大規模ソロ・ツアーを収めたライブアルバム。スタジオ作とは違う生々しいダイナミクス、リアレンジを楽しめます。ライブでの表現力を知る上で重要な一枚です。
- 代表曲:ライブ・バージョンの代表曲群(アルバム構成に依存)
- おすすめポイント:ステージ上でのエネルギー、アレンジの変化を体験できる。
- どの盤を探すか:ライブ録音のクオリティは盤によって差が出やすいので、評判の良いリリースをチェック。
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New Blood(2011)
既存曲をオーケストラ編成で再構築した作品。原曲の核を保ちながら新たな響きで再提示する試みで、楽曲の別の側面を発見できます。
- 代表曲:オーケストラ版での再解釈が特徴
- おすすめポイント:楽曲の構造やメロディの強さを改めて実感できる。
- どの盤を探すか:アレンジや収録曲がオリジナルと異なるため、曲目を確認してから入手を。
その他の注目作・コンピレーション
初心者には編集盤「Shaking the Tree: Sixteen Golden Greats(1990)」が手軽な入口になります。また、映画音楽やリミックス集、シングルB面などに貴重なトラックが散在するので、深掘りする価値は大きいです。
聴きどころとポイント
- ジャンル横断的なサウンド:ロック、ワールドミュージック、エレクトロニクス、オーケストラまで幅広く取り入れられています。
- 歌詞のテーマ:個人的な葛藤、人権や政治、スピリチュアルな探求など、内容は多岐に渡ります。
- 映像表現との親和性:Sledgehammerなどのミュージックビデオは、彼の楽曲理解を助け、視覚と音の両面で楽しめます。
- コラボレーション:Kate Bush、Youssou N'Dour、Nusrat Fateh Ali Khan など、多様なアーティストとの協働も聴きどころです。
どの盤(エディション)を選ぶか:実用的なアドバイス
- 入門者/普段聴きには:ベスト盤やCDのリマスター盤。音像が整っていて聴きやすいです。
- コレクターやアナログ愛好家には:オリジナル・プレスのアナログ盤は当時の雰囲気とダイナミクスが魅力。ただし状態に差が出やすいので個体確認を。
- サウンドの再解釈を楽しみたい場合:New Bloodやサウンドトラック(Passion、Birdy)をおすすめします。
- ライブの熱量を味わうなら:Plays LiveやSecret World Live(ツアーを収めた映像作品/音源)をチェック。
まとめ:どこから聴くべきか
入門としては「So」をまず聴き、その後でMelt(Peter Gabriel 3)やSecurity、Passion、Usへと深掘りするとGabrielの多面性が実感できます。映像表現やコラボレーションの背景も合わせて追うと、彼の音楽的探究がより立体的に見えてきます。
参考文献
- Peter Gabriel — 公式サイト
- Peter Gabriel — Wikipedia (英語)
- Peter Gabriel — AllMusic
- Real World Records — 公式サイト
- Peter Gabriel — Discogs(ディスコグラフィ詳細)
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