Lonnie Liston Smith入門 — 宇宙的サウンドのおすすめ名盤と最適な聴く順
Lonnie Liston Smithとは
Lonnie Liston Smith(ロンニー・リストン・スミス、1940年生)は、ジャズとスピリチュアル・ジャズ、ファンク、ソウルを自在に横断したキーボーディスト/作曲家です。1970年代に「The Cosmic Echoes」を率いて発表した録音群で、フェンダー・ローズやエレクトリック・ピアノ、シンセサイザーを駆使した“宇宙的”で温かみのあるサウンドを確立しました。ジャズの即興性とポップなグルーヴを結びつけたことから、後のアンビエント、ヒップホップ、チルアウト、イージーリスニング系アーティストに多大な影響を与えています。
おすすめレコード(深掘り解説)
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Astral Traveling(1973)
おすすめポイント:Lonnie Liston Smith名義のリーダー作として初期の代表作。スピリチュアル・ジャズからコズミック・ソウルへと向かう過程が色濃く表れており、アコースティック寄りの“浮遊感”とエレクトリックなテクスチャが混ざり合う。メロディを大切にするアレンジで、聴きやすさと深みを両立しているのが魅力。
聴きどころ:
- タイトル曲の浮遊感のある導入部—ローズとパーカッションの対話
- 静と動のバランス。インプロヴィゼーションが曲の空間を広げる
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Cosmic Funk(1974)
おすすめポイント:タイトル通り“ファンク”に重心を置いた1枚。ローズやシンセのファンキーなリフと、しなやかなリズムセクションが際立つ。ダンス性を残しつつも、空間的なサウンドデザインが施されており、クラブ寄りのリスナーにも親しみやすい。
聴きどころ:
- ベースとドラムによるタイトなグルーブ
- エレピのヴォイシングとシンセのレイヤーが生む“コズミック”感
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Expansions(1975)
おすすめポイント:Lonnie Liston Smithの“代表作”としてまず名前が挙がるアルバムのひとつ。タイトル曲「Expansions」を含むこの時期の作品は、メロウでありながら力強いグルーヴを持ち、多くのリスナーやDJ、プロデューサーに愛されてきました。ジャズ・フレイバーを保ちつつも、ソウル/ファンク/フュージョンのエッセンスがうまく混ざり合っている。
聴きどころ:
- タイトル曲の広がり—シンセとローズのハーモニーで“宇宙的”なスケールを表現
- 中盤のミディアムテンポのナンバーで聴ける心地よいスウィング感
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Visions of a New World(1975)
おすすめポイント:スピリチュアルでポジティブなテーマを全面に押し出した作品。メロウで瞑想的なトラックからアップテンポのナンバーまで幅広く収め、アルバム全体に“明るさ”と“未来志向”が漂います。ゆったり聴きたい時にも、BGM的に空間を作るときにも適した一枚です。
聴きどころ:
- ヴォーカルやコーラスを配した楽曲で伝わる“癒し”の感覚
- エレピ主体のメロディラインが耳に残る
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Reflections of a Golden Dream(1976)
おすすめポイント:よりスムースでドリーミーな方向へ振れた作品。夜やリラックスタイムに合うトラックが多く、アンビエント的な要素とソウルフルなグルーヴが調和している。コアなファンだけでなく、ジャズ入門者にもおすすめしやすい質感。
聴きどころ:
- ゆったりとしたテンポで深い感情を描き出す曲群
- シンセとローズが作る温かなハーモニー
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Love Is the Answer(1977)およびLate 70sの作品群
おすすめポイント:1970年代後半はよりソウル・ポップ寄りのアプローチも増え、メロディの親しみやすさが増した時期です。ラジオやホームリスニングにマッチするトラックが多く、コアなスピリチュアル・ジャズ色からの移行を感じられます。
聴きどころ:
- ヴォーカルを生かした楽曲や、伸びやかなメロディを備えた曲が中心
- 当時のプロダクション・トレンド(R&B寄りのアレンジ)との融合
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Later Works & レア録音(80s以降)
おすすめポイント:80年代以降はデジタル機材の導入やプロダクションの変化によりサウンドがモダンになります。好みは分かれますが、70年代の黄金期のアプローチを踏まえつつ新たな挑戦を行った録音も多く、コレクターや熱心なファンには興味深い資料となります。
聴きどころ:
- シンセサイザー中心の先鋭的なテクスチャ
- 当時のR&B/ポップ寄りのアレンジを楽しむ視点
アルバムごとの“楽しみ方”と聴く順序の提案
初めて聴く人には、まず「Astral Traveling」→「Cosmic Funk」→「Expansions」の順で聴くことを勧めます。初期のスピリチュアル感を味わいつつ、徐々にファンク/グルーヴの快感へと導かれる流れが分かりやすいからです。次に「Visions of a New World」「Reflections of a Golden Dream」でよりメロウな側面を愉しみ、最後に70年代後半〜80年代の作品で表現の変化を追うと、彼の音楽的変遷が立体的に見えてきます。
Lonnie Liston Smithの影響とサンプリング事情(概観)
ロンニーの作品はそのメロウなコード進行、暖かいローズやシンセのサウンド、グルーヴ感ゆえにヒップホップ/エレクトロニカ系のプロデューサーに重宝され、多くのトラックがサンプリングされています。特に70年代中盤の録音は“使いやすいループ”と“音像の豊かさ”を兼ね備えており、ジャンルを超えたリスナーに再評価され続けています。
買うときのポイント(選び方)
- オリジナル盤か再発か:音質/マスタリングやジャケットの雰囲気で好みが分かれる。オリジナル盤はコレクター価値が高いが、近年の良質なリマスター再発も多い。
- 盤の状態:ノイズが気になる場合は盤のグレードを確認(画像や説明文)。ジャケットの保存状態も作品の魅力に影響。
- 曲順/収録差異:盤によっては収録曲や順序が異なる場合があるので、チェックしてから購入を。
まとめ
Lonnie Liston Smithは、ジャズの即興精神を失わずにポピュラーなグルーヴを取り込んだ数少ないアーティストの一人です。彼の代表作群は、聴く環境や気分によってさまざまな側面を見せてくれます。初期のスピリチュアル〜コズミックな色合いを楽しみたいなら「Astral Traveling」、ファンク/グルーヴを楽しみたいなら「Cosmic Funk」「Expansions」、リラックスしたい夜に寄せるなら「Reflections of a Golden Dream」あたりがおすすめです。いずれの作品も、その時代のサウンドと彼独自の温かいキーボード・タッチが堪能できる名盤揃いです。
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