内部施策(オンページSEO)徹底ガイド:WordPressで検索順位を上げる10の必須施策
はじめに:内部施策(オンページSEO)とは何か
内部施策(オンページSEO)とは、検索エンジンの評価を高めるために、サイト内部で行う最適化のことを指します。外部施策(被リンクなど)と対になる概念で、ページ単位のHTML要素、サイト構造、コンテンツ品質、技術的最適化まで幅広く含みます。適切に行えばクローラビリティの向上、インデックス最適化、ユーザー体験(UX)の改善につながり、検索順位やクリック率(CTR)の向上に寄与します。
内部施策の主要構成要素
1. タイトルタグ(title)とメタディスクリプション
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タイトルタグは検索結果のクリック率に直結する重要要素。主要キーワードを自然に含めつつ、70文字程度(表示はpixel幅に依存)で要約するのが基本。
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メタディスクリプションは直接的なランキング要因ではないが、CTR改善に有効。要点を端的に、120〜160文字程度で魅力的に記述する。
2. 見出し構造(h1~h6)と文書構造
見出しは文書の論理構造を示し、クローラーとユーザー双方の理解を助けます。h1はページごとに1つ、主要キーワードと関連語を含め、h2/h3で論点を階層的に整理することが重要です。
3. URL構造とパーマリンク
分かりやすく短いURLはユーザーと検索エンジン双方に好まれます。英語サイトではキーワードを含めたスラッグ、WordPressでは投稿名を利用したパーマリンク設定が推奨されます。動的パラメータの乱用は避け、必要ならばcanonicalで正規化しましょう。
4. コンテンツの品質とキーワード設計
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検索意図(インテント)を満たすオリジナルで有益なコンテンツが最重要。単なるキーワード詰め込み(キーワードスタッフィング)は逆効果。
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関連語(LSI)や共起語を自然に使い、見出しや導入で要点を明示。FAQや構造化された段落でスニペットを狙う。
5. 内部リンク(サイト内リンク)とアンカーテキスト
内部リンクはページの重要度を伝える手段です。アンカーテキストはリンク先の内容を的確に表す語を使い、サイト階層(カテゴリ→記事)に沿って関連ページを相互接続します。サイト全体のリンク構造を定期的に見直し、孤立ページを減らしましょう。
6. 正規化(canonical)と重複コンテンツ対策
同一または類似コンテンツが複数存在する場合、rel="canonical"で基本ページを指定して評価分散を防ぎます。タグページやフィルタ付きページ(ファセットナビ)ではnoindexやcanonicalの設定を検討します。
7. 構造化データ(Schema.org)とリッチリザルト
構造化データを実装すると、検索結果でリッチリザルト(FAQ、レビュー、イベントなど)が表示されやすくなり、CTR向上が期待できます。JSON-LD形式で出力するのが現在の推奨です(Google Search Central参照)。
8. 画像最適化とマルチメディア
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画像はファイルサイズを圧縮し、適切なフォーマット(WebPなど)とレスポンシブなsrcsetを利用。alt属性は画像の内容を説明し、アクセシビリティとSEOの両面で重要。
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動画は適切にschema.orgのVideoObjectを付与し、サムネイル・テキストで文脈を補完する。
9. モバイル対応とレスポンシブデザイン
Googleはモバイルファーストインデックスを採用しています。モバイルでの表示内容がデスクトップと同等であること、タッチ操作に配慮したデザインであることが必須です。
10. ページ速度とCore Web Vitals
ページの読み込み速度やインタラクティブ性(LCP、FID/INP、CLS)といったCore Web VitalsはUX評価の指標で、技術的最適化(画像遅延読み込み、キャッシュ、CSS/JSの最適化、CDN利用など)が必要です。
WordPressでの実践的な内部施策手順
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パーマリンク設定を「投稿名」にする。
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SEOプラグイン(Yoast SEO、Rank Mathなど)を導入してタイトル・メタを管理、XMLサイトマップを生成。
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テーマで適切な見出し構造を維持し、h1が重複しないよう注意。
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画像はアップロード前に圧縮・サイズ調整し、imgタグにaltを設定。WordPressの遅延読み込み機能を活用。
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キャッシュプラグイン(WP Super Cache、WP Rocket等)とCDNで表示速度を改善。
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構造化データは専用プラグインやテーマ機能でJSON-LDを出力。
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重複ページやタグページはnoindexやcanonicalで整理。
ありがちなミスとその対策
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薄いコンテンツ(薄い記事)— 定期的なコンテンツ監査で統合・改善。
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無秩序な内部リンク—アンカーテキストを整理し、論理的なサイト構造を作る。
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画像の未最適化—遅延読み込み・圧縮・適切なフォーマットを実施。
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モバイル非対応—レスポンシブ化とモバイルでの表示確認を行う。
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誤ったcanonical/noindex運用—テスト環境や運用ミスで重要ページを除外しないよう注意。
効果測定と改善サイクル
内部施策は実施して終わりではありません。効果測定とPDCAが不可欠です。主な計測指標とツールは次の通りです。
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検索パフォーマンス(Google Search Console):クリック数、CTR、平均掲載順位、検索クエリ。
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サイトの技術指標(Lighthouse、PageSpeed Insights、Core Web Vitalsレポート):LCP、CLS、INPなど。
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ユーザー行動(Google Analytics / GA4):直帰率、セッション時間、コンバージョン。
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クローラビリティ(サーバーログ解析、Screaming Frogなどのサイトクローラー):クロールエラーや重複ページの検出。
これらのデータをもとに、A/Bテストやコンテンツ改善、内部リンクの再構築を継続的に行います。
最新トレンドと留意事項(2024年以降の観点)
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E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)の重要性:コンテンツの専門性と信頼性を示すため、著者情報や出典を明確に。
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モバイルファーストとCore Web Vitalsの継続的な重要性:技術的最適化は順位安定化に直結。
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構造化データの活用拡大:リッチリザルトはCTR向上に寄与するため、適切なスキーマ実装が推奨。
内部施策チェックリスト(短期・中期)
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主要ページのtitleとmeta descriptionを最適化済みか
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h1/h2の見出し構造が論理的か
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重要ページが適切に内部リンクされているか
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重複コンテンツの有無とcanonical/noindexの実装確認
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画像のalt属性、サイズ、フォーマットが最適化されているか
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モバイル表示で問題がないか(タッチ要素、フォントサイズ等)
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PageSpeedで改善点がないか、Core Web Vitals指標が基準内か
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構造化データが正しく実装され、テストでエラーが出ていないか
まとめ
内部施策は検索での可視性とユーザー体験を高めるための基盤作りです。タイトルや見出し、URL、内部リンク、コンテンツ品質、技術的最適化(モバイル対応、速度、構造化データ)を体系的に改善することで、検索パフォーマンスは段階的に向上します。特にWordPressではプラグインやテーマの設定で多くの最適化が実行可能なので、計画的に実施・測定・改善を繰り返すことが成功の鍵です。


