Karriem Riggins必聴レコードガイド|ジャズ×ヒップホップを繋ぐ名盤と聴きどころ

イントロダクション — Karriem Rigginsという存在

Karriem Riggins(カリーム・リギンズ)は、デトロイト出身のドラマー/プロデューサー/ビートメイカーで、ジャズとヒップホップを自然に横断する稀有なアーティストです。生ドラムのグルーヴ感と、ビートメイカーとしての「間(ま)」やリズム設計の妙を併せ持つため、ソロ作・リーダー作はもちろん、他アーティストのレコーディングやライヴでの存在感が非常に大きい。ここでは、彼の音楽世界を深掘りしつつ、中でも特におすすめのレコードをピックアップして解説します。

聴きどころの共通点:Karriemサウンドの特徴

  • タイトな“ポケット”と遊びのバランス:スネアやハイハットの「微細な遅れ(レイトフィール)」やゴーストノートでスウィングを生む演奏が特徴です。
  • ジャズ的感性とビート志向の融合:ドラムのダイナミクスやアクセントはジャズ由来だが、曲構成やループ感はヒップホップ/インスト・ビートの思考が染みています。
  • ミニマルなアレンジの美学:細部の音色や間で引き込むタイプで、「鳴らすべきところ」を厳選する作風。

おすすめレコード:Karriem Riggins 自身のリーダー作

Headnod Suite

概要:Karriemのビート寄り/インスト路線を楽しめる代表作の一つ。ジャズ感覚の生ドラムをベースに、ビートの反復と小さな変化で聴かせるインスト集です。

聴くポイント:トラックごとに刻むグルーヴの「微妙な変化」を聴き分けてください。ドラムのルーム感(マイクワーク)や、スネアの音色、シンバルの抜き差しで曲の表情が作られています。

Alone Together(※リーダー作)

概要:ジャズ・トリオ的なアプローチとモダンなプロダクションが融合した作品。Karriemがバンドの中心として楽曲の空気を作り上げるタイプのアルバムです。

聴くポイント:アンサンブルの間合い、ベースとスネアの関係性、ピアノ/ギターなどソロ楽器が入る瞬間の「間(ま)」に注目すると、彼が作るゆったりした推進力がよく分かります。

(補足)シングル/12インチ的作品群

KarriemはEPや12インチで“ビート・トラック”やリミックスを発表しており、短い楽曲の中でリズムの妙が凝縮されています。単体での聴取にも向くので、ソロLPと並行してチェックすると理解が深まります。

おすすめレコード:Karriemが重要な役割を果たした作品(コラボ/サポート)

D'Angelo — Black Messiah(参加作)

概要:Karriemはこのアルバムの制作/録音/ツアーに関わり、独特のグルーヴを支える一員として評価されています。ブラックミュージックと政治的メッセージが強く絡む作品の中で、リズムの有機的な揺れが楽曲の芯になっているのが特徴です。

聴くポイント:リズム・セクションの細かいタイム処理(スウィング感やビートの押し引き)に耳を傾けてください。Karriemの生ドラム的な温度感が全体の土台を固めています。

J Dilla 周辺の作品群(交流の深いシーン)

概要:KarriemはJ Dillaをはじめとするデトロイト出身のビートメイカー/アーティストたちと近い関係にあり、相互に影響を与え合っています。Dilla関連の音源やSlum Village、その他のデトロイト・ヒップホップ系作品を聴くことで、Karriemのビート感覚のルーツが見えてきます。

聴くポイント:サンプリング美学と「生ドラム感」が交差する瞬間に注目。Karriem自身のビートは、Dillaの“ズレるグルーヴ”と対話しているように感じられるはずです。

なぜこれらのレコードを集めるべきか:コレクションとしての魅力

  • Karriemの作品はジャズ・リスナーにもビート/ヒップホップ・リスナーにも刺さる「橋渡し」の役割を果たす。ジャンル横断のコレクションとして価値が高い。
  • 演奏やプロダクションの“呼吸”が丁寧に録られている盤が多く、繰り返し聴いて細部を発見する楽しみがある。
  • リーダー作は比較的入手しやすいものから、限定盤やアナログのみのリリースまで幅があるため、コレクションの深掘りがしやすい。

聴き方・分析のためのガイド

  • まずは“スルー”で通して聴き、次にドラムだけ、ベースだけ、という風にパートを感覚的に分けて聴き比べると、Karriemの役割が明瞭になります。
  • ライヴ映像やスタジオ映像と合わせて聴くと、生ドラムの動きと録音されたビートの関係が見えてきます(演奏の微妙な遅れ・早まりが生むグルーヴを可視化できる)。
  • 彼のソロ作と、彼が参加した他作を交互に聴くことで「個人の美学」と「セッションでの適応力」の両方を体感できます。

入手のヒント(どの盤を優先するか)

  • まずはリーダー作(LP/CD)を抑えて、Karriem自身の音楽性を直に把握するのがよい。
  • 次に、彼のドラムやプロデュースが光るサポート参加盤(例:Black Messiahほか)を聴くと、彼がどのように他者の音楽に色を添えるかが分かる。
  • 限定盤や12インチはコレクターズ・アイテムとして楽しめるため、余裕があればチェック。

まとめ

Karriem Rigginsは「演奏者」と「ビートメイカー」の二面性を兼ね備えた稀有な存在です。彼のレコードを集めることは、ジャズの繊細さとヒップホップのグルーヴの接点を深く理解する近道になります。まずはリーダー作で彼の美学を掴み、そこから関わりの深いコラボレーション作品へと広げていくのがおすすめです。

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