Quantic(クアンティック)入門ガイド:厳選5枚のおすすめアルバムと聴きどころ解説
イントロダクション — Quanticとは
Quantic(本名 Will Holland)は、イギリス出身のマルチ・プロデューサー/マルチ奏者で、ブレイクビーツやダウンテンポを基軸にソウル、ファンク、ラテン、カリプソ、アフロの要素を自在に融合させてきたアーティストです。2000年代初頭のクラブ/ダンスミュージックとアナログ志向のソウル音楽の接点を鋭く捉えつつ、南米移住以降はコロンビア音楽や伝統音楽を積極的に取り入れた作品群で高い評価を受けています。本コラムでは、Quanticの“入門から深掘りまで”に適したおすすめレコードを、音楽的特徴と聴きどころを交えて紹介します。
おすすめレコード紹介
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The 5th Exotic
代表曲: アルバム全体のムードが魅力(アルバム単位で聴くのがおすすめ)
おすすめポイント: Quanticの初期作のひとつで、エレクトロニカ/ジャズ・ヒップホップ的なプロダクションとアナログ感のあるサンプル使いが印象的です。彼の“ビート感覚”とエクスペリメンタルなサウンドメイキングを知る入門盤として適しています。
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Apricot Morning
代表曲: タイトル曲や穏やかなインストゥルメンタル群
おすすめポイント: よりメロウでソウルフルな側面が色濃く出た一枚。ストリングスやホーン、ホットなサンプル処理を駆使したトラックが並び、Quanticが“ただのビートメイカー”に留まらない音楽性の広がりを示しています。
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Mishaps Happening
代表曲: "Pushin' On"(Alice Russellをフィーチャー)
おすすめポイント: Quanticの名を一気に広めた一枚。特にAlice Russellをフィーチャーした"Pushin' On"はソウル・クラシックの現代的再解釈として人気が高く、力強いボーカルとダンサブルなビートの相性が抜群です。ソウル/レアグルーヴ寄りのアプローチを好む人に強く薦められます。
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Quantic Presents: Flowering Inferno
代表曲: レゲエ/ダブ〜ロックステディの影響を反映した曲群
おすすめポイント: Quanticがレゲエ/ダブ/ロックステディの要素を取り入れ、作風を拡張したプロジェクト・アルバム。アナログ感のあるエコー処理やルーツ・ミュージックへの敬意が感じられるサウンドで、ダンスホール/レゲエの影響下にある作品群を楽しめます。
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Quantic y su Combo Bárbaro(コンボ・バルバロ)関連作
代表曲: コロンビアや中南米のリズムを取り入れたトラック群
おすすめポイント: Quanticがコロンビアに拠点を移して取り組んだバンド・プロジェクト。サルサ、クンビア、アフロ・ラテンの伝統的な楽器やリズムを生演奏で取り入れ、ボーカリストや地元ミュージシャンと密にコラボした“フィールド感”の強い作品です。民族音楽的な要素とモダンなプロダクションが混在する、彼の音楽家としての成熟を示す重要なフェーズです。
各レコードの聴きどころ(音楽的視点)
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サンプルと生演奏の融合:初期作はサンプリングとビート構築が中心でしたが、中期以降はホーンやパーカッション、ギターなど生楽器を取り入れることによって“温度”のあるサウンドに変化しています。どのアルバムでも、サンプル処理やエフェクトの使い方に注目すると面白いです。
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リズムの多様性:ブレイクビーツ〜ソウル〜ラテン〜アフロのリズムが混在します。リズムセクション(ドラム、パーカッション、ベース)のアレンジに注目すると、Quanticがどう「異なる伝統」を呼び込んでいるかがよく分かります。
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コラボレーションの力:Alice Russellのようなソウル・シンガーや、コロンビアの地元歌手たちとの共作は単なるゲストではなく、曲の核を形作る要素になっています。ボーカルの存在感に注目して聴くと楽曲の“物語性”が深まります。
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制作技術とアナログ志向:テープ感/ヴィンテージ機材風の音作りが随所にあり、意図的な“古さ”と現代的プロダクションが同居します。ミックスの空間処理(リバーブ/ディレイ)やEQ処理にも注目してみてください。
どの一枚から聴けばいいか(目的別ガイド)
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Quanticのビート感を知りたい → The 5th Exotic / Apricot Morning(初期のビート/エレクトロ〜ジャズ志向)
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ソウル/歌もので入る → Mishaps Happening("Pushin' On"含む)
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ラテン/中南米音楽と融合した世界観を体感したい → Quantic y su Combo Bárbaro 関連作
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ダブやレゲエ的アレンジを楽しみたい → Flowering Inferno 系の作品
深掘りのヒント(プレイリスト構築など)
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「時代順に聴く」:初期のサンプル/ビート主体の作品から、コロンビア移住後の生演奏重視の作品へと流すと、Quanticの音楽的変化が明瞭に分かります。
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コラボ相手を追う:Alice Russellや現地ボーカリストの名前をたどることで、Quanticのネットワークと音楽的影響を追跡できます。
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リミックス/DJミックスを探す:Quanticの楽曲は各種リミックスやDJセットで別の顔を見せることが多いので、リミックス群も並行してチェックすると理解が深まります。
まとめ
Quanticはジャンル横断的に音楽素材を集め、プロダクションの腕でそれらを一貫した世界観にまとめ上げる稀有なアーティストです。初期のビート志向、ソウル寄りの歌もの、そしてコロンビア移住以降のラテン/アコースティック志向と、どのフェーズにも強い作品があります。本稿のおすすめリストをガイドに、自分の好みに応じてアルバムを掘っていくと、彼の多様な顔に出会えるはずです。良い発見を。
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