ジョニー・マティス入門:必聴アルバム6選と聴きどころ解説 — 初心者におすすめの代表盤ガイド
イントロダクション — Johnny Mathis の魅力
Johnny Mathis(ジョニー・マティス)は、甘く滑らかなテナーと抑制の効いたフレージングで知られるアメリカのポピュラー/ヴォーカル歌手です。1950年代末から活動を続け、スタンダードやポップ・バラードを中心に数多くの名唱を残しました。こもった温度感ではなく、透明感ある声で感情をそっと伝えるスタイルは、現在のヴォーカル・ファンやジャズ・スタンダード入門者にもおすすめです。
ジョニー・マティス入門:押さえておきたい代表盤と聴きどころ
ここでは「まず聴きたい」おすすめレコードをピックアップし、それぞれの聴きどころや代表曲、なぜその盤が特に重要かを解説します。時代をまたいで愛されてきた名盤を中心に選びました。
Johnny's Greatest Hits(1958)
ポイント:マティス初期のヒット曲を集めた編集盤。彼の代表曲がコンパクトにまとまっているため、初めて聴く人に最適です。
代表曲:Chances Are、Wonderful! Wonderful!、It's Not for Me to Say(盤によって収録曲が異なるエディションあり)
おすすめ理由:本作は発売当時からロングセラーを続け、アルバムとして異例のチャート長期滞在を記録したことで知られます。マティスの“ヒット群”を手早く確認でき、彼の歌唱の特徴(細やかなアクセント、滑らかなポルタメント、落ち着いたテンポ感)を掴むのに最適です。
Heavenly(1959)
ポイント:甘美なバラードと緻密なオーケストレーションが際立つ傑作アルバム。代表的なバラード「Misty」を含むエモーショナルな選曲が魅力です。
代表曲:Misty、など(アルバムの構成はリイシューで異なることがあります)
おすすめ理由:この盤ではマティスの柔らかく艶のある声がより一層生きており、特にバラードの表現力が光ります。ジャズ寄りのスタンダードを歌う彼の解釈を楽しめる一枚です。
Open Fire, Two Guitars(1959)
ポイント:ボーカルを生かす最小限の伴奏編成(ギター2本+控えめなリズム/オーケストラ)で録音されたアルバム。非常に親密で暖かいサウンドが魅力です。
代表曲:Stardust、など(アルバム全体がムード重視の選曲)
おすすめ理由:音数が少ない編成はマティスの声の細部(息づかい、語尾の処理、ビブラートの有無)を明瞭に伝えます。歌唱のニュアンスを味わいたいリスナーや、静かな夜のBGMにも最適です。
Warm(1957)
ポイント:初期のスタジオ録音をまとめたようなアルバムで、マティスの“暖かい”歌声とポップ・スタンダードへのアプローチがよくわかります。
代表曲:アルバムのトーンは一貫して温かく、初期ヒット群と相性が良い選曲が並びます。
おすすめ理由:初期の魅力を知るうえで役立つ一枚。若き日の声の瑞々しさと、のちの円熟を予感させる表現が同居しています。
More Johnny's Greatest Hits(編集盤/続編)
ポイント:初期ヒットの続編的編集盤。オリジナル・シングル群や人気ナンバーを補完する形で楽しめます。
おすすめ理由:1枚目の「Greatest Hits」で興味が湧いたら、こちらで欠けているヒットやシングル曲を繋げて聴くと歌の流れがよく分かります。
(年代を越えるおすすめ)70s〜80s の名カバー集やコンテンポラリー作品
ポイント:キャリア中盤以降の作品群は編曲やプロダクションが時代性を帯びますが、彼独特の歌い回しは変わりません。ポップスやコンテンポラリー・スローを好む人におすすめの盤も多数存在します。
おすすめ理由:スタンダードだけでなく、時代のヒットを独自に解釈したカバー集を聴くことで、マティスの柔軟性と長寿キャリアの強さを感じられます。
聴くときのポイント(ボーカル/アレンジの観点)
フレージングと呼吸:彼の歌の魅力は“無理なく語る”ようなフレーズ処理にあります。息の入れ方、語尾の余韻を意識して聴くと表現の深みがわかります。
ダイナミクスのコントロール:全体に控えめなダイナミクスで歌うことが多く、抑制された感情表現がかえって胸に迫ります。
アレンジとの相性:オーケストラ寄りのアレンジでは“声とアンサンブルのバランス”に注目。ギター主体の作品では声の質感がよりダイレクトに伝わります。
どの盤を選ぶか:購入ガイド(初心者向け)
入門 → 「Johnny's Greatest Hits」:代表曲がまとまっているので最初におすすめ。
バラードの深さを味わいたい → 「Heavenly」:Mistyをはじめとする名唱を収録。
歌の細部をじっくり聴きたい → 「Open Fire, Two Guitars」:伴奏が少なく声が前に出るので表現の細部が聴き取りやすい。
コレクション欲がある人 → 初期オリジナル盤や編集盤の複数枚集めると時代ごとの変化を楽しめます。
まとめ
Johnny Mathis は「派手さ」ではなく「きめ細かな抒情性」で聴き手に訴えかける稀有なヴォーカリストです。まずは代表的な編集盤で歌いぶりを掴み、そのあとでオーケストラ主体の作品やギターだけの親密な録音盤と聴き比べてみてください。彼の声のニュアンスを捉えることで、スタンダードの新たな愉しみ方が見えてきます。
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参考文献
- Johnny Mathis — Wikipedia
- Johnny's Greatest Hits — Wikipedia
- Heavenly (Johnny Mathis album) — Wikipedia
- Open Fire, Two Guitars — Wikipedia
- Johnny Mathis — AllMusic
- Johnny Mathis — Discogs


