Marilyn Horne(マリリン・ホーン)おすすめレコード完全ガイド:ロッシーニ名唱・オペラ全曲・ヴィンテージLPの聴きどころと選び方
はじめに — Marilyn Horneという歌姫
Marilyn Horne(マリリン・ホーン、1934–)は20世紀のオペラ界を代表するメゾソプラノの一人です。特にロッシーニやベルカントものの技巧的なアリア、そしてコントロールの利いた色彩豊かな声質で知られ、舞台・録音ともに多くの名盤を残しました。本コラムでは「レコード(LP/ヴィンテージ盤含む)を中心に」彼女のおすすめ盤を紹介します。どの盤をコレクションに加えるべきか、曲の魅力や聴きどころを深掘りします。
選び方の視点(短く)
- レパートリー別に選ぶ:ロッシーニ系のアリア集、オペラ全曲、リサイタル(歌曲・カンツォーネ)などで楽しみ方が変わります。
- スタジオ録音 vs ライヴ録音:スタジオは精緻、ライヴは熱気や舞台表現が魅力です。ホーンはどちらも魅力的な録音が多いです。
- 編集盤・ボックスセット:初めて集めるなら編集盤やベスト盤、あるいはボックスセットで代表曲を押さえるのが効率的です。
おすすめレコード(代表盤と聴きどころ)
1) ロッシーニ・アリア集(Marilyn Horne — Rossini arias)
推薦理由:ホーンはロッシーニ作品の数々をレパートリーにし、驚異的な色彩の変化と高い技巧を示しました。ロッシーニ・アリア集は、彼女の「コロラトゥーラ的技巧」と豊かな表現力をコンパクトに楽しめます。
- 聴きどころ:代表的なアリア「Di tanti palpiti(『タンナーディ』より/Tancredi)」「Bel raggio lusinghier(『セミラーミデ』より)」など。高速パッセージの明晰さ、ポルタメントやダイナミクスの細やかさが際立ちます。
- 買い方のヒント:編集盤は複数のセッションをまとめていることが多く、異なる指揮者や伴奏陣のバリエーションを楽しめます。ジャケット表記で「Rossini arias」や「Rossini scenes」などを探すと良いでしょう。
2) オペラ全曲録音(代表例:『Tancredi』や『La donna del lago』などの重要役)
推薦理由:ホーンを語るうえで「役の仕立て(characterization)」と「ドラマティックな表現」は外せません。主要オペラの全曲盤は、アリアだけでなくアンサンブルやレチタティーヴォも含めた音楽的ドラマを体験できます。
- 聴きどころ:役としての台詞の運びや、序奏からフィナーレにかけての声の作り込み。ロッシーニ作品の全曲録音は、彼女の芸術性を総合的に味わえます。
- 買い方のヒント:オリジナル・プレスのLPを狙うなら収録年やレーベル情報を確認。近年はリマスター/復刻CDやデジタル復刻も多数出ていますが、ヴィンテージLPの音色を好むコレクターも根強く存在します。
3) リサイタル/歌曲集(ソロ・リサイタル盤)
推薦理由:オペラ以外にもホーンはドイツ・リートやフランス歌曲、アメリカ歌曲まで幅広く歌いました。歌曲集では歌詞の語り口、母語(英語)での充実した解釈が味わえます。
- 聴きどころ:台詞的な語り、フレーズの歌唱解釈、詩の描写力。オペラでは見えにくい繊細な言葉の運びが楽しめます。
- 買い方のヒント:リサイタル盤は伴奏者(ピアニスト)の名が重要。著名な伴奏者との一体感が表現に直結しますので、クレジットを確認しましょう。
4) ライヴ録音・セッションのハイライト盤
推薦理由:舞台の熱量、観客の反応、さらには即興的な歌いまわしなど、ライヴにはスタジオ録音にない魅力があります。ホーンのライヴは表現の生々しさが際立ち、ファン垂涎のコレクションです。
- 聴きどころ:アリアのカデンツァやアドリブ風の表現、演出による叙情の高まり。舞台ならではのテンポ変化やダイナミズムも魅力です。
- 買い方のヒント:ライヴ録音は音質の差が大きいので、録音状態(モノラル/ステレオ、リマスターの有無)を確認すると良いです。
5) ベスト盤・ボックスセット(入門・網羅向け)
推薦理由:まずは「代表曲だけを効率よく」聴きたい場合、編集盤やベスト盤、アーティストの大全集ボックスは非常に便利です。初心者がホーンの魅力を短時間で掴むのに最適。
- 聴きどころ:年代をまたいだ歌唱の変化(若年期から成熟期まで)を比較できる編集もあり、声の色や表現の移り変わりを楽しめます。
- 買い方のヒント:収録曲一覧を必ずチェック。重複収録や別テイクの表記(studio take / live take)に注意を。
各盤で注目すべき“代表的”楽曲(聴いて欲しいアリア)
- ロッシーニ系:Di tanti palpiti(Tancredi)、Bel raggio lusinghier(Semiramide)、Una voce poco fa(Il barbiere di Siviglia の Rosina=異アプローチで歌うことも)
- ベルカント全般:技巧的なパッセージと歌詞表現の融合を堪能できる曲群
- 歌曲・リサイタルから:英語歌曲やドイツ語リートの深い語り口(演奏ごとに選曲が異なるため盤で確認を)
購入時の実践的ポイント(レコードそのものの扱い以外)
- ライナーノーツを読む:ホーンの録音には詳細な解説がつくことが多く、録音年や共演者、演奏背景が理解できると聴き方が深まります。
- 盤のバージョンを比較する:同一曲でもスタジオ録音、ライブ録音、異なるリマスターが存在します。音楽性の違いを楽しむために複数盤を比べるのもコレクションの醍醐味です。
- 信頼できるレーベル・編集盤を選ぶ:復刻や編集の良し悪しで音質と解説の質が変わります。有名レーベルや評判の良いボックスセットは安心です。
聴き方の提案(プレイリスト的順序)
- 入門:ベスト盤/編集盤で代表曲を把握
- 深化:ロッシーニ・アリア集やオペラ全曲で技術と解釈を比較
- 鑑賞:リサイタルやライヴで表現の幅と舞台感を堪能
終わりに — Marilyn Horneの魅力をどう味わうか
Marilyn Horneは「技巧」と「表現」を高い次元で両立させた歌手です。レコード(特にオリジナルLPの雰囲気)で聴くと、録音当時の空気感や歌手の息遣いが生々しく伝わることもあります。まずは代表的な編集盤で魅力の全体像を掴み、気に入った領域(ロッシーニ、全曲録音、歌曲)を深掘りする——そんな集め方をおすすめします。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery


