フローリングとは?種類・特徴・選び方をわかりやすく解説【住宅設備の基礎知識】

1. フローリングとは?

フローリングとは、木材や木質系の素材を基材とした床材の総称です。
住宅のリビング・寝室・廊下など広い範囲で使用され、
木の質感・温かみ・デザイン性の高さから、多くの住まいで採用されています。

床材にはクッションフロア、タイル、畳などもありますが、
フローリングは「木の風合い」「耐久性」「メンテナンスのしやすさ」のバランスが良く、
住宅床材として最もスタンダードな存在です。


2. フローリングの構造

一般的なフローリングは次の構造でできています。

  • 表面材(化粧層):木目シート・突板・無垢材など
  • 基材(合板やMDF):寸法安定性を高める層
  • 裏面層:反りを抑える補強層

特に「表面材の種類」によって性能・価格・質感が大きく変わります。


3. フローリングの種類

3-1. 無垢フローリング(単層フローリング)

天然木をそのまま加工した1枚板のフローリング。

  • 木の質感・香りが最も自然
  • 経年で味が出る(色・艶・質感が育つ)
  • 断熱性が高い

反面: 湿度変化で膨張・収縮しやすい、価格が高い。

3-2. 複合フローリング(複層フローリング)

基材に合板を使い、表面に突板(天然木)やシート材を貼ったタイプ。

  • 反りや伸縮が少なく安定している
  • 施工しやすく、一般住宅で最も使われる
  • 価格の選択肢が広い

表面仕上げの違い:

  1. 突板(つきいた)フローリング
    • 薄い天然木を貼ったもの
    • 無垢の質感を残しつつ安定性がある
  2. シートフローリング
    • 木目柄のプリントシート
    • キズ・汚れ・日焼けに強い

賃貸住宅から注文住宅まで幅広く採用されています。

3-3. 防音フローリング

マンションなどで採用される、床衝撃音を吸収するタイプ。
床裏側にクッション層を組み合わせており、「L-45」「L-40」など等級がある。

3-4. 床暖房対応フローリング

床暖房の熱による伸縮に強い材料・構造で作られたもの。
ガス温水・電気式どちらにも使えるが、床暖房対応品を必ず選ぶ必要があります。


4. フローリングのメリット

4-1. デザイン性が高い

木の表情・カラー・模様が豊富で、
ナチュラル・モダン・北欧風などあらゆるインテリアに対応。

4-2. 掃除とメンテナンスがしやすい

掃除機やモップで簡単にきれいになり、
カーペットなどに比べ清潔に保ちやすい。

4-3. 耐久性が高い

  • コーティングによる耐傷性
  • UVコートで耐水・耐摩耗性
  • ペット向けの滑りにくいフローリングもある

用途に応じた選択肢が多い点が強み。

4-4. 張り替え・リフォームにも向いている

重ね張り(既存の床の上に施工)や部分補修など柔軟に対応可能。


5. フローリングのデメリット

5-1. 水に弱い種類もある

特に無垢材は水を吸収しやすく、
キッチン・洗面所では使いにくい場合がある。

5-2. 傷がつく可能性

物を落としたり、椅子を引きずると傷がつく。
対策として「傷に強いコーティングタイプ」がある。

5-3. 足音が響きやすい

防音性能は素材によって差があるため、
マンションは規格に合ったものを選ぶ必要あり。


6. フローリングの選び方

6-1. 用途で選ぶ

  • リビング・寝室 → 複合 or 無垢
  • キッチン・洗面 → 耐水タイプ
  • マンション → 防音規格品
  • 床暖房 → 床暖対応品必須

6-2. 予算に合わせる

  • 無垢:高価
  • 複合(突板):中価格帯
  • シート:コスパ重視

6-3. メンテナンス性で選ぶ

  • 汚れにくいシートフローリング
  • 経年変化を楽しむ無垢
  • 日焼けしにくいUVコート品

7. フローリングのメンテナンス

  • 日常は乾拭き・掃除機でOK
  • 水拭きは軽めに、濡れたらすぐ乾かす
  • ワックス不要タイプはワックス禁止
  • 傷は補修キットで目立たなくできる

適切に扱えば10年以上美しく使える床材です。


8. まとめ

フローリングとは、

  • 木や木質素材を使った住宅の床材
  • 種類は無垢、複合、突板、シート、床暖対応、防音など
  • デザイン性・耐久性・清掃性に優れ、住宅の床として最も一般的
  • 用途や予算に合わせて最適なものを選べる

という特徴を持つ、住宅設備の中でも非常に重要な建材です。

リフォーム・新築のどちらでも、
生活スタイルに合ったフローリングを選べば、
長く快適に暮らせる空間が実現します。


参考文献(クリックで開きます)