ジョン・ペトルーシ(John Petrucci)徹底解説:Dream Theater創設者の圧倒的テクニック・作曲力と機材へのこだわり
John Petrucci:プロフィール
John Petrucci(ジョン・ペトルーシ)は、アメリカのギタリスト、作曲家であり、プログレッシブメタル・バンドDream Theaterの創設メンバーとして世界的に知られています。1967年7月12日、ニューヨーク州キングスパーク生まれ。Berklee College of Musicでジョン・マイアング(ベース)やマイク・ポートノイ(当時ドラム)と出会い、1985年にバンド(当初はMajesty)を結成しました。
キャリアのハイライト
- Dream Theater:バンドの中心的作曲者・リードギタリストとして数多くの名盤を残す。
- Liquid Tension Experiment:ジョン・マイアング、マイク・ポートノイ、ジョーダン・ルーデス等と結成したインストゥルメンタル・プロジェクト。
- ソロ活動:2005年のソロ作「Suspended Animation」、2020年の「Terminal Velocity」など。
- 教育・機材展開:ギタリスト向けの教材やシグネチャー・モデル(Ernie Ball Music Man John Petrucciモデル等)を持つ。
テクニカルな魅力:圧倒的な演奏技術
ペトルーシの最も目を引く魅力の一つは圧倒的なテクニックです。ただ速いだけでなく、以下の点が特徴です。
- 正確性とピッキングの制御:高速フレーズでも音の立ち上がり・減衰が揃っており、ノイズの少ないクリアな演奏を行う。
- 多様な奏法の組み合わせ:オルタネイトピッキング、レガート、スウィープ、タッピング等を楽曲の文脈で使い分ける。
- リズムの把握とポリリズム:奇数拍子や複雑なリズムを自然に演奏し、楽曲のダイナミクスをコントロールする能力。
- ドラマティックなフレージング:速さと同時にメロディックなフレーズ構築を重視し、聴き手の感情を動かす表現力がある。
作曲家としての顔:構築力とドラマ性
ペトルーシは単なるソロイストではなく、楽曲全体を構築する作曲家でもあります。モチーフの反復と発展、ダイナミクスの対比、メロディと技巧のバランスを取ることに長け、叙情的なパートとテクニカルなパートを有機的に結びつける手腕が目立ちます。プログレッシブというジャンルの中で「物語性」をもった楽曲を生み出すことが多く、アルバム単位でのコンセプト作にも貢献しています。
サウンドと機材に対するこだわり
彼のサウンドは、単に高出力で歪ませるだけではなく、ピッキングニュアンス、アンプ設定、エフェクトの組合せで細かく表情を作り込みます。長年にわたりシグネチャー・モデルの開発や多様なアンプ/プロセッサーを駆使してきました。近年はデジタル・モデリング(Fractal Audioなど)を取り入れつつも、トーン作りの基本となる弦・ピックアップ・アンプの重要性を強調する傾向があります。
ライブパフォーマンスの魅力
ライブにおけるペトルーシは、テクニックの正確さだけでなく、曲ごとのドラマを再現する力に優れています。長尺の楽曲でもテンポや表情を崩さず、観客を惹きつけるステージングやソロ・パートでの集中力は高く評価されています。また、バンド内でのアンサンブル感や即興的な相互作用(特にLiquid Tension Experiment等のインスト曲で顕著)も魅力の一端です。
代表曲・名盤の紹介
- Dream Theater — Images and Words(1992)
- 代表曲:「Pull Me Under」「Another Day」「Under a Glass Moon」 — ドリーム・シアターを世界に知らしめた重要作。
- Dream Theater — Metropolis Pt.2: Scenes from a Memory(1999)
- 代表曲:「Metropolis—Part II: Scenes from a Memory」「The Dance of Eternity」 — コンセプト・アルバムの傑作で作曲力と技巧が集約。
- Dream Theater — Train of Thought(2003)
- 代表曲:「As I Am」「Endless Sacrifice」 — ヘヴィでインテンシブなギターワークが光る。
- John Petrucci(ソロ) — Suspended Animation(2005)、Terminal Velocity(2020)
- インストゥルメンタル主体で、個人の音楽性・テクニックを前面に出した作品群。
- Liquid Tension Experiment — 自主作品群(1998〜2021)
- 高密度なインスト演奏で、即興性と構築性が同居するギターワークを堪能できる。
なぜ多くのギタリスト/リスナーに愛されるのか
- 技巧と音楽性の両立:単に速いだけで終わらず、メロディや曲全体の構成を第一に考える姿勢が共感を呼ぶ。
- プロ意識と緻密な準備:練習量や舞台裏での準備、機材知識などプロとしての徹底ぶりが演奏に反映される。
- 多彩な音楽的影響:ヘヴィ/プログレ/フュージョン/クラシック的な要素を吸収し、自らのスタイルへ昇華している点。
- 教育・共有への姿勢:教材やクリニック、インタビューを通じてノウハウを公開し、次世代のギタリストにも影響を与えている。
批評的視点:賛否と議論
ペトルーシは高い評価を受ける一方で、「技巧偏重」だとする意見や、楽曲の長尺さや複雑さが好みを選ぶ点などの批判もあります。しかし多くの支持者は、彼が単なる技巧見世物に終わらず「聴かせる」演奏を重視していることを評価しています。
まとめ
John Petrucciは、近代メタル/プログレッシブ・ギターシーンを代表する存在の一人です。驚異的なテクニックと深い音楽的洞察、そして演奏・作曲・機材面でのプロフェッショナリズムが彼の魅力の核です。ギタリストはもちろん、歌ものやインスト問わず「楽曲を深く味わいたい」リスナーにも強く薦められるアーティストです。
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