Greg Howeのおすすめアルバム徹底ガイド:速弾きとジャズ・フュージョンの聴きどころを完全網羅
はじめに — Greg Howeとは
Greg Howe(グレッグ・ハウ)は、アメリカ出身のギタリスト/作曲家で、1980年代後半の「速弾き(shred)」世代に登場しつつ、1990年代以降はジャズ・フュージョン寄りのサウンドへと大きく舵を切ったことで知られます。テクニックの鋭さやレガートを多用した流麗なフレーズ、ファンクやジャズの要素を取り込んだリズム感が特徴で、ロック〜インストゥルメンタル・ギターの聴き手だけでなく、フュージョン好きからも高い評価を受けています。本コラムでは「まずこれを聴いてほしい」という観点で彼のおすすめレコードを深掘りします。
おすすめレコードと聴きどころ
Greg Howe(デビュー作)
ポイント:80年代のインスト・ギター/シャレッド路線を代表する一枚。速弾き中心のエネルギッシュな演奏と、ポップ/ロック的な曲構成が融合した作品です。
聴きどころ:初期のソロ作ならではの「直球の速さ」とメロディセンス。ソロの運び(レガートとピッキングの使い分け)、フレーズのフレージングを学びたいギタリストには教科書的な部分が多くあります。
Howe II — High Gear(バンド作品)
ポイント:Greg Howeがボーカル入りのバンド形式でリリースした作品で、ハードロック寄りのアプローチ。兄弟(Albert Howe)のボーカルとギターの対比が聞きどころ。
聴きどころ:ギター・ヒーロー然としたソロだけでなく、曲全体のグルーヴやヴォーカルとの兼ね合い、リフやアレンジの作り方を学べます。インスト作品とは違う「曲作り」の側面が見られる点が魅力です。
Introspection(転機となったフュージョン志向の傑作)
ポイント:Greg Howeの音楽性が大きく変化したアルバム。ロック的な速弾きから、一層ジャズ/フュージョン色の強いハーモニーや複雑なリズムへと向かいます。ギター表現の幅が格段に広がった重要作です。
聴きどころ:テンション・コードの使い方、クロマチック・アプローチとモーダルな展開、そしてファンキーなリズム・コンビネーション。音楽的成熟を感じさせるアレンジと演奏の濃さを味わえます。
Hyperacuity(モダン・フュージョンの深化)
ポイント:2000年代以降のGreg Howeのサウンドを象徴する一枚で、ダイナミックかつグルーヴ重視のモダン・フュージョン。サウンドプロダクションもクリアで、ギターの細かなニュアンスがきれいに聴けます。
聴きどころ:ポリリズム的なアプローチやファンク寄りのリズム・ギター、そして高度に洗練された即興。レコーディングの音像がよいので、ギター・トーンや右手/左手のニュアンスを確認しやすいです。
Extraction(トリオ形式での超絶インタープレイ)
ポイント:よりインタープレイ(演奏者同士の相互作用)を重視した作品。強力なリズム隊との対話が前面に出ており、ソロだけでなくバンドとしての一体感が楽しめます。
聴きどころ:複雑なリズムへの対応、ベース/ドラムとの対話におけるフレージングの選択、スペースの使い方。ギターを「バンドの一部」としてどう機能させるかを学べます。
どのアルバムから聴くべきか(初心者向けガイド)
ギター・テクニックを純粋に楽しみたい/80s系の速弾きが好き → デビュー作(Greg Howe)から。
曲としての魅力やヴォーカル入りのロックも楽しみたい → Howe IIの作品を。
より音楽的深みや複雑さ、フュージョン的な側面に興味がある → Introspection → Hyperacuity → Extraction の順で聴くと変化がわかりやすいです。
ギタリスト/音楽家としての見どころ(聴き方のヒント)
レガート奏法とピッキングのバランス:Greg Howeのフレーズは滑らかなレガートと鋭いピッキングが場面ごとに使い分けられています。単に速さを見るのではなく「どのタイミングでレガートを選ぶか」に注目してください。
ハーモニー感覚:ロック的なパワーコード中心のアプローチとは別に、フュージョン期の作品ではテンションコードやモード感の使い方に独特のセンスがあります。コード進行と即興の関係に耳を傾けると勉強になります。
リズム感とグルーヴ:後期の作品ほどファンク/ジャズ寄りのグルーブを強く打ち出しています。ギターのバッキングや小節感、シンコペーションの作り方を分析すると楽曲理解が深まります。
音作り(トーン)の変遷:80年代のハイゲイン〜シングルコイル寄りのシャープなサウンドから、フュージョン期の太くてニュアンスを出しやすいトーンへ。アルバムごとのプロダクションの違いも楽しめます。
補足:近年の活動・コラボ傾向
Greg Howeはソロ活動のほか、セッションワークや若手ギタリストとの共演、クリニック活動も積極的に行っています。アルバムごとに参加メンバーや音作りを変えることで常にサウンドに新鮮さを持たせており、リリース年代の違いがそのままスタイルの変化として楽しめます。
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参考文献
- Greg Howe — Wikipedia
- Greg Howe — AllMusic(ディスコグラフィー/バイオ)
- Greg Howe — Discogs(リリース一覧)
- Greg Howe Official Site


