Nuno Bettencourtの聴くべきレコードと深掘りコラム:Extreme時代からDramaGodsまでの全貌

Nuno Bettencourt — 聴くべきレコードと深掘りコラム

ポルトガル系アメリカ人ギタリスト/ソングライターのNuno Bettencourtは、テクニカルかつメロディックなギターとソングライティングで知られ、1990年代のハードロック/ファンクロックの潮流を作った重要人物です。本コラムでは「代表作として押さえておきたいレコード」を中心に、各作の聴きどころや意義を深掘りして紹介します。選盤はバンド期(Extreme)からソロ〜サイドプロジェクト(Mourning Widows、Population 1 / DramaGods)まで、Nunoの多面性がわかるものを意図的に取り上げています。

選定基準

  • アーティストとしての特色(ギター/作曲/歌)の見えやすさ
  • リリース時の評価や音楽的影響度
  • 作品ごとの個性(商業性/実験性/表現の深さ)

おすすめレコード(解説付き)

  • Extreme — Pornograffitti (1990)

    Extremeを代表する大ヒット作で、ハードロックとファンクの融合を明確に打ち出したアルバム。Nunoの華麗なギター・プレイだけでなく、アコースティックでの繊細な表現(代表曲「More Than Words」)や、ファンキーなリフ、スリリングなソロなど多彩な顔が一枚で味わえます。プロダクションのバランスも良く、ポップセンスと技巧が同居している点が聴きどころです。

    聴きどころ:ギターのダイナミクス(クリーンから歪みまで)、アレンジの凝り具合、ヴォーカルの幅。

  • Extreme — III Sides to Every Story (1992)

    コンセプト性の高い大作で、プログレ的な構成や多様なジャンルの取り込みがなされたアルバム。Nunoの作曲力、アレンジ力がより前面に出ている作品で、単なるギタリスト作品を超えた「アルバムとしての完成度」を示しています。曲間の流れやテーマの展開を楽しむことで、Nunoの音楽的視野の広さが実感できます。

    聴きどころ:楽曲構成、オーケストレーションやコーラスワーク、感情の起伏を作る曲順。

  • Nuno Bettencourt — Schizophonic (1997)

    Nunoのソロ初作。作詞・作曲だけでなく演奏の多くを自ら手がけ、ギタリストとしてだけでなくソングライター/シンガーとしての側面を押し出した一枚です。ロックのエッジは保ちつつ、ポップで親しみやすいメロディも多く、彼の音楽的個性が凝縮されています。バンド色とは違った“個人の表現”を知るには最適な作品です。

    聴きどころ:ヴォーカル表現、ギターのレイヤー、個人作としての自由度。

  • Mourning Widows — Mourning Widows (1998) & Furnished Souls for Rent (2000)

    Extreme解散後に立ち上げたバンドで、よりオルタナ寄り・実験的なアプローチが聞けます。粗削りながら生々しい演奏感と、時にダークでサイケデリックな側面をのぞかせる楽曲群が特徴。Nunoの楽曲構築力がギター以外の面でも発揮されている時期で、彼の“内面”を聴きたいリスナーにおすすめです。

    聴きどころ:歪んだギターサウンド、実験的アレンジ、DIY的なエネルギー。

  • Population 1 / DramaGods 周辺作品(2002頃〜)

    Population 1(後にDramaGodsへ)の活動は、Nunoがさらに現代的なロック/ヘヴィさを探る場でした。シンプルでダイレクトなロックナンバーが多く、ライブでの即効性を重視した楽曲群。ギタリストとしての技巧に加え、グルーヴとソングライティングが直球で楽しめます。

    聴きどころ:バンドでのグルーヴ感、ライブ志向のアレンジ、シンプルだが強力なリフ。

  • Extreme — Saudades de Rock (2008)

    再結成後の作品で、成熟したソングライティングと落ち着いた表現が光るアルバム。過去のスタイルを踏襲しながらも、より大人のロックとしての落ち着きが感じられます。往年のファンはもちろん、新しくNunoに入門する人にも聴きやすい一枚です。

    聴きどころ:楽曲の安定感、懐の深さ、往年のテイストと新しさの融合。

各作を楽しむための視点(ポイント)

  • 「ギターの音色と配置」を追う:Nunoはリード/リズムを同一人物が行うことが多く、曲ごとにギターの役割が巧みに変化します。その配置(イントロ・バッキング・ソロの繋がり)を意識して聴くと発見が多いです。
  • 「歌メロとアレンジの関係」に注目:名バラードからヘヴィなナンバーまで、メロディを中心に据えたアレンジが多いので、メロディとギターの掛け合いを重視して聴くとNunoの作曲力がよく分かります。
  • 「プロジェクトごとの顔の違い」を味わう:Extremeはバンド・ポップス的側面、ソロは個人の表現、Mourning Widowsは実験性、Population 1/DramaGodsは直球ロック。作品ごとの空気の違いが面白いです。

初心者向けの聴き順(入門ガイド)

  • まずは「Pornograffitti」 — 入門としての完成度が高く、代表曲が揃っている
  • 次に「III Sides to Every Story」 — アルバムとしての深さを味わう
  • 続けて「Schizophonic」や「Mourning Widows」 — 個人の表現や実験性を追う
  • 最後に「Saudades de Rock」やDramaGods系で現在の音像を確認する

まとめ — Nunoの魅力とは

Nuno Bettencourtは「速弾きの名手」という単純なレッテルでは語り尽くせません。テクニックはもちろん、メロディへの強い志向、アレンジ力、そして多彩なプロジェクトを通して見せる表現の幅が彼の最大の魅力です。上に挙げたレコードは、ギタリストとしての技巧だけでなく、ソングライター/バンドマンとしての資質を理解するのに最適な資料になります。初めて触れる人も、改めて作品群を再評価したい人も、各アルバムの「役割」を意識して聴くと新たな発見があるはずです。

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参考文献