The Telescopes徹底ガイド:初期〜近年作までのレコード選びとおすすめ盤
イントロダクション — The Telescopesとは
The Telescopes(ステファン・ローリーを中心とするイギリスのプロジェクト)は、80年代後半〜90年代初頭に台頭したシューゲイザー/ノイズ系の文脈から出発し、以後サイケデリック、ドローン、電子的実験性を取り入れながら独自の道を歩んできたバンド(あるいはプロジェクト)です。ギターのフィードバックやリヴァーブを核にした“音の塊”を作る美学と、曲構成における即興的・実験的アプローチが同居している点が特徴で、レコード収集・リスニングの面でも非常に面白いカタログを残しています。
選び方の視点(どのレコードを手に入れるか)
- 歴史の節目を押さえる:初期のシューゲイザー/ノイズ期、転換期の実験作品、近年のサイケ/ドローン志向作——各時期の代表作を1枚ずつ持っているとバンドの変遷がよく分かります。
- オリジナル盤 vs 再発盤:サウンドの雰囲気、マスタリングの違い、そしてジャケットや特典の差が楽しめます。オリジナル7インチや初期プレスには独特の空気感が残っていることが多いです。
- 編集盤・コンピ/セッション盤:シングル集やラジオ・セッションをまとめたリリースは、未収録曲や別テイクを含むことがありコアな楽しみがあります。
おすすめレコード(期間別に深掘り)
1) 初期の衝撃:デビュー期の作品(シューゲイザー/ノイズの側面)
The Telescopesの初期作品は、ギターとエフェクトが生み出す“壁”と、その中で垣間見えるポップなメロディが魅力です。轟音とメランコリーが同居した世界観は、当時のシーンの中でも独特でした。初期のシングル群やデビューに近いアルバムは、彼らの核となる音像がもっともストレートに出ています。
- 聴きどころ:空間系エフェクトと反復フレーズの作る陶酔感、歌声の抜け方
- 入手指針:初期プレスのシングルや、初期アルバムのアナログ盤は音の密度感が良く出ることが多いです。
2) 中期の実験・拡張期(ノイズ/ドローン/サイケへ)
バンドが単純な“ギターバンド”の枠を越え、ノイズ、ドローン、アンビエント的な要素を強めていった時期。曲構成も緩やかになり、音響的な実験が前面に出てくるため、ヘッドフォンやハイクオリティなターンテーブル環境での再生がより深い体験をもたらします。
- 聴きどころ:持続音・反復構造の中での微妙な音色変化、テクスチャの重ね方
- 入手指針:この時期のLPは長尺曲やトラック間の繋ぎが重要なので、アルバム単位で聴くのがオススメです。
3) 再評価・復活以降の作品(近年のサイケデリック/アンビエント志向)
2000年代以降に再評価され輸入・再発が活発になったこと、さらに新作でさらなる実験性を追求したことにより、The Telescopesは新旧のリスナー双方から注目されるようになりました。近年作は音像がより重層的かつ多彩で、DBやエレクトロニクスの導入も目立ちます。
- 聴きどころ:往年のノイズと現代的な音響処理の融合、長尺の展開
- 入手指針:最新プレスやバンドのオフィシャル販売(Bandcamp等)で入手すると、最新リマスターや追加曲の恩恵を受けられます。
個別レコメンド(作品ごとの解説)
以下はThe Telescopesを初めて深掘りする人に特におすすめしたいタイプ別の一枚・一群です。タイトルや年代の細部は複数の版があるため、購入前にディスク情報(プレス年、レーベル、収録トラック)を確認することを推奨します。
・初めて聴くなら:初期アルバム/シングル集
シューゲイザー的な轟音とメロディが直接的に味わえる時期の作品群。バンドの“顔”を知るには最適です。ひと続きで聴くことでギター・エフェクトの使い方や、ヴォーカルの距離感がよく分かります。
・サウンドの変化を追うなら:中期の実験作(LP)
ギターのノイズからサイケデリックなドローンへと向かう変化が明確に出る作品群。作曲よりも音色・空間作りに焦点が当たり、アルバム全体を「作品」として聴く愉しさがあります。
・最新のアプローチを体験するなら:近年作(再発・新作)
電子音やアンビエンスを大胆に取り入れたアルバムは、古参ファンにも新鮮に響きます。バンドcampや公式ルートの流通で最新プレスを手に入れるのが確実です。
・コレクター向け:初期7インチ/レア盤/ラジオ・セッション集
初期の7インチやラジオ・セッション集には、アルバム未収録の曲や別テイクが含まれることがあり、コアな楽しみがあります。音質やマスターの違いにも注目してみてください。
試聴・購入の実用アドバイス(どこでどう選ぶか)
- 公式Bandcampをまずチェック:近年作や公式再発、限定盤の情報がまとまっていることが多いです。
- ディスコグ(Discogs)でプレス情報を確認:初回プレスと再発のマスターリング差、レーベル表記、インサートの有無などを比較できます。
- 輸入盤は送料・関税を考慮:UKやEU盤の方が在庫が多い場合がありますが、入手経路によって価格差が出ます。
- サンプル試聴で音のレンジ感を確認:長尺のアンビエント曲では試聴機器の違いが顕著に出るので、試聴ファイルで低域や空間感をチェックすると良いです。
聴き方の提案(レコード鑑賞のためのプレイリスト的ガイド)
- 初めて:初期1枚を通して。轟音の“塊”とメロディの対比を体験。
- 深掘り:中期以降の実験的な1枚をヘッドフォンで。細かなテクスチャに注目。
- 比較:初期盤と近年盤の同系統の曲を並べて聴き、アプローチの違いを確認。
まとめ — 何を買うべきか、どこから入るべきか
The Telescopesは「轟音」と「実験性」が交錯する興味深いカタログを持つアーティストです。まずは代表的な初期作で“核”を掴み、中期〜近年作でその展開を追う、という段取りが最も楽しめます。コレクションを深めるなら初期7インチやラジオ・セッション集、最新のオフィシャル再発を追うのがおすすめです。
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参考文献
- The Telescopes — Wikipedia
- The Telescopes — Bandcamp(公式/商品情報)
- The Telescopes — Discogs(ディスコグラフィ/プレス情報)
- The Telescopes — AllMusic(レビュー・解説)


