Nothingのレコード完全ガイド:アルバム別聴きどころとエディション選び、初心者の聴き始め方とコレクター戦略

Nothing — イントロダクション

Nothing(ナッシング)は、アメリカ・フィラデルフィアを拠点に活動するロック/シューゲイザー系バンドです。厚みのあるギター・サウンドとメロディアスなボーカルを両立させた作風で、ポストロックやオルタナティブのテイストも取り込みつつ、シューゲイザー/ドリーム・ポップの現在形を提示しています。新旧シューゲイザーの影響を感じさせながら、ダイナミズムと感情の起伏が際立つのが特徴です。

このコラムの狙い

ここでは、Nothingの「レコード(LP)で持っておきたいおすすめ作」を中心に、各アルバムの聴きどころ、購入時の選び方(どのエディションを狙うと良いか)や、コレクションとしての魅力を解説します。レコード自体の再生や保管方法などの技術的な解説は含めませんが、どの作品から入るべきか、どの盤がコストパフォーマンスが高いかなど実用的な視点でまとめます。

おすすめレコード(アルバム解説)

Guilty of Everything (2014)

デビュー作にしてバンドの基礎となるサウンドを確立した1枚。荒々しさとメランコリー、轟音の中に透けるメロディが強く印象に残ります。シューゲイザーの文脈で語られることが多いですが、ポストハードコアやオルタナのダイナミックレンジも併せ持っているため、ロック好きにも刺さる作風です。

  • 聴きどころ:厚いギターの層、曲ごとの感情の起伏、初期のエネルギーと密度。
  • 購入の目安:初回プレス(オリジナル)やブラックヴィニールのファーストプレスはコレクター価値が高め。再発は価格が落ち着きやすく、入手性重視ならリプレスを検討。

Tired of Tomorrow (2016)

サウンドの幅が広がり、より洗練されたプロダクションと曲構成が光る2作目。シューゲイザー的な「壁」とメロディの解像度がバランス良く配置され、バンドの表現力が成熟してきたことを示すアルバムです。曲ごとのドラマ性が増し、リスナーを引き込む構成が魅力。

  • 聴きどころ:メロディと轟音のバランス、凝ったアレンジ、キャッチーな瞬間と沈潜するパートの対比。
  • 購入の目安:日本盤(帯つき)や180gプレスが出ている場合は音質・パッケージ面で有利。限定カラーヴァイナルはコレクション性が高い。

Dance on the Blacktop (2018)

より直球のロック性が前面に出た作品で、エネルギッシュかつダークな側面が強調されています。ギターのアンサンブルとリズム隊の推進力が増し、「轟音の中のグルーヴ」を楽しめる一枚です。ライブで映える曲も多く、ライブ体験と相性が良いアルバムです。

  • 聴きどころ:テンポ感のある曲、厚みあるギターサウンド、よりタイトになった演奏。
  • 購入の目安:アルバムの雰囲気を忠実に再現するプレス(180gやアナログ・マスター使用の再発など)が出ることがあるため、そちらをチェック。

The Great Dismal (2020)

ダークで陰影の深い色調が強く出た作品。ドローン的な要素や陰鬱な雰囲気を取り込みつつ、メロディやコーラスの効果で聴かせる構成が魅力です。バンドの表現の幅がさらに広がったことを感じさせる、重厚で深みのあるアルバムです。

  • 聴きどころ:陰影のあるサウンドスケープ、ダークな歌詞世界、ドラマティックな展開。
  • 購入の目安:限定カラーやデラックス・エディションが出回ることがあるため、コレクターはそれらを狙う価値あり。音質重視なら重厚プレスを確認。

EP・シングル類(補助的に押さえておきたい作品)

フルアルバム以外にもEPやシングルに魅力的な楽曲・リミックスが含まれていることが多く、アルバムの外側を知ることでバンド像がより立体的になります。限定7インチやツアー会場限定盤はコレクター的価値が高い場合があります。

何から聴き始めるか(初心者向けの順序)

  • まずは「Guilty of Everything」でバンドの核となる音像を掴む。
  • 次に「Tired of Tomorrow」でプロダクションの幅とメロディ性を体感する。
  • その後「Dance on the Blacktop」「The Great Dismal」と辿ると、バンドの変遷と多面性が見えてきます。

レコード購入時の現実的なチェックポイント(内容重視)

  • オリジナル・ファーストプレスか再発か:オリジナルはコレクション価値が高く、再発は流通しやすく価格も安定しがち。
  • 限定カラー盤の有無:コレクター性を重視するか、音質と実用性を重視するかで選択が分かれる。
  • 日本盤の有無:帯やライナーノーツ(日本語解説)が付くことがあり、輸入盤と差別化される点がある。
  • 盤質・帯・インサートの有無:コレクション性や将来の資産性を考えるならパッケージの完全性に注目。

聴き方のアドバイス(音楽体験として)

  • アルバムは通して聴くことで曲間の流れや空気感が伝わるタイプが多いので、トラック単体よりもアルバム全体を通すことを推奨します。
  • 歌詞やアートワークにも注目すると、曲の印象やアルバムのテーマ性が深まります。
  • ライブ映像やライブ音源とアルバムを比較すると、スタジオ録音の凝り方とライブのダイナミズムの違いが面白く感じられます。

コレクター向けの戦略

  • 「好きな1枚」を見つける:まず1枚を丁寧に選び、そこから関連のEPや限定盤を増やしていくのが無理のない方法です。
  • 価格と希少性のバランス:限定カラーや初回盤は魅力的ですが、価格が跳ね上がることも。購入目的(聴く用/保存用/投資用)を明確に。
  • リイシュー情報のウォッチ:人気作は再発されることがあるため、欲しいエディションが再発されるタイミングを待つのも有効です。

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参考文献