Raja Ramのレコード徹底ガイド:Shpongleを中心に1200 Microgramsまで、サイケトランス名盤の聴き方と収集術
はじめに — Raja Ramとは
Raja Ram(ラジャ・ラム、実名:Ronald Rothfield)は、サイケデリック・ミュージック/サイケトランス/サイベント界隈で長年にわたり重要な役割を果たしてきた人物です。フルート奏者としてのアイコニックな音色と、プロデューサー/キュレーターとしての敏腕ぶりで知られ、特にShpongle(シフォンゴル)としての活動は世界的な評価を得ています。本稿では、Raja Ram 関連の“レコードで揃えておきたい”おすすめ作品をピックアップし、それぞれの聴きどころやレコードでの楽しみ方(音作りや編曲的観点)を深掘りして紹介します。
おすすめレコード(総論)
Raja Ram の活動は大きく分けて「Shpongle(サイベント/サイケワールド寄り)」「1200 Micrograms(ハイパーなサイケトランス)」「The Infinity Project 等の初期プロジェクト」という流れがあります。レコードで揃える価値の高い作品は、アーティストの多様性(アンビエント~ダンス寄りのレンジ)を一枚一枚で体験できる点です。以下、優先順位をつけて具体的なタイトルと解説を述べます。
1. Shpongle:代表的スタジオアルバム群(必携)
Shpongle は Raja Ram(フルート、ヴィジュアル/コンセプト面の核)と Simon Posford(プロダクション面の軸)を中心にしたプロジェクトで、サイケデリック・アンビエント/サイベントの金字塔的存在です。アルバム単位で世界観が完結しており、ヴィニールでの再生は音像の広がりや低域の自然な揺らぎなどが特に心地良く感じられます。
Are You Shpongled?
Shpongle を象徴するデビュー作。エスニックなサンプリング、サイケデリックな合成音、そして Raja Ram のフルート/声の断片が溶け合い、アルバム全体が“トリップするための絵巻”のように構成されています。レコードでのメリットはステレオイメージの立体感と、フェーズ感・残響の自然さが増す点。
聴きどころ:曲ごとの場面転換(静→動→深いアンビエンスの反復)に注目。1曲の中での音像構築を味わうと、この作品の真価が分かります。
Tales of the Inexpressible
より構築的でメロディアスな面が増した二作目。民族楽器的な要素とエレクトロニカ的アレンジがより密に絡み合い、ライブでも人気のあるフレーズやビート感が強化されています。
聴きどころ:メロディとリズムの融合、場面転換のドラマ性。アルバム全体の“流れ”を一周すると、曲間のつながりが新たに響きます。
Nothing Lasts… But Nothing Is Lost
よりバンド的/ライブ的なアプローチが強くなる作品。楽器の生っぽさと電子音の融合、長尺の楽曲構成が特徴で、レコードでの聞き応えも抜群です。
聴きどころ:長尺トラックの“展開”と、アレンジの細部。ループが変化していく過程をじっくり追ってください。
Ineffable Mysteries from Shpongleland
クラシック楽器的な音やコーラスなど、より“音響的に豊かな”実験が進んだ作品。サウンドデザインの妙が色濃く、レコードでは空間の広がりや定位がより鮮明になります。
Museum of Consciousness / Codex VI
これらの近年作では、よりシネマティック/コンセプチュアルな方向が強まっており、音の質感や構成が洗練されています。新しいマスタリングやリマスター盤も出回っていますので、音像の違いを比較するのも面白いです。
2. 1200 Micrograms:ハイテンションなサイケトランスを楽しむ
1200 Micrograms は Raja Ram が参加するパーティー寄りのサイケトランス・ユニットで、コンセプト性の強いトラック(精神活性物質をタイトルに据えた曲など)やダンスフロア向けのエネルギーを持っています。Shpongle と並んで“Raja Ram の別形態”を知るために有用なコレクションです。
聴きどころ:速いBPM、シンコペーションするベース、そして曲名やテーマ性の即効性。レコードで鳴らすとフロア感や低域のグルーヴが非常に心地良いです。
3. The Infinity Project 他:初期サイケ・シーンの文脈を知る
The Infinity Project など、Raja Ram が初期に関わったプロジェクト群は、後のサイケトランス/サイベント・シーンの基礎を作った作品群です。エクスペリメンタルでやや荒削りな部分がある一方、精神性とクラフト感が強く、コレクションとしての価値が高い盤が多いです。
聴きどころ:初期のアイデアや実験精神。歴史的価値を楽しみたいリスナー向け。
各レコードを選ぶときの視点(音質・盤の選び方)
オリジナル盤 vs 再発盤:初回プレスは雰囲気や当時のマスタリングの色が強く出ることが多いですが、近年の再発(リマスター/重量盤)は低域の密度やダイナミクスが改善されている場合があります。好みに応じて選んでください。
盤のコンディション:音像のクリアさや高域の伸びを重視する場合は VG+ 以上、ノイズを極力避けたいなら M〜NM が理想です。盤のスクラッチや表面ノイズはアンビエント的な空気感を損なうことがあります。
帯域とイメージング:Shpongle のように広がりが重要な音楽では、左右のイメージングや残響の情報がしっかり出るカッティングがされているかをチェックすると良いです(レビューや試聴が可能なら店頭で確認を)。
レコード収集の楽しみ方(聴き方の提案)
通しで味わう:Shpongle のアルバムは物語性や場面転換が巧妙なので、頭から最後まで通して聴くことで作家性が際立ちます。
比較聴き:オリジナル盤とリマスター盤、あるいはCD/ハイレゾと比較して違いを楽しむことで、マスタリングやメディアの“音の個性”を学べます。
テーマで揃える:Shpongle(アンビエント)と1200 Micrograms(フロア向け)を並べて聴き比べると、Raja Ram のアーティストとしての幅が良く分かります。
Raja Ram のレコードを楽しむ上での注目ポイント
フルートや民族楽器的フレーズの“断片”が曲を縫うように挿入され、曲全体の空間認識を決定付ける点。
電子音と有機音(生楽器/フィールド録音)の融合。どのレイヤーを前に出すかで作品の色が大きく変わります。
曲の“ドラマ性”を重視した構成。長尺トラックの展開をレコードでじっくり追うことで新たな発見があります。
購入・収集の実用的アドバイス
信頼できるレコードショップ(専門店やオンラインの信頼できる出品者)での新品/良好中古の購入を推奨します。
出品ページやショップの試聴サンプルをできる限り確認し、マスタリング年代やプレス情報をチェックしてください(表ラベル/センターラベルの刻印等)。
コレクターズ・アイテム(限定カラー盤や初回特典)は状態と価格のバランスを見て判断しましょう。
まとめ
Raja Ram のディスコグラフィーは、アンビエント的な深みからフロア寄りの高揚まで非常に幅広い表現を含みます。まずは Shpongle の主要アルバムを揃え、そこから 1200 Micrograms や初期プロジェクトへと広げるのが王道のコレクションルートです。レコードというメディアは、空間表現や低域の質感など“音像の立体感”に優れているため、Raja Ram の作品群とは非常に相性がよく、じっくりと時間をかけて楽しむ価値があります。
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参考文献
- Raja Ram — Wikipedia
- Shpongle — Wikipedia
- Raja Ram — Discogs
- Shpongle — Discogs
- 1200 Micrograms — Wikipedia
- The Infinity Project — Discogs


