ハーブ・アルパート徹底解説:ティファナ・ブラス時代からRiseまでの魅力と必聴アルバム

Herb Alpertとは――軽やかでキャッチーなトランペットの魔術師

Herb Alpert(ハーブ・アルパート)は米国のトランペット奏者、作曲家、プロデューサー、そしてA&Mレコードの共同創業者として知られる音楽家です。1960年代に結成した「Herb Alpert & the Tijuana Brass(ティファナ・ブラス)」で一躍人気を博し、メロディアスでポップなラテン風アレンジを軸にしたサウンドで世界的なヒットを連発しました。ジャンルとしてはイージーリスニング/ラテンポップ/ブラス・ポップの枠に位置づけられることが多いですが、1979年の「Rise」などではクロスオーバーしたジャズ〜フュージョン/AOR的な側面も見せています。

Herb Alpert の魅力ポイント

  • メロディを活かした“歌う”トランペット:過度な技巧ではなく、歌心あるフレーズが印象的。

  • ラテンとポップのブレンド:マリアッチ的な彩りとポップなアレンジが親しみやすい。

  • プロデューサー/レーベル運営者としての影響力:A&Mを通じて多くの名アーティストの作品を世に送り出した。

  • 時代ごとに変化する音楽性:60年代のティファナ・ブラス期から、70〜80年代のソロ活動まで音作りが進化。

おすすめレコード(入門〜コレクション向け)

  • The Lonely Bull(1962)
    Herb Alpert としての出発点を示すアルバムで、タイトル曲「The Lonely Bull」はティファナ・ブラスの原点的名曲。メキシカンな要素をポップに加工したサウンドが初期の魅力をよく伝えます。

  • Whipped Cream & Other Delights(1965)
    アルバム全体の雰囲気、そしてあまりにも有名なジャケットも含めて彼の代表作。軽快でムードあるアレンジが並び、ティファナ・ブラスの“顔”と言える一枚です。入門盤として最適。

  • Going Places(1965)
    「Tijuana Taxi」などアップテンポで楽しめるトラックを収録。バンドとしての一体感、アンサンブルの巧みさが光る作品で、ティファナ・ブラス期の黄金サウンドが楽しめます。

  • S.R.O.(1966)
    コンサート・ムードやエンターテインメント性を前面に出した一枚。ブラスの厚みやアレンジのセンスを堪能したいコレクター向け。

  • What Now My Love(1966)
    バラードやミディアムテンポの名曲を含むアルバムで、トランペットの歌心が際立つ選曲。しっとり聴きたい時におすすめです。

  • Warm(1969)
    ティファナ・ブラス期の終盤に位置する作品で、より成熟したアレンジやムード志向が感じられます。夜のBGMとしても映える深みがあります。

  • Rise(1979)
    Herb Alpert のソロ名義での代表作。タイトル曲「Rise」は全米チャートでも大ヒットしたインストゥルメンタルで、ファンク/フュージョン的なグルーヴとモダンなプロダクションが特徴。時代を跨いだクロスオーバー性を示す重要作です。

  • Keep Your Eye on Me(1987)
    1980年代のサウンド・プロダクションを取り入れた一枚。ポップで洗練されたアレンジが加わり、当時のヒット志向が表れています。Herbの表現の幅を知るうえで興味深い作品です。

アルバムごとの聴きどころ(短評)

  • The Lonely Bull:初期の“濃度”と音作りを感じられる。トランペットの色気が生まれる瞬間を味わえる。

  • Whipped Cream:ポップでキャッチー。名曲が並び、Herb Alpertの“顔”を象徴する。

  • Going Places:バンドとしての躍動感、アレンジの遊び心が楽しい。

  • Rise:グルーヴ主体の洗練されたインスト。80年代以降のサンプリングやカバーにも影響を与えた名曲。

コレクションの選び方(買うときの視点)

  • 時代ごとの音の違いを楽しむ:60年代のティファナ・ブラス期は生々しくポップ、1970年代以降はよりモダンでプロダクション重視。

  • オリジナル盤/初期プレスかどうかをチェック:音質やアートワークの雰囲気が違うことがあるため、コレクション目的なら表示年代やレーベル表記を確認すると良いでしょう。

  • リイシュー盤はアクセスしやすく、リマスターで聴きやすい場合もある:まずは手軽に入手できるリイシューで楽しんで、後からオリジナル探しをするのも一つの方法です。

まとめ

Herb Alpertは「親しみやすさ」と「演奏の確かさ」を兼ね備えたアーティストです。ティファナ・ブラス期の軽快でメロディアスなサウンドから、ソロ期の洗練されたインストまで、時代ごとに違った魅力があります。初めて聴くなら「Whipped Cream & Other Delights」や「The Lonely Bull」、インスト・グルーヴを堪能したければ「Rise」がおすすめです。コレクションを通じて彼の音楽的変遷をたどると、思わぬ発見があるでしょう。

エバープレイの中古レコード通販ショップ

エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

エバープレイオンラインショップのバナー

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery

参考文献