ベット・ミドラーを改めて聴く理由とおすすめレコード大全:名盤から映画サウンドトラックまでの聴き方ガイド
ベット・ミドラー(Bette Midler)を改めて聴く理由
ベット・ミドラーはヴォーカリストとしての表現力だけでなく、エンターテイナーとしての総合力が魅力のアーティストです。ブロードウェイやクラブ・シーンで培った表現力は、ポップ、ジャズ、ディスコ、バラード、映画音楽まで多彩なレパートリーに活かされており、どの時代のアルバムにも彼女らしいドラマ性と確かな歌唱が宿っています。本稿では「レコードでぜひ聴きたい」おすすめタイトルをピックアップし、楽曲・背景・聴きどころを深掘りします。
The Divine Miss M(デヴァイン・ミスM) — 出発点の魅力
1970年代初頭に登場したデビュー作のひとつで、ベット・ミドラーの「原石」が最も鮮やかに表れたアルバムです。カリスマ的なヴォーカルと、バラエティに富んだアレンジ(ジャズ風、ポップ、コミカルなナンバーまで)が混在しており、歌手としての魅力を一気に示した作品。
- 聴きどころ:ヴォーカルの表現レンジ(チャーミングな語り口から力強いブレスまで)とライブ感。クラブ出身のショーマンシップがよく伝わります。
- 代表曲(アルバム内の聴き所):彼女が得意とするカバー曲や軽快なナンバーが並び、ステージの雰囲気をそのままパッケージしたような楽しさがあります。
- おすすめ盤:オリジナル・アナログは当時のアレンジとミックス感が味わえます。リマスター盤は音像が現代向けに整っていますので好みで選んでください。
The Rose(映画サウンドトラック) — 劇映画と一体化した名演
映画『The Rose』のサウンドトラックは、ミドラーの演技力と歌唱が強く結びついた作品で、彼女の代表曲のひとつとなるタイトル曲を含みます。エモーショナルなバラードが中心で、映画のドラマを想起させる重厚な表現が特徴です。
- 聴きどころ:台詞や演技の延長としての歌唱。物語性を持つ曲作りが好きなリスナーにとくに響きます。
- 代表曲:タイトル曲(The Rose)はシンプルな伴奏ながら歌の説得力で聴かせる名バラードです。
- おすすめ盤:映画サントラ盤は音像の作りが映画の演出に合わせられているため、映画を観た後にレコードで聴くと味わいが増します。
Beaches(ビーチズ/映画サウンドトラック)と Wind Beneath My Wings — キャリアの象徴的瞬間
映画『Beaches』のサウンドトラックに収録された「Wind Beneath My Wings」は、ベット・ミドラーのキャリアを代表する一曲として広く知られています。この曲は映画と相まって世界的なヒットとなり、彼女のシンガーとしての地位を確立しました。
- 聴きどころ:壮大なアレンジとピアノ・ストリングスをバックにしたドラマティックな歌唱。聴く者の感情を引き寄せる「決定的瞬間」が詰まっています。
- 代表曲:Wind Beneath My Wings(感情のピークを作るサビのラインと表現力が印象的)
- おすすめ盤:映画サウンドトラックはシングル編集やアルバム・バージョンなど複数の形態があるため、コレクションする価値があります。
Some People's Lives — ポップスとドラマを両立させた成熟期の傑作
1990年前後に発表されたこのアルバムは、ポップ・バラードや成人向けポップスの洗練されたプロダクションが特徴で、ミドラーの声がより“録音向け”に磨かれた作品です。大ヒット曲「From a Distance」などが収録され、ラジオ・ヒットとアルバムとしての完成度の両面で成功しました。
- 聴きどころ:スタジオ・ワークが丁寧で、ヴォーカル表現がより繊細にコントロールされた点。大作志向のアレンジがシンプルな感情を引き立てます。
- 代表曲:From a Distance(社会的なメッセージ性を持つ大きなスケールのバラード)
- おすすめ盤:CD世代の作品ですが、アナログ盤再発もあるため、アナログで聴きたい方は再発のプレスをチェックしてみてください。
Thighs and Whispers — ディスコ/ダンス路線の実験作
1970年代末のディスコ/ダンス・サウンドに挑戦したアルバムで、ミドラーの多面性を示す作品です。クラブ出身というバックグラウンドを活かした、エネルギッシュで時にコミカルなアプローチが魅力。
- 聴きどころ:ダンス寄りのアレンジとポップな表現。ライブの延長線上にある「見せる」パフォーマンス性がよく出ています。
- 代表曲:ダンス・ナンバーやアップテンポのカバー曲など、パーティー感のある楽曲が中心。
- おすすめ盤:当時のアナログLPはディスコ時代の空気感がそのまま残るため、時代感を楽しみたいならオリジナル盤も面白いです。
選び方の指針(初めての人向け/コレクター向け)
- 初めて聴くなら:代表曲がまとまったサウンドトラック(Beaches)かヒット曲を含むベスト盤で、彼女の歌い回しとドラマ性を掴むのが手っ取り早い。
- 深く掘るなら:デビュー作(The Divine Miss M)でショー・マンシップや初期のエネルギーを、Some People's Livesで成熟したスタジオ・ワークを比較すると面白い。
- 多様性を楽しむなら:Thighs and Whispersのダンス路線やThe Roseの映画性など、ジャンルごとにレコードを揃えて彼女の変遷を味わうのがおすすめです。
聴きどころをさらに深堀り:ボーカル表現と物語性
ベット・ミドラーの魅力は「歌そのもの」だけでなく、歌の背後にある物語を語る力にあります。小さな語り(語尾の処理やブレスの入れ方)で感情の機微を伝える技術、ステージ向けに培われた間のとり方、そして楽曲ごとに異なる“人物”を演じ分ける表現力が聴きどころです。
- カバー曲の選び方:彼女は既存曲を自分の物語に作り替えることが得意で、原曲の意図を補強・再解釈することで新たな命を吹き込みます。
- 映画音楽との親和性:演技経験があるだけに、映画の主人公の内面を歌で表現する力が際立ちます。
聴き方の提案(プレイリスト的アプローチ)
次のような順で聴くと彼女の変遷と幅が分かりやすいです。
- 入門:Beaches(代表曲で入りやすい)
- 原点:The Divine Miss M(ショー的エネルギー)
- 成熟:Some People's Lives(洗練されたスタジオ録音)
- 実験/遊び心:Thighs and Whispers(ディスコ/ダンス)
最後に
ベット・ミドラーはジャンルや時代を超えて聴く価値のあるアーティストです。レコードで聴くことで、当時のアレンジ感や演者としての空気感がより直接的に伝わってきます。どのアルバムから入っても彼女の個性に触れられるはずなので、興味のある時代・ジャンルからぜひ手に取ってみてください。
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