ボビー・マクファリン(Bobby McFerrin)のプロフィールと特徴:声を楽器にする歌手の即興とCirclesongs、名曲「Don't Worry, Be Happy」の背景
Bobby McFerrin — プロフィール概要
Bobby McFerrin(ボビー・マクファリン)はアメリカ出身のシンガー、作曲家、指揮者で、声を“楽器そのもの”として自在に操ることで知られるアーティストです。1950年生まれ。父親も歌手という音楽的家系に育ち、ジャズ、クラシック、ポピュラー音楽の境界を越える活動で国際的に評価を得ました。1988年のヒット曲「Don't Worry, Be Happy」により広く知られる一方で、単なるポップソングの範疇を超えた即興演奏や教育活動(Circlesongs など)によって独自の地位を確立しています。
音楽的特徴と技法
- 声を楽器として使う — メロディ、ベースライン、リズム、打楽音、さらにはコーラス的ハーモニーまで、全てを一人の声で生み出すアプローチ。
- 即興性(インプロヴィゼーション) — ジャズ的な瞬発力と即興でその場限りのフレーズやハーモニーを構築します。ステージでのリアルタイム構築が大きな魅力です。
- Circlesongs の手法 — 短いモチーフ(セル)を繰り返し重ねていく集団即興の方式で、リーダー(McFerrin)が提示したモチーフに参加者が重層的に反応して豊かなテクスチャーを生み出します。
- 多様な声質とダイナミクス — 広い音域、豊かな音色変化、微細なニュアンス表現(ブレスやサイレント・スペースの使い方)で感情や空間を描きます。
- 観客参加・コミュニケーション — コール&レスポンスや簡単な課題提示で観客を音楽的に巻き込み、一緒に作品をつくる体験を演出します。
ステージ上での魅力
マクファリンのライブは「聴かせる」だけでなく「体験させる」ショーです。軽妙なトークやユーモア、観客への即興的な指示によって会場全体が一つの楽器となる瞬間を作ります。また、オーケストラやクラシック奏者、ジャズ・プレイヤーとの共演も多く、ジャンルの垣根を柔軟に行き来する姿勢が観客の幅広い支持を得ています。演奏には高度な耳と瞬時の判断力が要求されますが、それを遊び心と鋭い表現で示す点が彼の大きな魅力です。
代表曲・名盤(おすすめ)
- 「Don't Worry, Be Happy」 — 彼の名を一般に広く知らしめた代表曲。シンプルなメロディと前向きなメッセージが特徴。
- Simple Pleasures(アルバム) — 「Don't Worry, Be Happy」を収録したアルバムで、ポップ性と独自のボーカル表現が融合した作品。
- Circlesongs(概念および関連音源/ライブ) — マクファリンが提唱・実践するボーカル即興のメソッド。ワークショップやライブ録音でその真価を体験できます。
- 共演・ライブ録音 — クラシックやジャズの巨匠との共演録音やライブ映像も多数。スタジオ作品だけでなくライブでの即興性を追体験するのがおすすめです。
聴きどころ・楽しみ方
- 声の多層性に注目する:一人で複数のパートを表現する瞬間を意識して聴くと面白さが増します。
- おしゃべりや観客との応答も一つの音楽要素として楽しむ:ライブではMCや観客とのやり取り自体が音楽になっています。
- ダイナミクスと「間」を観察する:大きなフレーズだけでなく、息づかいや沈黙が効果的に使われます。
- Circlesongs は体験が前提:可能ならワークショップ参加やライブ視聴で、音が積み重なる過程を体感してみてください。
影響と評価
マクファリンは現代のア・カペラ、ボイスパーカッション、合唱即興の分野に大きな影響を与えました。また、クラシックやジャズの領域とも積極的に交流し、ジャンルの垣根を越える表現を提示した点で高く評価されています。ポップシーンでの商業的成功と、教育・実験的活動の両面を併せ持つ点が彼のユニークさです。
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