アルバート・コリンズ(アイスマン)のおすすめレコード大全:Ice Pickin' からライヴ盤まで、入門〜コレクション向けガイド
アルバート・コリンズとは:氷のギター職人の概要
アルバート・コリンズ(Albert Collins)は「The Iceman(アイスマン)」の愛称で親しまれたブルース・ギタリスト/シンガーです。テキサス・ブルースを基盤に、鋭く冷たいトーンと独特のリズム感、そして緊張感のあるフレーズで知られます。彼のプレイは単に速弾きや技巧を誇示するものではなく、一本のフレーズで聴き手をグッと引き込む“間”と“余韻”が特徴です。本コラムでは、レコード・コレクションとして特におすすめしたいアルバムをピックアップし、それぞれの魅力を深堀して解説します(レコードの再生・保管・メンテナンスに関する解説は除きます)。
おすすめレコード(総論)
アルバート・コリンズのディスコグラフィーは、初期のシングル群、1970〜80年代の充実したアルバム群、コラボレーションやライヴ録音に大別できます。以下では、入門〜コレクション向けに押さえておきたいタイトルを中心に、各盤の聴きどころや時代背景、他にないポイントを解説します。
Ice Pickin' — アルバート・コリンズの代表作(おすすめ度:★★★★★)
なぜおすすめか:
- 彼の“らしさ”が凝縮された一枚で、リズム感と鋭利なトーン、そして曲ごとのアレンジの妙を堪能できる。ブルース好き、ギター好き、アルバム通してのまとまったサウンドを楽しみたい人に最適。
- Alligator Records期の名盤としてしばしば挙げられ、バンド・アンサンブルも充実しておりモダン・ブルースとしての聴きやすさと深さを両立している。
- 演奏/曲の構成がしっかりしているため、レコードとしての鑑賞体験(流れを追う楽しみ)が味わえる。
聴きどころ:
- コリンズのギター・トーンとフレージングの特徴:鋭く切り込むワンフレーズ、スペース感の使い方。
- バンドとの掛け合いや、テンポ感のきついブルースとゆったりした曲との対比。
Showdown!(with Robert Cray & Johnny Copeland) — コラボレーションの妙(おすすめ度:★★★★☆)
なぜおすすめか:
- 同世代・後進の名手と共演することで見えるコリンズの個性が際立つ一枚。スタジオでの化学反応が楽しい。
- ソロ作とは違う対話的な演奏が多く、コリンズの“他者との対話”での表現力を味わえる。
聴きどころ:
- ギター同士(あるいはヴォーカルとの)バランス感。各プレイヤーの個性が際立つトラックを選んで聴くと面白い。
- ライブ感や即興性のあるパートにこそ、コリンズ独特の“冷たさ”と熱さが共存していることが感じられる。
Cold Snap — 後期の成熟(おすすめ度:★★★★☆)
なぜおすすめか:
- キャリア後半の作品で、演奏の安定感や音作りの厚みがある。プロダクション面で聴きやすくまとめられていることが多い。
- コリンズの表現の幅(静と動、抑制されたヴォーカルとの対比)を改めて確認できる一枚。
聴きどころ:
- 落ち着いたテンポの曲で見せる余裕のあるプレイ。若い頃とはまた違った“味”が出ている点。
- アレンジ面での洗練度、他楽器とのバランス感。
The Cool Sound of Albert Collins / 初期音源コンピレーション(おすすめ度:★★★☆☆〜★★★★☆)
なぜおすすめか:
- 初期のシングルや未発表音源をまとめたものは、コリンズの出発点やスタイル形成過程を知る上で貴重。
- 荒削りだが生々しい演奏が残っているため、音楽史的興味・コレクター視点での価値が高い。
聴きどころ:
- 若き日の勢いと、後の落ち着きに繋がる演奏上の癖(リズムの取り方、フレーズの傾向)が確認できる。
- 初期録音ならではの独特な録音感やアレンジを楽しむ。
ライヴ盤(選べるなら良質なライヴ録音を)
なぜおすすめか:
- コリンズはライヴでの説得力が非常に高いギタリストです。録音によってはスタジオ盤以上に魅力を発揮する場合があるため、良盤を一つは持っておきたい。
- 即興的なやり取りや観客とのテンションがそのまま収録されているライヴ盤は、彼の人間性やステージングの一面を見せてくれます。
選び方のコツ:
- 演奏の緊張感(テンポの揺れや即興があるか)と録音の明瞭度のバランスを重視する。
- セットリストのバラエティ(スローとアップ、インストと歌ものの混在)がある盤を選ぶと、総合的に楽しめる。
聴きどころ(曲単位での楽しみ方)
・イントロや一つのフレーズで“様子が変わる”瞬間を注視する:コリンズは短いフレーズに強い個性を込めるタイプなので、繰り返し聴くことでその魅力が見えてきます。
・歌とギターの“間”に注目:歌メロを邪魔せず、ギターが隙間を埋めるような役割をする場面が多く、そこに彼のプロフェッショナル性が表れます。
・バンドとのグルーヴ感:スネアの抜き方やベースとの掛け合いで楽曲の空気感が決まるため、ドラム/ベースの音も含めて全体を聴くと発見があります。
まとめ:どの盤から入るべきか?
まずは「Ice Pickin'」のような代表作から入るのが最も分かりやすいです。そこからコラボ作(Showdown! 等)や初期コンピで深掘りし、最終的にライヴ盤で現場の空気を味わう、という順がオススメの聴き方です。アルバート・コリンズは一聴で虜になるタイプというより、繰り返し聴くほどに味が出るアーティストです。気に入った1枚を起点に、彼の奏法やフレーズのクセを少しずつ拾っていく楽しみをぜひ味わってください。
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参考文献
- Albert Collins — Wikipedia
- Ice Pickin' — Wikipedia
- Showdown! (Albert Collins / Robert Cray / Johnny Copeland) — Wikipedia
- Alligator Records(公式)
- Albert Collins — Discogs(検索結果)
- Albert Collins — AllMusic(検索結果)


