Jorma Kaukonenを深く聴くための聴き分けガイド—代表作5枚の聴きどころと選び方

イントロダクション — Jorma Kaukonen を深く聴くために

Jorma Kaukonen(ヨルマ・コーコネン)は、1960年代のサイケデリック・ロックの文脈(Jefferson Airplane)から出発し、フォーク/ブルース・ギターの伝統に深く根差した演奏で名を馳せたギタリスト/シンガーです。鋭いフィンガーピッキング、伝統曲の解釈力、そしてエレクトリックとアコースティックを自在に行き来する表現力が魅力。ここでは「レコードで聴く価値のある」代表作を厳選して紹介し、それぞれの聴きどころや選ぶ理由を掘り下げます。

1. Jefferson Airplane — Surrealistic Pillow (1967)

Jefferson Airplane の代表作でありサイケデリック期の重要盤。Jorma はリード/フィンガースタイルのギターでバンドのサウンドに独特の色合いを与えています。特に短いアコースティック・インストゥルメンタル「Embryonic Journey」は、Jorma の指弾き(フィンガーピッキング)技巧と繊細なフレーズ感が端的に表れる名演です。

  • 聴きどころ:Jorma の指弾きが光る「Embryonic Journey」、歌唱とギターの化学反応が聴ける「Somebody to Love」「White Rabbit」
  • このレコードを選ぶ理由:Jefferson Airplane の代表曲群と、Jorma のアコースティック側面が同時に楽しめる歴史的名盤

2. Hot Tuna — Hot Tuna (1970)

Jefferson Airplane の活動休止期に Jorma とベーシストの Jack Casady が始めたプロジェクト、Hot Tuna のファースト。アコースティック中心の選曲で、ブルースやトラディショナル曲を土台にした二人の即興と呼吸が魅力的です。バンド形式とは異なる「ルーツ音楽への帰還」を感じさせる一枚。

  • 聴きどころ:伝統曲の堂々たる解釈、ギターとベースのコール&レスポンス、Jorma のヴォーカル表現
  • このレコードを選ぶ理由:Jorma のブルース/フォーク志向を最初に濃密に示したアルバムとして必聴

3. Hot Tuna — First Pull Up, Then Pull Down (1971)

Hot Tuna の初期におけるエレクトリック志向とライブ感を前面に出した作品。アコースティック曲に加え、グルーヴ感の強いバンド演奏や即興的な展開が増え、Jorma の幅広い表現力が見えやすくなっています。

  • 聴きどころ:エレクトリック・ブルースのエネルギー、ライブならではの伸びやかなプレイ
  • このレコードを選ぶ理由:Hot Tuna の「ロック寄り」サイドを体感できる好例。Jorma のエレクトリック・ギター表現を確認したい人におすすめ

4. Jorma Kaukonen — Quah (1974)

Jorma のソロ初期を代表する作品。アコースティック・ギターを中心にした、よりパーソナルで内省的な作風が際立ちます。プロダクションやアレンジも洗練され、曲ごとの表情付けが細やかで、Jorma のシンガー/ソングライターとしての魅力が伝わる一枚です。

  • 聴きどころ:アコースティック・フィンガーピッキングの繊細さ、オリジナル曲の深み、サポート・ミュージシャンとのアンサンブル
  • このレコードを選ぶ理由:Hot Tuna/Jefferson Airplane と並行したJormaの個人的表現を知るうえで重要なアルバム

5. Hot Tuna — Burgers (1972)

Hot Tuna のスタジオ色が強く出た作品で、ゲストや多彩なアレンジを取り入れたアルバム。ブルース基調ながらポップな手触りもあり、Jorma の曲作りの幅がうかがえます。スタジオでの探求心が感じられる一枚です。

  • 聴きどころ:スタジオならではのアレンジ、楽曲ごとの多彩な表情、Jorma の歌とギターのバランス
  • このレコードを選ぶ理由:ライブ音源中心のHot Tuna作品と比べ、録音芸術としての側面を楽しめる

アルバムを選ぶ際の視点(聴き分けガイド)

  • 「アコースティックでJormaの指弾きをじっくり」→ Hot Tuna(初期)や Quah を中心に
  • 「エレクトリックで熱いブルース演奏を聴きたい」→ First Pull Up, Then Pull Down や後期の Hot Tuna ライブ音源
  • 「歴史的な文脈と代表曲を押さえたい」→ Jefferson Airplane の Surrealistic Pillow
  • 「録音・アレンジ側のバリエーションを楽しみたい」→ Burgers や Quah のようなスタジオ作品

聴きどころの具体例 — Jorma の演奏に注目するポイント

  • フィンガーピッキングの「音の間」:単音の正確さよりも、フレーズ間の余白やタッチの変化に注目すると彼の個性が見える
  • 伝承曲の解釈:同じブルース/トラディショナル曲でも、歌の間の語りやテンポの揺らぎで新たな表情が生まれる
  • デュオの呼吸:Jack Casady との低音との掛け合いは、Jorma のフレージングがより映える重要要素

以上のアルバムは、Jorma Kaukonen の多面的な魅力をレコードというフォーマットで堪能できる代表例です。初めて触れるなら、まずは Surrealistic Pillow(歴史的文脈)→ Hot Tuna(初期アコースティック)→ Quah(ソロの内省)という順で聴くと、彼の変遷がつかみやすいでしょう。

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