The Time(ザ・タイム)徹底解説:80年代ミネアポリス・サウンドを牽引したファンク/R&Bバンドとプリンスの深い関係
The Timeとは?
The Time(ザ・タイム)は、1980年代のミネアポリス・サウンドを代表するファンク/R&Bグループです。1981年に結成され、プリンス(Prince)が初期の楽曲提供やプロデュースで深く関わったことでも知られます。派手なステージング、コミカルなキャラクター性、タイトなファンク・グルーヴを武器に、当時のブラック・ポップシーンで強い存在感を示しました。
メンバーとその役割(主要メンバー)
- Morris Day — フロントマン/ボーカル。クールなキャラクターとステージでのトークでグループの顔となる。
- Jesse Johnson — ギター。初期のサウンドにおける重要なギタリスト。
- Jimmy Jam(James Harris III) — キーボード/ソングライター(のちにプロデューサーとして大成功)。
- Terry Lewis — ベース/ボーカル(のちにJam & Lewisの片割れとして名プロデューサーに)。
- Jellybean Johnson — ドラム/パフォーマー。ステージのエンターテインメント要素も担う。
- Monte Moir、Jerome Benton など — バンドおよびステージ演出を支えたメンバー。
なお、Jimmy JamとTerry Lewisは後にグループを離れ、Janet Jacksonをはじめとする数多くのヒットを生み出すプロデューサー・デュオとしてのキャリアを築きます。
音楽的特徴と魅力
The Timeの音楽は、ファンクのグルーヴ感とシンセサイザーを効果的に使った「ミネアポリス・サウンド」を代表します。特徴は以下の通りです。
- タイトで跳ねるリズムセクション:ドラムとベースがリズムの芯を作り、フレーズが非常にグルーヴィー。
- シンセ&ギターのバランス:80年代らしいシンセの質感と、ファンキーなギター・リフが同居。
- ステージ・コメディとキャラクター性:Morris DayとJeromeのやり取りなど、演劇的な要素が観客を惹きつける。
- ソングライティングに潜むトリッキーさ:楽曲にはうまく練られたフックやブリッジがあり、シンプルながら計算された構成。
代表曲と名盤(簡潔な紹介)
- The Time(1981) — デビュー作。デビュー期のファンク感が詰まっており、「Gigolos Get Lonely Too」などでソウルフルな一面も見せる。
- What Time Is It?(1982) — グループとしての完成度が高まり、ダンサブルなトラックが揃う。「777-9311」などが知られる。
- Ice Cream Castle(1984) — 映画『Purple Rain』効果もあり知名度が上昇。代表曲「Jungle Love」「The Bird」など、よりポップな成功を収めた。
- Pandemonium(1990) — 再結成期のアルバム。1990年代になっても通用するファンク・ポップを提示し、「Jerk Out」などのヒットを生む。
ライブパフォーマンスとステージングの魅力
The Timeは「ショー」としての完成度が高いバンドです。Morris Dayのアイコン的な振る舞い(サングラス、シルクのスーツ、マイク前でのコミカルなやり取り)や、Jerome Bentonらの小芝居、ダンス・チーム的なコーラス&振り付けが観客を大いに盛り上げます。技術的にはタイトな演奏を保ちつつ、演出で観客との距離を縮めるスタイルが最大の魅力です。
The Timeが音楽業界に与えた影響
- ミネアポリス・サウンドを象徴する存在として、プリンス周辺の音楽文化を代表した。
- Jimmy Jam & Terry Lewisのプロデューサー転身は、80〜90年代のR&B/ポップの音像を大きく変え、多くのアーティストに影響を与えた。
- ステージでのキャラクター演出(パフォーマー性)をポップ/R&Bに取り入れる先駆けの一つとなり、以降のR&Bショーにも影響。
- 楽曲やフレーズは後の世代にサンプリングされるなど、ファンク/ポップの文脈で長く参照されている。
聴くときのポイント(注目すべき聴取ポイント)
- リズムの“ポケット”感:ベースとドラムのタイミングに耳を向け、グルーヴの密度を味わう。
- シンセの音色とアレンジ:80年代的な音作りが楽曲のカラーを決めているため、シンセの使われ方に注目する。
- ボーカルのキャラクター:Morris Dayのクールな歌い回しやコーラスとの掛け合いで曲の表情が作られる。
- ステージ演出を想像しながら聴く:音だけでなく彼らの“物語性”が曲の魅力を増幅する。
解散・再結成とその後
1980年代半ば、一部のメンバーがプロデューサー業に専念することなどで一度活動は途絶えますが、1990年のアルバム『Pandemonium』の時期に再結成。以降は断続的にライブ活動やツアーを行い、Morris Dayを中心に名称を継承したかたちで活動が続いています。映画『Purple Rain』への出演はバンドの露出を一気に高め、ポップ・カルチャーでの存在感を強めました。
おすすめの聴きどころトラック
- Jungle Love — ライブでの盛り上がり必至の代表曲。掛け合いとフックが強烈。
- The Bird — ファンキーで躍動感のあるリズムが印象的。
- 777-9311 — シンセとビートの組み合わせが光るダンサブルなナンバー。
- Gigolos Get Lonely Too — ソウルフルな面を堪能できるバラード寄りの一曲。
- Jerk Out — 再結成期のヒットで、90年代にも通じるエッセンスを持つ。
まとめ
The Timeは、単なる「プリンス周辺のバンド」を超え、80年代ファンク/R&Bの一端を担った存在です。タイトな演奏、キャラクターを立てたステージング、そして名曲群は今も色褪せておらず、ミネアポリス・サウンドや現代のR&B/ポップに興味があるリスナーにはぜひチェックしてほしいアーティストです。
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参考文献
- The Time - Wikipedia (English)
- The Time Biography — AllMusic
- The Time — Discogs
- The Time — Prince Vault
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