KISSの名盤を徹底解説:初心者からコアファンまで聴くべきアルバムと聴き方

はじめに

KISSは1970年代から派手なメイク、劇的なステージパフォーマンスでロックのイメージを象徴してきたバンドです。本コラムでは、KISSのレコード(アルバム)を中心に、「この1枚を聴いてほしい」という観点で代表作・名盤を厳選して紹介します。各アルバムの背景、聴きどころ、代表曲を明確に示し、初めてKISSに触れる人からコアなファンまで役立つガイドを目指します。

KISS(1974)

デビュー作。シンプルでキャッチーなロック・ナンバーが並び、バンドの基礎となるスタイルが確立された一枚です。後のステージ演出やイメージの原型が、この時点で既に見て取れます。

  • 聴きどころ:シンプルで勢いある演奏、ポップなメロディとフック
  • 代表曲:「Strutter」「Deuce」「Cold Gin」

Hotter Than Hell(1974)

デビュー直後にリリースされた2作目。よりダークで重厚なサウンドを追求したアルバムで、スタジオ録音の実験的要素も感じられます。ライブで映える曲も多く、初期KISSの荒々しさが楽しめます。

  • 聴きどころ:ギターリフとリズムの強調、ステージ向けのエネルギー
  • 代表曲:「Got To Choose」「Parasite」

Dressed to Kill(1975)

3作目。メロディの明快さやシングル志向の楽曲が増え、商業的にも成功を収めた作品です。アルバムとしての完成度が高まり、KISSの人気をさらに押し上げました。

  • 聴きどころ:端的なロックンロール曲が多く、短時間で強い印象を残す構成
  • 代表曲:「Rock and Roll All Nite」

Alive!(1975)

KISSを一気にトップバンドへ押し上げたライヴアルバム。スタジオ作品とは別のエネルギーを持つライヴ音源で、ステージでの迫力や観客との一体感がそのまま伝わります。KISSを語るうえで外せない一枚です。

  • 聴きどころ:熱狂的なライヴ・パフォーマンスの臨場感、アンセム的な曲の強さ
  • 代表曲(ライヴでの定番含む):「Rock and Roll All Nite(Live)」「Deuce(Live)」

Destroyer(1976)

プロデューサーにボブ・エズリンを迎え、アレンジやサウンド面で大きく飛躍した重要作。オーケストレーションやコーラスを取り入れた壮大な楽曲群と、KISSのポップセンスが融合した名盤です。

  • 聴きどころ:劇的なアレンジ、メロディの強さ、アルバムとしてのドラマ性
  • 代表曲:「Detroit Rock City」「Beth」「Shout It Out Loud」

Rock and Roll Over(1976)

Destroyerの流れを受けつつ、よりストレートなロックンロール回帰を見せた作品。勢いとキャッチーさを重視した良質な楽曲が揃っており、ライブ・アンセムが多数あります。

  • 聴きどころ:テンポ感とリフのキレ、聴きやすいフック
  • 代表曲:「Hard Luck Woman」「Calling Dr. Love」

Love Gun(1977)

バンドの黄金期を象徴するアルバムのひとつで、メンバーそれぞれの個性が前面に出た楽曲が並びます。ライブでも人気の高い曲が多く、ロックの王道を行く充実作です。

  • 聴きどころ:メンバー各自のソロ曲の個性、シングル級の楽曲の揃い
  • 代表曲:「Love Gun」「Christine Sixteen」

Dynasty(1979)

ディスコ的なアレンジを導入した作品で、賛否分かれる実験作でもあります。ポップさとダンサブルなアプローチが目立ち、KISSの多面性を示したアルバムです。代表曲の「I Was Made For Lovin' You」は世代を超えて知られています。

  • 聴きどころ:ディスコ要素とロックの融合、キャッチーなメロディ
  • 代表曲:「I Was Made For Lovin' You」「Sure Know Something」

Music from "The Elder"(1981)

コンセプトアルバムとして制作された野心作。従来のKISS像を大きく外れる作品で、リリース当初はファン・評論家ともに評価が分かれましたが、現在ではカルト的な支持を受ける異色作です。ドラマ性や叙事詩的な構成を求めるリスナーにおすすめ。

  • 聴きどころ:ストーリーテリング志向の楽曲、実験的アレンジ
  • 代表曲:「The Oath」「I」

Creatures of the Night(1982)

80年代初頭のKISSの“原点回帰”的作品で、ヘヴィなギターサウンドと力強いボーカルが特徴。バンドの重厚路線を打ち出した一枚で、ハードロック寄りのファンに特に評価されています。

  • 聴きどころ:攻撃的なギターサウンド、シャープなリズム
  • 代表曲:「Creatures of the Night」「War Machine」

Lick It Up(1983)

メイクをやめた“アンメイク期”の象徴的アルバムで、KISSのビジュアル刷新と共に音楽的にも新たなスタートを切った作品。ポップ寄りの曲からヘヴィなナンバーまで幅があります。

  • 聴きどころ:メタル/ハードロック色の強化、ステージイメージの変化
  • 代表曲:「Lick It Up」「All Hell's Breakin' Loose」

Psycho Circus(1998)

オリジナルメンバー再結集をうたったアルバムで、90年代後半のKISSの“再興”を象徴する作品。プロダクションは現代的ながら、クラシックKISSの要素を多く残しています。

  • 聴きどころ:往年のKISS風味と近代的サウンドの融合、再結集の象徴性
  • 代表曲:「Psycho Circus」「I Finally Found My Way」

Sonic Boom(2009) / Monster(2012)

比較的近年のスタジオ作ながら、原点回帰を意識したギター主導のロック・アルバム。往年のファンへのオマージュを感じられる内容で、ライブでしっかり映える楽曲が多いのが特徴です。

  • 聴きどころ:クラシックKISSへの回帰、曲作りの安定感
  • 代表曲(各作より):「Modern Day Delilah(Sonic Boom)」「Hell or Hallelujah(Monster)」

どのアルバムから聴くべきか(目的別ガイド)

  • 入門:Alive! — ライブの熱量で一気にKISSの魅力を理解できます。
  • バンドの成長を追う:KISS → Dressed to Kill → Destroyer と年代順に聴くと変化が分かりやすいです。
  • 実験作・異色作を楽しみたい:Music from "The Elder" や Dynasty
  • ヘヴィ路線が好きなら:Creatures of the Night
  • 再結集や近年作を聴きたい:Psycho Circus、Sonic Boom、Monster

アルバムごとの楽しみ方のヒント

  • 初期(1974–1977):シンプルかつストレートなロックを楽しむ。リフとコーラスの強さが魅力。
  • 中期(1979–1983):作風の幅が広がる時期。ポップス的な実験やコンセプト作品にも注目。
  • 復活以降:往年のスタイルへの回帰やメンバー再集結による「らしさ」の再確認がポイント。

まとめ

KISSは「ショー」と「楽曲」の両方で成立しているバンドです。スタジオで練り上げられた名曲群と、ライヴでの圧倒的なパフォーマンスの両面から楽しめるのが魅力。今回紹介したアルバム群は、それぞれ違った顔を見せるので、目的に合わせて手を伸ばしてみてください。まずはAlive!やDestroyerあたりから聴くと、KISSの魅力を効率よく掴めるはずです。

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参考文献