Blood, Sweat & Tearsのおすすめレコードを深掘り解説—BST初期〜後期の名盤と聴きどころ・選び方ガイド

Sweat & Tears(Blood, Sweat & Tears)おすすめレコード 深掘りコラム

ここでは「Sweat & Tears」(多くの場合は Blood, Sweat & Tears として知られるバンド)を対象に、アルバム単位でおすすめ盤を厳選して深掘りします。バンドの歴史や代表曲に触れつつ、各レコードの聴きどころ、採るに値する理由、コレクション視点での選び方を解説します(再生・保管・メンテナンスに関する一般論は含めません)。

バンド概略(要点)

Blood, Sweat & Tears(以下 BST)は、1960年代末にアメリカで台頭したジャズ、ロック、ソウルを融合した編成派バンドです。初期はアル・クーパーを中心としたジャズ志向が強く、その後デイヴィッド・クレイトン=トーマス加入でポップ/ロック寄りの大ヒット路線へと変化しました。最大の特徴はロック編成に本格的なホーン・セクションを取り入れたことにより生まれる、ブラスのアレンジとロック的ダイナミズムの融合です。

おすすめレコード(厳選4枚 + 入門コンピ)

1. Child Is Father to the Man(1968) — 初期アル・クーパー期の名盤

  • なぜ聴くべきか:BSTの初期理念とジャズ/ブルースへの傾倒が色濃く出た作品。アル・クーパーのオルガンや作曲性、ホーンのジャズ的なアプローチを楽しめます。バンドの“もう一つの顔”を知る上で必須。

  • 聴きどころ:緊張感あるアンサンブル、即興的な色合いが残るアレンジ、ブルース系ナンバーの説得力。

  • コレクション視点:オリジナル・プレスは熱気が濃い音作りなので、当時の雰囲気を重視するなら一考。

2. Blood, Sweat & Tears(セルフタイトル) — ブレイクした名盤

  • なぜ聴くべきか:デイヴィッド・クレイトン=トーマス加入後に完成した、バンド史上最も広く知られる作品群を代表するアルバム。ホーンをメロディやカウンターに用い、ポップスとしての完成度も高めた一枚です。

  • 聴きどころ:力強いボーカルと緻密なブラスアレンジの対比。ポップ/ロックのヒット曲群とジャズ的テイストの絶妙なバランス。

  • コレクション視点:このアルバムがBSTの“顔”になったため、初期の人気盤。音像の好みでオリジナル・ステレオ盤かリマスターを選ぶと良いでしょう。

3. Blood, Sweat & Tears 3 — バンド成熟期の作品

  • なぜ聴くべきか:セルフタイトルでの成功を受けて、よりアレンジや演奏の精度が高まった時期のアルバム。バンドの商業的な面と演奏的な面が折り合った作品群が聴けます。

  • 聴きどころ:ホーンのアンサンブル/ソロ使い、スタジオ上での凝ったアレンジ、ポップとジャズの橋渡しをする曲構成。

  • コレクション視点:3作目以降は編成・作風の変化が目まぐるしいため、好きな時期(ジャズ寄りかポップ寄りか)に応じて選ぶのが吉。

4. (おすすめの一枚)後期作やライブ盤を抑える

  • なぜ聴くべきか:BSTは時期によってメンバーや方向性が大きく変わります。初期・中期の名作で興味が湧いたら、ライブ盤や後期スタジオ作でのアレンジ展開や演奏の推移も追ってみると面白いです。

  • 聴きどころ:ライブでのホーンの迫力、曲のリアレンジ、各時期メンバーのソロ表现。

入門コンピ:Greatest Hits / ベスト盤

  • なぜ聴くべきか:代表曲をまとめて聴けるため、まずはバンドの“顔”を短時間で把握したい人に最適。ベスト盤で気に入った曲を出発点に各アルバムへ掘り下げていくと効率的です。

  • コレクション視点:編集・リマスタリングの違いで音質が大きく変わることがあるため、信頼できるリマスターや公式コンピを選ぶのがおすすめです。

聴きどころの深掘り(アレンジ/演奏面)

  • ホーンの使い方:BSTの“核”はホーン・アレンジです。ブラスを単なる装飾に留めず、メロディ、カウンターライン、リズムのアクセントとして多層的に配置します。これがロックのビート感と合わさることで独特の推進力を生みます。

  • ヴォーカルと表現の幅:デイヴィッド・クレイトン=トーマスのソウルフルな歌唱は、ジャズ的な複雑さを大衆的な説得力へ変換します。一方、アル・クーパー期はやや冷静でジャズ寄りの語り口があり、対照が面白い。

  • アレンジの“緊張と緩和”:曲内でのセクションの切り替え、ブラスの突入・カットの仕方、ソロ展開のタイミングなど、劇的な効果を重ねることで短時間でも濃密なドラマ性を作ります。

  • カバー曲の再解釈力:BSTは既存のソングライティングを大胆に書き換え、自分たちの色に染め上げる手腕があるため、カバー曲を聴くと彼らのスタイルがわかりやすいです。

コレクション/選び方のポイント

  • 「どのBSTが好きか」を先に決める:アル・クーパー期(ジャズ寄り)か、クレイトン=トーマス期(ポップ寄り)かで狙うレコードが変わります。

  • エディションの選択:オリジナル・プレスは当時の雰囲気が強く出ますが、近年の優れたリマスターは音の輪郭やレンジが改善されることが多いです。何を重視するかで選びましょう。

  • ライナーノーツ/クレジットにも注目:アレンジ担当やスタジオ情報、ゲストの記載から当時の制作背景や編成の変化を読み解けます。

  • ライブ盤とスタジオ盤の使い分け:スタジオ盤はアレンジの完成形、ライブ盤は演奏のエネルギーと即興性を楽しめます。双方を聴くとバンド像が立体的になります。

まとめ:BSTを深く楽しむために

Blood, Sweat & Tears は「ジャズの教養」と「ロックの直感」を同居させた稀有なバンドです。まずはセルフタイトル盤とアル・クーパー期の『Child Is Father to the Man』を聴き比べ、どちらの側面に惹かれるかでその先の掘り下げ方が変わります。ホーン・アレンジの細部、ヴォーカルの色、曲の構造的なドラマ性に注目して聴くと、新たな発見が多いでしょう。

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参考文献