The Millennium「Begin」徹底解説:サンシャイン・ポップとバロック・ポップを結ぶ緻密サウンドの名盤
The Millenniumとは:短くも濃密な“サンシャイン/バロック・ポップ”の奇跡
The Millenniumは1960年代後半、ロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャン/ソングライターたちを中核に結成されたプロジェクト/バンドで、プロデュース/アレンジ面でCurt Boettcher(Curt Boettcher)を中心にした濃密なコーラスワークと絢爛なアレンジで知られます。リリース自体は非常に少ないものの、彼らの残した音楽は“サンシャイン・ポップ”や“バロック・ポップ”“サイケデリック・ポップ”の重要作として現在でも再評価されています。
代表作・必携レコード:Begin(1968)――まずはこれを手に入れよ
- Begin(オリジナル・スタジオ・アルバム)
The Millenniumを語る上で外せない一枚。豊かな多重コーラス、緻密なストリングスとホーン・アレンジ、スタジオ・マジック的なサウンド・プロダクションが詰め込まれており、ポップ/サイケ/室内楽的要素が独特のバランスで同居しています。メロディの美しさ、ハーモニーの精度、レコーディングの雄弁さ──これらが詰まった“名盤”です。
聴きどころ:冒頭からのコーラス・アンサンブル、曲ごとに変化するアレンジの工夫、Curt Boettcherらしい温度のあるリード・ボーカルと層を成すコーラス。
なぜおすすめか:The Millenniumの音楽性が最も凝縮されている「一枚で理解できる」作品であり、コレクターズ市場でも評価が高い名盤。オリジナル盤は希少ですが、音質にこだわるなら初期プレス(オリジナルのステレオ/モノ盤の状態を確認)を、予算や再生環境の都合があるならリマスター再発盤で十分に楽しめます。
関連・補完的に聴くべき作品(メンバーのソロ/派生作)
The Millennium自体のリリースが少ないため、メンバー個々の仕事を聴くことで楽曲やサウンド・メイキングの背景がよく分かります。特にCurt Boettcherにまつわるプロジェクトや、Sandy SalisburyやLee Malloryらのソロ/関連作は、同時代のポップ制作の手法や歌心を補強してくれます。
レコード(盤)選びのポイント(購入ガイド)
- オリジナル盤 vs 再発盤
オリジナル・プレス(ファースト・プレス)はコレクター価値が高く、ジャケットや印刷、マトリクス刻印を確認すれば真贋判断の助けになります。ただし、経年による盤質劣化があるため音質重視なら評価の高いリマスター再発(公式リイシュー)を検討するのが現実的です。
- ジャケット状態と付属物の確認
オリジナルのインナーや当時のステッカー、ライナーが残っているかで価値が変わります。購入前に写真や詳細説明をチェックしましょう。
- 盤の音質確認
通販で購入する場合は出品者の試聴評価(ノイズ、スクラッチの有無)を必ず確認。再生環境の都合でリマスターCDや配信で先にチェックするのも有効です。
- 版の見分け方(ざっくり)
オリジナル盤はラベルのデザインやカタログ番号、マトリクス刻印が重要。出品説明にない場合は出品者に問い合わせて確認を取りましょう。
音楽的・歴史的な位置づけ:なぜ“名盤”と呼ばれるのか
The Millenniumの「Begin」は、派手さではなく“緻密さ”と“音楽的信念”で評価されます。スタジオ技術を駆使した多重録音、ポップソングの構成美、そして時にフォーク的な素朴さが混じるボーカル表現──これらが、当時の他のポップ/サイケ作品とは別の魅力を作り出しました。商業的な成功は限定的でしたが、その希少性も相まって後年に再評価され、レコード趣味・音楽史の観点から「発掘された名盤」として扱われています。
聴き方の提案(アルバムを深く味わうために)
- 楽曲ごとのアレンジ変化に注目する:ストリングスやホーン、コーラスの重なり方を比較すると録音やミックスの工夫がよく分かります。
- ボーカル・ハーモニーを分離して聴く:リードを追いつつ、コーラス全体の動きに耳を傾けると曲の構造美が見えてきます。
- メンバーのソロ仕事と照らし合わせる:個々の声質や作風がどのようにバンド・サウンドに溶け込んでいるかを知ると深みが増します。
入手先のヒント
- 国内外の中古レコード店、オンラインのマーケットプレイス(出品写真と説明を要確認)
- 公式リイシューや帯付きの国内盤CD(再発盤は比較的入手しやすい)
- 配信プラットフォームでまずは聴いて気に入ったら盤で探す、という手順もおすすめです
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参考文献
- The Millennium (band) — Wikipedia
- Begin (The Millennium album) — Wikipedia
- DiscogsでのThe Millennium 検索結果
- AllMusicでのThe Millennium 検索結果


