Chad & JeremyのLP大全:60年代英国フォークポップの名盤をレコードで聴く完全ガイド
序文 — Chad & Jeremyとは
Chad Stuart と Jeremy Clyde のデュオ、Chad & Jeremy は1960年代に英国で生まれたフォーク・ポップ/バロック・ポップ系のデュオです。繊細なアコースティック・ギター、やわらかいコーラス、室内楽的な弦や管のアレンジを組み合わせたサウンドで、イギリスの「ソフト・インヴェイジョン」とも言える独特の存在感を示しました。本コラムでは、初期の名曲から深掘り向けのアルバム、ヴァリエーションの聴きどころまで、レコード(LP)で楽しむべきおすすめ作品をピックアップして解説します。
おすすめポイントのガイドライン
- 代表曲の収録/シングル曲が聴けるオリジナルLP
- アレンジやプロダクションの特色が分かる作品
- 後期作やレア曲で彼らの音楽的成長が感じられるアルバム
- コレクター向けにはオリジナル・プレスやモノ・ミックスに注目
1) Yesterday's Gone(初期代表作をまとめて聴く)
おすすめ理由:デビュー期の魅力がまとまっており、「Yesterday's Gone」「A Summer Song」など初期の名曲群の空気感を知るには最適です。軽やかなギターとハーモニー主体の曲が中心で、英国らしい抑制の効いた哀愁とアメリカでのポップ性がバランスよく混在しています。
- 聴きどころ:シンプルなアレンジにおけるボーカルの呼吸感、ストリングスが入り始める曲での音の馴染み方。
- レコードで探すなら:オリジナル・プレス(UK/USで仕様が異なることが多い)を狙うと、当時のミックス感がダイレクトに楽しめます。
2) Chad & Jeremy Sing for You(メロウな名曲集)
おすすめ理由:より洗練されたポップ・バラッドが増え、アレンジやプロダクション面でも幅が出てくる時期の作品。ゆったりしたテンポの名曲が並び、部屋の照明を落として聴きたくなる“ホームリスニング”向けの一枚です。
- 聴きどころ:コーラスの層とバックのストリングス/管楽器のバランス、曲ごとの雰囲気作り。
- 盤選びのコツ:曲間の収録順やフェードの仕方がエディションで異なる場合があるので、好きな曲の収録バージョン(シングル・ヴァージョン vs LPミックス)をチェックしましょう。
3) Distant Shores(アレンジの広がりを感じる中期作)
おすすめ理由:フォーク寄りの原点から一歩進んで、アレンジの幅が広がった作品です。ポップな側面だけでなく、室内楽的・映画音楽的な色味を取り入れた楽曲が増え、アルバム全体のまとまりが良くなります。
- 聴きどころ:曲ごとのアンサンブルや、ヴォーカルのアダルトさが深まる瞬間。アルバム全体でのムードチェンジを楽しめます。
- 盤選びのコツ:ステレオとモノのミックスで楽器の定位や存在感がかなり変わるため、好みのサウンドに合わせて選ぶと満足度が上がります。
4) Before and After(シングル以外の良曲に触れる)
おすすめ理由:シングル曲以外にも味わい深いアルバム曲が多く、コアなファンや深掘りリスナーに向いた内容。歌詞の語り口や曲構成に成熟感が出てくる一枚です。
- 聴きどころ:アルバム曲に見られるレトロなハーモニーの使い方や、コーラスワークの積み重ね。
- 盤選びのコツ:輸入盤や国内盤で曲順やボーナス収録が異なることがあるため、どの版に何が入っているか確認すると良いです。
5) ベスト/編集盤(入門〜コレクション用)
おすすめ理由:代表曲を一枚で手軽に聴きたい、あるいは名曲の異なるテイク(シングル・モノmixなど)を集めたい場合は、良質な編集盤やベスト盤が便利です。初めてレコードで彼らを聴く人への導入にも最適。
- 聴きどころ:シングル・ヒットのオリジナル・ミックスや、編集盤だけに収録されたレアトラックが含まれることがあります。
- 盤選びのコツ:コンパイルの内容(モノ/ステレオ、シングルテイクの収録有無)を確認。オリジナル・アルバムとは別の魅力があります。
選び方の実践アドバイス(購入前に確認すべき点)
- オリジナル盤 vs 再発盤:オリジナルなら当時のミックスと音色、再発盤はリマスターで現代的に聴きやすい場合あり。どちらの“時代感”を重視するかで選ぶ。
- モノラル/ステレオ:60年代前半の作品はモノミックスが正規扱いの場合があり、ステレオとはミックスが異なります。歌やギターの定位感が変わるので好みで選ぶ。
- 収録曲差異:US盤とUK盤で収録曲が異なることが多いので、手に入れたい曲が確実に入っている版を確認する。
- 盤の状態情報:中古レコードを買う場合、盤質(VG+/NMなど)とジャケット状態、帯やインナーの有無を確認しましょう。
深掘りポイント — 聴き方の提案
- 歌詞の世界観を追う:都会的な哀愁や季節感、日常の儚さが歌詞に頻出するので、歌詞カード(ある版には付属)を見ながら聴くと新たな発見があります。
- アレンジの変化を比較:シングルのモノ・ミックスとLPステレオを並べて聴き、どの楽器が前に出るか、どのようにリバーブが使われているかを比べてみてください。
- デュオのヴォーカル習熟度:初期は若々しいコール&レスポンス的な掛け合いが目立ち、中期以降はハーモニーの厚みや表情が増します。時期ごとの“声の成熟”を追うのも面白いです。
コレクター的注目点
- プロモ盤やカナダ盤、オーストラリア盤などの地方盤はジャケットやマトリクスの違いがあり、コレクターズ・バリューを持つことがあります。
- 初期シングルのオリジナル・ステレオ/モノのテイク差や、編集盤にしか入っていないテイクは要チェック。
- 帯・ライナーなどの付属物が残っているかで価格差が出ることが多いです。
まとめ
Chad & Jeremy は、派手さではなく「細やかな表現」と「抑えた美メロ」で聴き手に深い余韻を残すアーティストです。まずは代表曲を含むオリジナル期のLPか良質な編集盤を入手して全体像を掴み、その後で中期〜後期アルバムやレア盤に手を伸ばすと、彼らの音楽的な奥行きを段階的に楽しめます。レコードならではのミックス差やエディション差も大きな魅力なので、聴き比べもおすすめです。
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参考文献
- Chad & Jeremy - Wikipedia
- AllMusic検索: Chad & Jeremy
- Discogs検索: Chad & Jeremy(ディスコグラフィ/エディション確認に便利)
- Chad & Jeremy 公式サイト(アーティスト情報)


