Strawbsの名盤を時代順に徹底解説|フォーク、電化、プログレへと広がる聴き方とおすすめアルバム特集

はじめに — Strawbsというバンドをどう聴くか

Strawbs(ストローブス)は、60年代の英国フォークから出発し、70年代にはフォーク・ロック、さらにはプログレッシブ/アートロックへと音楽性を広げたバンドです。中心人物はシンガー・ソングライターのデイヴ・カズンズ(Dave Cousins)で、メンバーの変遷や外部ミュージシャンの参加によって作品ごとに色合いが大きく変わるのが魅力です。本稿では「まずこれを聴いてほしい」と言えるおすすめレコードを時代順に深掘りし、各作品の聴きどころや楽しみ方を解説します。

1. All Our Own Work(録音1967/発売1973)

ポイント:初期フォーク路線、サンディ・デニーとの共演音源(当初は未発表だったが後年リリース)。

  • 代表曲/聴きどころ:素朴で親密なアコースティック・サウンド。デイヴ・カズンズの初期作風と、サンディ・デニーのハーモニー/存在感が印象的。
  • なぜ聴くべきか:Strawbsの原点を知るための重要資料。後の電化や大編成アレンジに至る前の「素体」を感じられる。
  • おすすめの聴き方:アコースティック楽器と歌詞の細部に注目し、後期作品との対比を楽しむと理解が深まる。

2. Dragonfly(1970)

ポイント:フォークから電化フォークへと移行し始める作品。アレンジに幅が出てくる過程が聴き取れる。

  • 代表曲/聴きどころ:メロディの浮遊感と時に鳴るピアノやオルガンのアクセント。曲ごとに編成やテンポ感が変わり、バンドの多面性が見える。
  • なぜ聴くべきか:Strawbsが伝統的英国フォークの語法を残しつつロックの要素を取り込んでいく「橋渡し」的な一枚。
  • おすすめの聴き方:曲の構造(アコースティック→電化への展開)を追い、どの瞬間に「ロックの匂い」が加わるかを確かめる。

3. Just a Collection of Antiques and Curios(1970/ライヴ)

ポイント:アコースティック中心のライブ盤。初期Strawbsの即興性と楽器編成の魅力が詰まっています。

  • 代表曲/聴きどころ:スタジオ録音では聴けない自由な演奏と、観客との距離感。楽器間の掛け合い、声のニュアンスが生きている。
  • なぜ聴くべきか:バンドの演奏力とライブでの説得力を知るのに最適。スタジオ作品との温度差からバンドの強みが見える。
  • おすすめの聴き方:ヘッドフォンで個々の楽器やハーモニーを追い、ライブならではの即興的な瞬間を楽しむ。

4. From the Witchwood(1971)

ポイント:アンサンブルの厚みが増し、フォーク的な詩情とロック的な色彩が高い完成度で融合した作品。

  • 代表曲/聴きどころ:メランコリックな旋律と緻密なアレンジ。曲ごとに異なるムードを持ち、アルバムとしてのまとまりがある。
  • なぜ聴くべきか:Strawbsの「歌もの」と「アレンジ力」が両立した傑作群のひとつ。フォーク的な語り口を残しつつドラマ性が増している。
  • おすすめの聴き方:歌詞の物語性とインストの細部(弦楽器、鍵盤の使い分け)を対比させながら聴くと発見が多い。

5. Grave New World(1972)

ポイント:作曲・編曲の野心が顕著になった一枚。ストリングスや合唱を用いた大きなスケール感が特徴。

  • 代表曲/聴きどころ:劇的な展開、コンセプチュアルな側面。フォーク出身ながらシンフォニックな志向が強まっている。
  • なぜ聴くべきか:Strawbsがより「アルバム志向」になった時期の代表作で、後のプログレ寄りの作品につながる端緒が見られる。
  • おすすめの聴き方:曲の起伏や編曲の重層性に注目し、1曲ごとのドラマ性を楽しむ。

6. Bursting at the Seams(1973)

ポイント:ポップセンスとバンド・サウンドのまとまりが高く、シングル寄りの良曲が並ぶアルバム。

  • 代表曲/聴きどころ:メロディのキャッチーさ、コーラスワーク、リズム隊のタイトさ。バンドとしての「ヒット性」が顕著。
  • なぜ聴くべきか:ストローブスの多面性(アート志向とポップ志向)がバランスよく出た時期の好例で、入門盤としても親しみやすい。
  • おすすめの聴き方:ボーカル・メロディとコーラスのフックを中心に、曲ごとの色合い(カントリー的、ロック的など)を比較する。

7. Hero and Heroine(1974)

ポイント:よりプログレッシブな編曲とドラマティックな曲構成が突出した作品。力強い楽曲群が並ぶ。

  • 代表曲/聴きどころ:複雑な構成、時に暗めのムード、キーボードとギターの抑揚が印象的。
  • なぜ聴くべきか:Strawbsがプログレの要素を取り入れながらも「歌」を中心に据えた稀有な作例。聴き応えがあり、ファンに人気が高い。
  • おすすめの聴き方:曲の構造的な変化(パートA→B→C)を追い、歌の物語と楽器の役割の変化を感じ取る。

8. Ghosts(1975)

ポイント:メランコリックで詩的な色合いが強まり、コンセプト性を帯びた作品。音響的にも室内楽的な要素が増えている。

  • 代表曲/聴きどころ:タイトル曲群に見られる陰影、静と動のコントラスト。歌詞の内省性が深い。
  • なぜ聴くべきか:前作のプログレ志向からさらに発展し、成熟したストーリーテリングが楽しめる。「聴き手を選ぶ良作」でもある。
  • おすすめの聴き方:アルバム全体を通して一気に聴くのが効果的。曲間の空気感とテーマの反復に注目する。

作品を楽しむためのコツ(音楽的視点)

  • 時代ごとの編成を意識する:初期のフォーク編成、70年代初頭の電化、プログレ期の大編成—それぞれで注目すべき楽器やアレンジが異なります。
  • 歌詞と物語性を追う:デイヴ・カズンズの作詞は物語性や内省が強いので、歌詞カードや歌詞表示を見ながら聴くと深みが増します。
  • メンバーやゲストの貢献を探す:キーボードやストリングスなど、誰がどの楽器で色を付けているかを意識すると聴きどころが分かります(ライナーノート参照が吉)。
  • スタジオ盤とライヴの比較:ライヴ盤では曲が自由に拡がることが多く、スタジオで整えられた音像との対比が面白いです。

コレクション上の選び方(音質と編集について)

オリジナル・アナログ盤にも価値がありますが、リマスターCDや高音質デジタル配信での再発も多数出ています。重要なのは「どの時期の演奏、どのミックスを聴きたいか」を基準にすること。初期マスターの温かみを求めるならオリジナル盤、音像のクリアさや追加トラックを重視するならリマスター盤や拡張盤を選ぶと良いでしょう。

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参考文献