レオン・ラッセルの名盤LP徹底ガイド|聴き方・選び方・購入のコツ

はじめに — レオン・ラッセルの魅力とは

Leon Russell(レオン・ラッセル)は、ロック、ブルース、ゴスペル、カントリー、R&B を豊かに横断するピアニスト/シンガー/ソングライターです。セッションマン、アレンジャー、プロデューサーとして多くの名盤に関わりつつ、自身のソロ作では泥臭いルーツ感と劇的なピアノ・プレイ、心に残るメロディを融合させました。本コラムでは「レコード(LP)」で聴く価値のある推奨盤を選び、各盤の聴きどころやおすすめの買い方(盤の選び方)を解説します。

入門に最適な3枚(まずはここから)

  • Leon Russell and the Shelter People

    レオンの代表作としてまず挙げたい一枚。温かなピアノとソウルフルな歌唱、そして多彩なアレンジが詰まっています。名バラード「A Song for You」は多くのアーティストにカバーされ、彼のソングライティングの懐の深さを示します。

    • 聴きどころ:ピアノを前面に据えたアレンジと、歌の表現力。「A Song for You」は必聴。
    • レコード選び:Shelter レーベルのオリジナル・プレスは音の太さが魅力。リイシューでもマスターに忠実なものを選ぶと良い。
  • Carney

    ヒット曲「Tight Rope」や名曲「This Masquerade」を収録したアルバム。よりロック色/バンド色が強く、ルーツ・ミュージックとポップな感覚のブレンドが楽しめます。ヴァラエティに富んだ編曲と個性的なボーカル表現が光ります。

    • 聴きどころ:ドラマティックなピアノ・フレーズと曲ごとの多彩なアプローチ。アルバムとしての起伏に注目。
    • レコード選び:オリジナルのUK/US盤でジャケット違いやマトリクス(刻印)をチェックするとコレクション性も高まります。
  • Will O' the Wisp

    より洗練されたソングライティングとプロダクションが特徴の中期作。シングル「Lady Blue」など、メロディの美しさが際立つ作品群で、聴き手を引き込むアンサンブルの巧さがあります。

    • 聴きどころ:ポップでありながら深みのある楽曲群。ピアノとストリングス使いのバランスに注目。
    • レコード選び:コーティングのジャケット状態も評価基準に。マスターの状態次第で音の透明感が変わります。

ジャンル別に楽しむ推奨盤

  • ルーツ/カントリー志向:Hank Wilson 名義の作品

    レオンの別名義「Hank Wilson」でのカントリー・アルバムは、彼のルーツ愛をダイレクトに感じられる作品群。カントリーの名曲をシャッフルして演る姿勢から、彼の幅広い音楽性がわかります。

    • 聴きどころ:歌心のあるフレージング、アコースティックな風合い。
    • レコード選び:カントリー盤はオリジナル・プレスや良質なリイシューを選ぶとアコースティック楽器の響きが生きます。
  • セッション色を知る:Asylum Choir 関連作(Marc Benno と共作)

    1960年代末〜70年代初頭にかけてのアート感ある実験的な側面や、レオンの多才さを示す一枚。バンド・サウンドやサイケ的アプローチが好きな人におすすめ。

    • 聴きどころ:サウンドメイキングとアレンジの遊び心。
  • 復活コラボ:The Union(with Elton John)

    2009–2010 年に発表されたエルトン・ジョンとの共作アルバム「The Union」は、晩年の再評価を決定付けた作品。レオンの歌とピアノ、エルトンの歌とピアノが互いに呼応する豪華な二人芝居です。

    • 聴きどころ:二人のピアノ/ボーカルが織りなす緊張感と温かさ。モダンなプロダクションも魅力。
    • レコード選び:近年のリリースは音圧やリマスターが良好なものが多く、状態の良い最新プレスを狙うのが無難。

アルバムごとの具体的な聴き方(ポイント)

  • ボーカルの表情を味わう:レオンは語るように歌うタイプ。中低域に厚みのある声のニュアンスを追いながら歌詞に注目してください。

  • ピアノの役割に注目:ソロ・ピアノ的なフレーズ、オーケストラ風のアレンジの中でのピアノの位置付けを聴き分けると、曲ごとのアプローチの違いが見えます。

  • カバー曲とオリジナルの対比:彼のアルバムにはカバーや他アーティストとの関係曲が多いので、オリジナルと比較して歌い回しやアレンジの違いを楽しむと味わいが深まります。

レコード購入・選び方の実践アドバイス(音質重視の視点)

  • オリジナル・プレスの魅力:初期Shelterなどのオリジナル盤は暖かみのあるアナログ感が魅力。ただし盤面の状態が重要なのでシェルリスク(キズやスクラッチ)に注意。

  • リイシューを選ぶ理由:リマスター/再プレスはノイズ処理やカッティング技術が向上していることもあるため、最新プレスの音質が良い場合も。プレス元(レーベル)やマスタリングの情報を確認しましょう。

  • エディション差の確認:ジャケットの表記(Shelter のロゴ、収録曲順、ボーナストラックの有無)やマトリクス刻印をチェックすると当該プレスの由来が分かります。

最後に — レオンを深掘りする楽しさ

Leon Russell は幅の広い音楽家で、1枚ずつ録音の文脈や編成が違います。まずは上で挙げたキラー・トラックが含まれるアルバムから入り、そこからカントリー志向の Hank Wilson や、共作者としての側面を辿ると彼の全体像が見えてきます。レコードで聴くと、その演奏の息づかいや空気感がより際立つため、ぜひ気に入ったアルバムはオリジナル盤とリイシューの両方を聴き比べてみてください。

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参考文献