John Prine 名盤を深掘りする完全ガイド|初心者向けおすすめアルバム3選と聴き方・コレクション術
John Prine — おすすめレコード深掘りコラム
John Prine(ジョン・プライン)は、シンプルなフォーク/カントリーの枠を超えた名手的ソングライターです。日常の細部を拾い上げる視点、鋭いユーモアと深い哀感の同居、そして人間を丸ごと見つめる温かさが彼の楽曲の核にあります。本稿では、レコード(アルバム)単位で「聴くべき理由」「注目ポイント」「代表曲」をピンポイントで解説し、Prine入門やコレクション構築の参考になるよう深掘りしていきます。
入門としてまず押さえたい3枚
- John Prine(1971)
デビュー作にして名盤。Prineの作家性が最も純度高く現れている一枚です。ストーリーテリングと直球の感情が混ざり合った楽曲群は、以後の全作品の基盤になります。
- 代表曲(特に聴きたい):「Hello in There」「Sam Stone」「Angel From Montgomery」「Paradise」「Illegal Smile」
- 聴きどころ:語りかけるようなボーカル、余計な装飾を削ぎ落としたアレンジ、歌詞の情景描写。
- Diamonds in the Rough(1972)
デビュー作の延長線にありつつ、よりカントリー色・素朴さが強まる録音。ギターやバンジョーなどアコースティック楽器の温度感が増し、ライブで聴くような親密さが魅力です。
- 聴きどころ:アコースティック編成での解釈の違い、曲ごとの表情の幅(コミカルなものから胸に刺さるものまで)。
- Sweet Revenge(1973)
よりバンド形態やプロダクションを導入した試みが見られる作品群の代表。Prineの語りとメロディの両立、そしてブラックユーモアが際立ちます。
- 聴きどころ:物語性のある曲とポップな側面のバランス、歌詞の中の皮肉・風刺。
キャリアの中盤〜重要作
- Bruised Orange(1978)
1970年代後半の成熟期を示す一枚。芳醇なメロディと穏やかな哀愁が同居し、Prineの「物語る声」がより円熟して聞こえます。個々の曲での表情の幅が広く、聴きごたえがあります。
- 聴きどころ:歌詞の細部、ちょっとした言い回しの巧みさ、曲毎のアレンジの工夫。
- The Missing Years(1991)
90年代に入ってからの復活作として知られるアルバム。長いキャリアの中での再評価・再発見につながった作品で、安定した歌唱と成熟した楽曲群が聞けます。ゲストやプロダクションも豪華な面があり、幅広い層に訴えかける音作りです。
- 聴きどころ:歌詞の新たな視座、アレンジの多彩さ、キャリアを経た落ち着き。
デュエット集・晩年の名盤
- In Spite of Ourselves(1999)
女性シンガーとのデュエット集。タイトル曲「In Spite of Ourselves」はIris DeMentとの名コンビで知られ、他にも多数のゲストと暖かい会話を交わすような曲が並びます。Prineのユーモアと優しさが色濃く出たアルバムです。
- 代表曲:タイトル曲「In Spite of Ourselves」
- 聴きどころ:デュエット相手との掛け合い、異なる声質との化学反応。
- Fair & Square(2005)/The Tree of Forgiveness(2018)
キャリアの晩年に発表された安定感のある作品群。歌詞の深みと音楽性の洗練が際立ち、長年のファンだけでなく新しい世代にも届く力を持ったアルバムです。最新作群には往年のスタイルを踏襲しつつ、新しいアレンジやゲストも取り入れています。
- 聴きどころ:成熟した歌唱、人生観や回想に満ちた歌詞、現代の文脈で響く表現。
おすすめの聴き方・選び方
- まずはデビュー作「John Prine」から。歌詞中心の世界観を肌で感じてください。
- 次に「Diamonds in the Rough」「Sweet Revenge」で、アコースティックとバンド・アレンジの両方を比較するとPrineの表現幅が見えてきます。
- デュエットやゲストを楽しみたいなら「In Spite of Ourselves」。晩年の成熟を味わうなら「Fair & Square」や「The Tree of Forgiveness」へ。
- 深掘りする際は、歌詞を追いながら何度も聴くのがおすすめです。Prineは1回では拾い切れない「語りの妙」があります。
購入・コレクションの指針(盤の選び方)
初めて手に入れるなら、まずはリイシューや公式の再発盤で音を確認するのが現実的です。その後、気に入ったアルバムはオリジナル盤や良質な再プレスを探すのもコレクションの楽しみになります。ライナーノーツや収録クレジットを読むと、その作品が生まれた文脈(録音陣やゲスト、レコーディングの場所)をより深く理解できます。
John Prine の歌詞(注目すべきテーマ)
- 日常の人物描写:老い、孤独、家庭、郷愁などを等身大に描く。
- 社会的テーマ:戦争や薬物、労働者の生活といった重いテーマを個人の物語に落とし込む手腕。
- ユーモアと皮肉:シニカルになりすぎず、温かさを保ったまま笑わせる技巧。
まとめ:どの一枚を買うべきか
最初の1枚なら「John Prine(1971)」を強く推します。そこからアコースティック寄りが好きなら「Diamonds in the Rough」、物語性豊かな中期作を味わいたければ「Sweet Revenge」「Bruised Orange」、デュエットや人間関係に注目したければ「In Spite of Ourselves」へ。そして晩年の成熟を楽しみたいなら「Fair & Square」「The Tree of Forgiveness」を。Prineの魅力は「一曲ごとの物語性」にありますから、アルバム単位で通して聴き、歌詞に耳を傾けると深く刺さります。
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参考文献
- John Prine - Wikipedia
- John Prine | AllMusic
- Rolling Stone — John Prine 特集記事
- NPR — John Prine: Artist Page


