Warの名盤大全ガイド|聴き方・買い方・おすすめアルバムと中古レコードの選び方
War — 概要と魅力
Warは1969年に結成されたアメリカの多国籍ファンク/ソウル・バンドで、ロック、ラテン、ジャズ、ブルースを混ぜ合わせた独特のサウンドと、社会的メッセージを持つ歌詞で知られます。代表的なメンバーにはリー・オスカー(ハーモニカ)、ロンニー・ジョーダン(キーボード)、ハワード・E・スコット(ギター)などがいます。Eric Burdonとのコラボレーションを経て1970年代初頭から中盤にかけて一連のヒットを放ち、アメリカのみならず世界的に影響力を持ちました。
おすすめレコード 深掘りガイド
1) Eric Burdon Declares "War" (1970)
概要:Eric Burdon(ザ・フーに続くボーカリスト)とのコラボレーション作品。Warとしての出発点を示す重要作です。
- 注目曲:Spill the Wine — ドラマティックな語りとサイケデリックな雰囲気が混ざり合った代表曲。
- 聴きどころ:Burdonの声とWarのリズム隊・パーカッションが融合する瞬間。バンドの多様な音楽性(ラテン・ファンク・サイケ)が垣間見えます。
- 購入目安:コラボレーションゆえにオリジナルのアナログ盤はコレクター人気が高いです。音質的には当時のUS盤(United Artists系リリース)を優先して探すと良いでしょう。
2) All Day Music (1971)
概要:Warのサウンドが固まってきた時期のアルバム。グルーヴ志向の楽曲とジャム的な演奏が中心です。
- 注目曲:All Day Music、Slippin' into Darkness(※シングルヒット)など。長尺のインストや間奏での展開が魅力。
- 聴きどころ:パーカッションとハーモニカ、流れるようなギターが織りなす“昼間のドライヴ感”。コード進行やリズムの微妙なズレが生む温かみ。
- 購入目安:アルバム全体の空気感を楽しむならLP1枚通して聴くのがおすすめ。マスタリングの違いが出やすいのでオリジナル盤や評価の高いアナログ再発を検討してください。
3) The World Is a Ghetto (1972)
概要:Warの商業的・批評的双方でのピークに位置する名盤。アルバム単位でコンセプト性と曲ごとの完成度が高く、バンドの代表作とされます。
- 注目曲:The World Is a Ghetto(大曲の組み立て)、The Cisco Kid(キャッチーかつドライブ感のあるシングル)など。
- 聴きどころ:メロウでありながらどこか影のあるサウンド、社会的メッセージを含む歌詞。緻密なアレンジと演奏の隙のないグルーヴが特徴です。
- 購入目安:ビート感と低域の重さが魅力なので、盤質の良いオリジナルLPを推奨。CDやデジタルでもマスターによる差が出やすいのでリマスター情報は確認を。
4) Why Can't We Be Friends? (1975)
概要:1970年代中期の代表作の一つ。シングル“Low Rider”で幅広い層に認知され、バンドのアイコン的楽曲が生まれました。
- 注目曲:Low Rider(歯切れ良いリフとベースライン、ハーモニカのフレーズが象徴的)、Why Can't We Be Friends?(タイトル曲のメッセージ性)
- 聴きどころ:シンプルなリフと強烈なグルーヴの融合。ラテン色を帯びたリズムがポップに落とし込まれており、ライブでも盛り上がる曲が多いです。
- 購入目安:シングルの人気も高いのでアルバムで通して聴くとその幅が分かります。70年代後半のプレスでも良好なものがあるので、盤状態で判断を。
5) Deliver the Word (1970)
概要:初期の重要作。Warが持つジャズ/ファンク的側面と歌詞の社会性が早くも表出しています。
- 注目曲:アルバム全体に渡る統一感、バンドの演奏力が光る楽曲群。
- 聴きどころ:まだ荒削りなエネルギーと、後期に至る音楽的な基盤が見える点。初期のオリジナリティを知るうえで重要です。
- 購入目安:初期プレスは状態が命。入手時は盤面のキズやノイズ状況を確認してください(※再生・保管の具体的な方法は割愛します)。
6) コンピレーション盤(初心者向け)
概要:Warはシングルヒットが多いため、入門者には編集盤(Best Of / Greatest Hits)が効率的です。
- 注目理由:代表曲を短時間で押さえられる。アルバム単位でのテーマ性を追う前に“Low Rider”や“Spill the Wine”などを確認するのに便利。
- 購入目安:収録曲の選定とマスター(リマスター)情報をチェック。曲順やアルバムバージョン/シングルバージョンの違いにも注意を。
買い物・コレクション時のポイント(音楽的観点)
- 何を重視するかを明確に:アルバム全体の流れ/コンセプトを楽しみたいか、代表曲を高音質で聴きたいかで選ぶ盤が変わります。
- オリジナル盤の魅力:1970年代のオリジナルUSプレスはマスターテープに近い音質表現のものが多く、サウンドの“厚み”を重視するなら優先候補になります。
- 良質な再発を選ぶ手も:サードパーティのアナログ再発や高評価のリマスター盤はノイズ低減やEQの面で優れる場合もあります。どの時点のマスターを使っているかを確認しましょう。
- ライナーノーツやクレジット:当時の演奏者情報や制作背景が記載された盤は、音楽を深く理解する手がかりになります。日本盤は翻訳や解説が充実していることが多いです。
聴き方の提案
Warは「個々の楽曲のドライブ感」と「アルバムを通した空気感」の両方を楽しめるバンドです。初めて聴くなら編集盤か代表作(The World Is a Ghetto / Why Can't We Be Friends?)で主要曲を掴み、その後でAll Day MusicやDeliver the Wordのようなアルバムを通して聴くと、バンドの幅と成長が実感できます。演奏面ではリー・オスカーのハーモニカや、パーカッション群のリズムの手触りに注目すると新たな発見があります。
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