Bootsy Collinsのファンク宇宙を深掘りする必聴レコードガイド—代表作から掘り出し物・近年作まで完全解説
Bootsy Collins:ファンクの宇宙を操るベース・ヒーロー — おすすめレコード深堀コラム
Bootsy Collins(ブーツィー・コリンズ)は、ただのベーシストではなく、音楽的キャラクターと世界観を伴った“ファンクの大使”です。本コラムでは彼のキャリアの流れを簡潔に整理した上で、「はじめに押さえておきたい代表盤」から「掘り出し物」「近年の復帰作」まで、レコードで聴く価値の高いおすすめ盤をピックアップして深掘りします。レコードの再生・保管・メンテナンスの解説は割愛します。
Bootsyのキャリア概観(要点)
1960〜70年代:James Brownのバックバンド(The J.B.'s)での経験に始まり、ファンクの基礎を現場で鍛える。
1970年代中盤:George Clinton率いるParliament-Funkadelic(P-Funk)に参加し、独自のベース・サウンドとキャラクター(Bootsyとしての衣装/“Bootzilla”など)で一気に注目を集める。
1976年以降:Bootsy's Rubber Band名義でのソロ活動。派手で遊び心のあるプロダクションと極太のベースラインを武器に多数の名盤を残す。
2000年代以降:様々なアーティストとのコラボレーション、復帰作やコンピレーションを通じて世代を超えて影響を与え続ける。
おすすめレコード(必聴盤)
Stretchin' Out in Bootsy's Rubber Band(1976)
Bootsyのソロ活動の出発点で、P-Funkの空気を持ちつつ“個”としての表現を打ち出した一枚。リズムの余白や大胆なベースライン、遊びのあるコーラス・アレンジが印象的で、Bootsyサウンドの骨格がここにあります。P-Funkを聴き慣れている人にも入りやすいバランス感が魅力。
Ahh... The Name Is Bootsy, Baby!(1977)
ブーツィーのキャラクター(ユーモアとセクシーさ)が前面に出た作品群のひとつ。プロダクションは濃密で、グルーヴの太さとヴォーカル・アレンジの遊びが効いています。ソウルフルかつファンキーな側面を好むリスナーに強くおすすめ。
Bootsy? Player of the Year(1978)
商業的にも評価された時期の代表作のひとつで、シングル寄りのキャッチーさとアルバム全体の一体感を両立しています。ファンクのショーマンシップが濃く出ており、ライブでの高揚感を想起させるトラック群が揃います。
Parliament – Mothership Connection(1975)
厳密にはBootsy名義のアルバムではありませんが、彼のベースとキャラクターがP-Funkサウンドを決定付けた重要作です。BootsyがP-Funkの一翼を担っていたことを示す歴史的重要盤として、Bootsyを理解するうえで不可欠です。
Funkadelic / Parliament 複数作品(1974〜1978年期)
マニアックな曲や未発表音源を含む盤、あるいは当時のアルバム(例:Funkadelicの諸作やParliamentの後期作)は、Bootsyのベースがより実験的に鳴っているので、彼の技術とセンスの幅を知るのに向いています。アルバムごとの趣が強いため、聴き比べが楽しい領域です。
コンピレーション/ベスト選集(複数タイトル)
初めてBootsyを聴くなら、年代順に名曲を並べたベスト盤や「ベスト・オブ・Bootsy's Rubber Band」的な編集盤は入り口として有効。シングル曲やシーンに残ったキラー・グルーヴを短時間で体感できます。
World Wide Funk(2017)などの近年作
近年のアルバムでは、若手/現代アーティストとの共演や現代のプロダクションを取り込んだ作品もあり、Bootsyの“現役感”を聴ける点が魅力です。往年のファンク性と新しい音作りの接点を楽しみたいリスナーにおすすめ。
各レコードを深掘りするポイント(聴き方のヒント)
ベースの“空気感”を聴く:Bootsyの魅力はただ低音が太いだけでなく、音の抜き差し(余韻やミュート)にあります。曲の合間の“間”やリズムのルーズさにも注目してください。
コーラス/キャラクター表現を楽しむ:Bootsyは歌とキャラクター(セリフや掛け声)で世界観を作ります。メッセージ性やショーマンシップも音楽の一部として味わってください。
P-Funkとの比較:Parliament/Funkadelicでの役割とソロでの方向性の違いを比較すると、Bootsyの表現領域の広さが見えてきます。バンド・エネルギーと個人のグルーヴの差異に注目を。
リイシューやエディションに注意:オリジナル盤は音の抜けや空気感が異なる場合があります。好みでオリジナルLP、リマスターCD/配信それぞれの違いを試してみると面白いです(具体的な盤の見つけ方はDiscogsなどで確認を)。
掘り出し物・コレクター向けの視点
シングル盤や7インチは、クラブ・リリースやプロモ盤で編集/別ミックスが収録されていることがあるため、コアなファンには狙い目です。
ライブ盤や未発表集はBootsyのパフォーマンス力を知るうえで有益。特に1970年代のライブ録音は当時の熱量を感じられます。
コラボ作品(他アーティストのゲスト参加作)にも良曲が眠っているため、単一作品にこだわらず関連作を追うのが発見につながります。
まとめ
Bootsy Collinsは「ベースの魔術師」であると同時に、楽曲そのものを“見せる”エンターテイナーです。まずは代表的なソロ作品とParliament/Funkadelicの重要作を押さえ、その後でコンピやライブ、近年作へと広げていくと理解が深まります。レコードで聴くことで得られる音の温度感や演者の息遣いは格別です。ファンクのエッセンスを濃密に体感したい方に、Bootsyのレコードは強くおすすめします。
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参考文献
- Bootsy Collins — Wikipedia(英語)
- Bootsy Collins | AllMusic
- Bootsy Collins discography | Discogs
- Official Bootsy Collins


