Earth, Wind & Fireのレコード名盤ガイド—時代別おすすめアルバムと聴きどころを徹底解説
イントロダクション
Earth, Wind & Fire(以下 EWF)は、ファンク、ソウル、R&B、ジャズ、アフリカ音楽やスピリチュアルな要素を独自に融合させた1970年代〜80年代を代表するグループです。モーリス・ホワイトのプロデュースとフィリップ・ベイリーのハイノート、ヴァーディン・ホワイトのグルーヴ、そしてホーン&ストリングスの豪華なアレンジが、LPで聴くとひときわ豊かな立体感を生み出します。本稿ではレコード(アルバム)として「おすすめしたい名盤」をピックアップし、それぞれの聴きどころや背景、選びどきのポイントを深掘りします。レコードの再生・保管・メンテナンスについての解説は含めていませんのでご了承ください。
おすすめアルバム(必聴セレクション)
Open Our Eyes(1974)
EWFが“より幅広い聴衆”に届き始めた転機的作品。ファンク色とメロウなソウルが好バランスで混ざり合い、バンドのキャッチーさと音楽的深みが明確になります。
- 代表曲・聴きどころ: 「Mighty Mighty」「Kalimba Story」— カリンバ(親指ピアノ)など民族的要素の導入が見られる。
- なぜおすすめか: このアルバムでEWFの“サウンドの骨格”が確立され、後の商業的成功への橋渡しとなった作品。
That's the Way of the World(1975)
EWFの代表作にして、商業的・批評的にも大成功を収めたアルバム。映画のサウンドトラック要素もあり、アルバム全体の流れが美しく構成されています。
- 代表曲・聴きどころ: 「Shining Star」「That's the Way of the World」— ここでのドラマティックなホーンとストリングス、コーラスアレンジは圧巻。
- なぜおすすめか: バンドの「ソウルとスピリット」を象徴する1枚。チャールズ・ステッピニーのオーケストレーション的な働きが色濃く残る。
Gratitude(1975)
ライブ音源とスタジオ音源を混ぜた二枚組。ステージでの迫力とスタジオでの緻密さ、両方を楽しめる構成です。
- 代表曲・聴きどころ: ライブでの熱気ある「Reasons」や「Sing a Song」、スタジオトラックのスムースさ。
- なぜおすすめか: ライブのエネルギーを体感したい人に最適。バンドの演奏力と観客の熱狂がそのまま伝わる。
All 'n All(1977)
EWFが音楽的にも商業的にもピークを迎えた時期の代表作。世界的な要素(ラテン、アフロなど)を取り入れつつ、ポップなアレンジでまとめられています。
- 代表曲・聴きどころ: 「Fantasy」「Serpentine Fire」— メロディの美しさとコーラスの厚みが印象的。
- なぜおすすめか: アレンジの凝り方、曲ごとの色づけともに完成度が高く、EWFの“万能さ”を示す傑作。
Spirit(1976)
スピリチュアルで叙情的な側面を強調した作品。深めの歌詞世界と豊かなアレンジが特徴で、リスニング・アルバムとしても優秀です。
- 代表曲・聴きどころ: 「Getaway」など、ダンサブルかつ情感豊かな楽曲が並ぶ。
- なぜおすすめか: 商業性と芸術性のバランスが取れており、じっくり聴くと発見が多い一枚。
I Am(1979)
1979年リリースの大ヒット作。ディスコ/ダンス寄りのトラックも増え、より幅広いリスナーに届いたアルバムです。
- 代表曲・聴きどころ: 「Boogie Wonderland」(The Emotionsと共演)、「After the Love Has Gone」— バラードからダンスまで多彩。
- なぜおすすめか: 80年代のダンス・ポップとの接点が見える作品で、EWFの商業的成功を象徴する。
Faces(1980)
バンドの音楽的幅をさらに示したアルバム。各メンバーの個性が反映された楽曲群で、アルバムとしての聴き応えがあります。
- 代表曲・聴きどころ: 「Let Me Talk」「You」など、多様なテンポと編曲。
- なぜおすすめか: メンバー各自の創作性が前面に出た、バンドの“顔”が見える作品。
Raise!(1981)
「Let's Groove」を含むアルバムで、80年代初頭のポップ/ダンス感覚を強く打ち出した作品。シンセやダンスビートの導入が顕著です。
- 代表曲・聴きどころ: 「Let's Groove」— 80年代サウンドの象徴的ナンバー。
- なぜおすすめか: EWFの時代適応力を見る意味で興味深く、ダンス系の名曲が欲しい人におすすめ。
コンピレーション/ライブ盤(入門向け)
初めてEWFをレコードで聴くならベスト盤やライブ盤も有効です。代表的なヒット曲をまとめて楽しめるので、好きな曲を確認してからオリジナルアルバムに深掘りするとよいでしょう。
- 代表的なベスト: The Best of Earth, Wind & Fire, Vol. 1(1978)など。
- ライブ盤: Gratitude(上記)や、後年のライブ盤もライブ演奏の魅力を伝えます。
選ぶときのポイント(盤そのものの話)
購入の際に注目すると良いポイントを簡潔に挙げます(音質管理や針の話は除外)。
- リリース時期とレーベル:1970年代のオリジナル・コロンビア(ARC)盤は音のキャラクターが魅力的なことが多いです。
- ジャケット/ライナーノーツ:初出盤には豊富なクレジットや写真が載っていることが多く、資料価値があります。
- 盤のバリエーション:一部のアルバムは初回プレスと再発でマスタリングが異なる場合があるため、好みに応じて選ぶのも手です(「オリジナルの温かみ」か「リマスターのクリアさ」かなど)。
聴き方のガイド — アルバムごとのおすすめ順
初めてEWFをまとまって楽しむなら、次の順が入りやすいです。
- まずは名曲がまとまったベスト盤で導入。
- 次に「Open Our Eyes」→「That's the Way of the World」→「All 'n All」:バンドの成長と音の広がりを時系列で体感。
- その後「Gratitude」でライブの熱気を味わい、「I Am」「Raise!」でディスコ/ダンス寄りの側面を確認。
なぜレコードで聴く価値があるか
EWFの音楽は編成が大きく、ホーンやストリングス、パーカッション、コーラスの層が多いため、アルバム全体の流れや楽曲間の色彩変化を通して聴くと発見が多くなります。LPのA面→B面という区切りも、当時の制作意図を感じさせ、アルバムという作品の完成度をより強く実感できます。
まとめ
Earth, Wind & Fireは、単なるヒットメーカーではなく、アレンジ、プロダクション、スピリチュアルな歌詞世界、そして演奏力によって長く愛される音楽を作り上げたバンドです。まずは上で挙げたアルバム群から好みの“顔”を探し、気に入った時点でオリジナル盤や特定のプレスを探索すると、より深いコレクションの楽しみが広がります。
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参考文献
- Earth, Wind & Fire — Wikipedia
- That's the Way of the World — Wikipedia
- All 'n All — Wikipedia
- I Am (Earth, Wind & Fire album) — Wikipedia
- Earth, Wind & Fire — AllMusic(アーティスト情報)
- Earth, Wind & Fire — Discogs(ディスコグラフィ)


