キング・カーティスの歌うサックスとグルーヴ—名盤おすすめと聴き方ガイド
King Curtis(カーティス・オースリー)とは
King Curtis(本名:Curtis Ousley、1934–1971)は、テナーおよびソプラノ・サックスを自在に操ったアメリカのR&B/ソウル系サックス奏者です。ジャズ的な技巧と黒人ポピュラー音楽の粘り強いグルーヴを結びつける力量で、リーダー作だけでなく数多くのセッション(アレサ・フランクリン、ジェリー・リー・ルイス、ボブ・ディランら)でも重要な役割を果たしました。
おすすめレコード(概説と聴きどころ)
Live at Small's Paradise(1962) — King Curtis & The Kingpins
ハーレムの名物クラブSmall's Paradiseでのライヴ録音。ローカルな熱気がそのまま音に乗っており、キング・カーティスの掛け合いや観客との一体感がダイレクトに伝わる一枚です。テンポ感のあるR&Bナンバー、ブルージーなソロ、曲間のトークなど“現場の空気”が好きなリスナーに強く薦めたい盤。
聴きどころ:投げるようなフレーズと温かい音色。バンドとのコール&レスポンス、ソロの終盤でのダイナミクス変化に注目してください。
「Soul Serenade」シングル/同名収録盤(1960年代)
タイトル曲「Soul Serenade」はキング・カーティスを象徴するインストゥルメンタル・ナンバー。哀愁を帯びたメロディをサックスが歌い上げる名曲で、ソウル・インストゥルメンタルの定番となりました。リラックスした夜聴きにも向いています。
聴きどころ:メロディの歌い回し(ピッチの微妙な揺れ、ビブラート使い)が感情を引き出します。アレンジの中のストリングやオルガンの使い方にも注目。
「Memphis Soul Stew」(シングル/代表曲)
キング・カーティスの代表的なインストゥルメンタルのひとつで、"イントロで楽器を一つずつ紹介していく"という遊び心ある構成が特徴。タイトル通り“メンフィス・ソウル”の要素を凝縮したようなトラックで、ドライヴ感とグルーヴ重視の演奏が楽しめます。
聴きどころ:リズム・セクションと管楽器のリズム的応酬、そしてカーティスのフレーズがどう積み重なっていくかを聞き比べてください。
Aretha Franklin — Live at the Fillmore West(1971)
アレサ・フランクリンのライヴ盤ですが、キング・カーティスはこの公演でバンドの音楽監督を務め、リード・サックスとして大きな存在感を発揮しています。アレサのヴォーカルに寄り添い、同時に華やかなソロで場面を彩るカーティスの力量が伝わる重要な記録です。
聴きどころ:アレサとの共演での“受け渡し”――歌を支えるフレーズ、コール&レスポンス、そして決め所のソロが目白押しです。彼がバンドリーダーとしてどう曲を構築しているかも注目点。
コンピレーション/ベスト盤(The Best of King Curtis 等)
キング・カーティスのシングルやアルバム曲、ライヴ録音を横断的に聴くにはベスト盤が便利です。初めて彼に触れるなら、代表曲群をコンパクトに味わえる編集盤を入口にするのも賢い選択。
聴きどころ:同一曲のスタジオ・バージョンとライヴ・バージョンを比べると、カーティスの即興性やライブでの表現の幅がよく分かります。
セッション参加作品(アレサ以外のコラボ)
キング・カーティスは多くのセッションワークで名フレーズを残しています。具体的アルバム名を挙げると長くなりますが、ディスコグラフィ(Discogsなど)で「King Curtis」名義やクレジットを追うと、ソウル/R&Bの黄金期における多数の名演を発見できます。セッションでの彼は“曲を引き立てるプレイの名人”です。
聴きどころ:リード楽器としてではなく、アンサンブル内での役割に徹している演奏も多く、耳を凝らすと細かい装飾フレーズやアンサンブル処理の妙が聴き取れます。
深掘り:キング・カーティスの音楽的特徴と聴き方のコツ
キング・カーティスをより深く楽しむためのポイントをいくつか挙げます。
“歌う”サックス・トーン — 彼の魅力はまず音色にあります。柔らかくて人間の声に近い表現力を持ち、ブルージーで暖かいトーンが曲のメロディを“歌わせる”ことに長けています。メロディラインの呼吸やフレーズ終わりの表現(伸ばし方、ビブラート)に注目してください。
グルーヴへの帰着 — ジャズ的な即興性を持ちながら、常にR&B/ソウルのグルーヴを重視します。派手な技巧よりも“曲を動かす”ことを優先するので、バックとの時間感(スイング/バックビートとの合わせ方)を聴き取ると彼の良さが分かります。
リーダー/セッション両面の器用さ — リーダー作ではフロントに立ち、演奏の見せ場を作ります。一方セッションでは楽曲全体を支える“聴かせる控えめなプレイ”も多い。両方を聴き比べるとその幅広さが実感できます。
ライヴ録音の価値 — 特に60年代のR&Bライヴは、観客の反応やMCも含めて当時の空気感を伝えます。カーティスのエネルギーや応酬を体感したければライヴ音源は外せません。
入手・選盤のアドバイス
初めてならベスト盤や代表曲を集めたコンピで全体像を掴むのがおすすめ。その後、ライヴ盤や単独アルバムで深掘りしてください。
国内盤・輸入盤の差、リマスターの有無で音像が変わることがあるので、サックスのニュアンスを重視するなら評判の良いリマスター盤を選ぶとよいでしょう(各レーベルの再発情報を確認してください)。
セッション参加作品を探すと、意外な名演に出会えます。ディスコグラフィ参照(下記リンク)でクレジットを辿ってみてください。
まとめ
King Curtisは“歌うサックス”と“グルーヴ感”を兼ね備えたプレイヤーで、ソウル/R&Bの名演には欠かせない存在です。まずは「Live at Small's Paradise」「Soul Serenade」「Memphis Soul Stew」、そしてアレサ・フランクリンとの共演(Live at the Fillmore West)を押さえておけば、彼の魅力を立体的に味わえます。そこからコンピレーションやセッションワークを辿ると、新たな発見が見つかるはずです。
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