ジョヴァンニ・マルティネッリのおすすめレコード徹底ガイド|聴きどころと聴取順を完全解説
Giovanni Martinelli — おすすめレコード深掘りコラム
Giovanni Martinelli(ジョヴァンニ・マルティネッリ)は、20世紀前半に国際的な舞台で活躍したイタリア出身のテノール。特にメトロポリタン歌劇場での長期在籍や、プッチーニ/ヴェルディを中心としたドラマティックかつ美しいイタリアン・レパートリーで知られます。本コラムでは「どのレコードを聴けば彼の魅力を効率よく味わえるか」を軸に、入門向けからコレクター向けまでおすすめの録音をジャンル別に紹介し、各録音の聴きどころと楽しみ方を深掘りします。
Martinelli の声と歌唱の特徴(短評)
音色:中低域に厚みのあるテノール。黒み(ダークな色合い)を感じさせるトーンと滑らかなレガートが特徴。
発声・表現:技術的安定感が高く、長いフレーズを自然に歌い切る呼吸の管理と支えが魅力。劇的な場面での表現力も豊か。
レパートリー:プッチーニやヴェルディの主要役を得意とし、リリカルからスピント的な役柄まで幅広く対応。
おすすめレコード・セレクション(入門〜上級コレクター向け)
入門:アリア集(ベスト・セレクション)
初めてMartinelliを聴くなら、代表アリアを集めた編集盤がおすすめです。レコードやCDでは各社が「ベスト・オブ」的な編集をしており、短時間で彼の声質・表現の幅をつかめます。聴きどころはプッチーニ系の情感豊かなフレーズと、ヴェルディ系の男らしい高音の安定感の対比です。
レパートリー別:プッチーニ作品中心の収録盤
Martinelliのプッチーニ解釈は、旋律線の美しさと情感の直球さに特徴があります。プッチーニの代表アリア(例:ロドルフォやカヴァラドッシなどの重要なソロ)を集めた盤は、彼の柔らかいレガートと劇的表現を最もよく伝えます。ライブ音源が含まれる編集盤を選べば、実際の舞台表現も味わえます。
レパートリー別:ヴェルディ/イタリアン・レパートリー集
ヴェルディのアリアや重唱でのMartinelliは、声の推進力と固さのない高音が魅力。特に劇的クライマックスの歌唱での存在感は抜群です。オペラ全曲ではなく抜粋編集の方が聴きやすい場合も多いです。
ライブ音源(メトロポリタン歌劇場の公演や放送録音)
舞台上での迫力や即興的な表現を重視するなら、当時のメト公演の放送音源やライヴ録音を探すとよいでしょう。やや雑音や録音条件の違いはありますが、演技や生のやり取りが伝わる貴重な資料的価値があります。
コレクター向け:スタジオ録音の全集・箱物(歴史的録音全集)
全集・全集的編集盤は、1920〜1940年代に残されたスタジオ録音(78回転等の復刻)を網羅したものがあり、技術的な変遷やレパートリーの全貌を俯瞰できます。音質改善(デノイズ/リマスタリング)された再発盤を選ぶと当時の歌をよりクリアに楽しめます。
各音源の「聴きどころ」と楽しみ方のコツ
短めのアリアで声の質をチェックする
まずは代表アリアの冒頭30〜60秒で声の色、艶、発声を確認。Martinelliはその短時間で「歌の骨格」を示すタイプなので、ここで好みかどうか判断しやすいです。フレージングと呼吸法に注目する
長いフレーズをどのように支えているか、ブレスの位置とその自然さ、クレッシェンドやデクレッシェンドの使い方に耳を澄ませると、彼の技術的魅力が見えてきます。伴奏・音質の違いを楽しむ
歴史的録音は伴奏のバランスや録音技術が現代とは異なります。アコースティックな残響やオーケストラの音の輪郭の違いを、当時の演奏慣習として受け止めると、新たな発見があります。ライブ音源では演技性と即興性を重視する
スタジオ録音よりもテンポ変化や感情の振幅が大きいことが多いので、ドラマ性や歌手間の呼吸の掛け合いを楽しんでください。
購入・入手のヒント
「編集盤(ベスト)」は国内配給されていることが多く、まずはCDやストリーミングで探すと手軽です。
歴史的な全集やライヴ音源はマイナー・レーベル(Naxos Historical、Preiser、Marston、Testament など)から出ていることが多いので、ディスクユニオンや専門ショップ、古書店のクラシックコーナーをチェックしましょう。
メトロポリタン歌劇場のアーカイブや主要音楽データベース(AllMusic、Discogs 等)で録音一覧を確認すると目当ての録音を探しやすいです。
おすすめの聴取順(初心者→通好み)
1)編集盤(アリア集)で音色と代表曲を把握
2)プッチーニ・ヴェルディの抜粋をアルバムで聴き分ける
3)ライブ音源で舞台表現や即興性を確認
4)全集やリマスター盤でディティールを深堀り(歴史的文脈と比較)
聴く際の注意点(歴史的録音に慣れるために)
ノイズや歪みが気になる場合があるが、それ自体が「当時を伝える音」であることを理解すると集中しやすい。
録音年代やマイク技術の違いで声の印象が変わるため、複数の録音を比べて聴くとMartinelliの本質がつかみやすい。
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参考文献
- Wikipedia(ジョヴァンニ・マルティネッリ)
- Metropolitan Opera Archives — Giovanni Martinelli(英語)
- AllMusic — Giovanni Martinelli(英語)
- Discogs — Giovanni Martinelli(ディスコグラフィ)


