レスリー・ゴアの60年代ポップを極める レコード収集の厳選盤と聴きどころ
はじめに — Lesley Goreとは
Lesley Gore(レスリー・ゴア、1946–2015)は、1960年代のアメリカン・ポップを代表する女性シンガーの一人です。10代の少女の視点から歌う切なさや強さを同時に表現したヒット曲群(“It's My Party”、“You Don't Own Me”など)で知られ、クインシー・ジョーンズら一流のプロデューサー/アレンジャーと組んだ洗練されたサウンドも大きな魅力です。本コラムでは、レコード収集の観点から「ぜひ聴いてほしい/手に入れたい」おすすめレコードを厳選して紹介します。
おすすめレコード(ピックアップ)
「I'll Cry If I Want To」 (デビュー・アルバム、1963)
“It's My Party”をはじめとする初期ヒットをまとめた代表作的アルバム。十代の感情を真っ直ぐに歌うボーカルと、当時のポップスならではのストリングスやホーンのアレンジが魅力です。レスリー・ゴアの“原石”をヴィニールで体感したいならまずこの1枚を。
初期シングル(45回転)コレクション:特に「It's My Party / Judy's Turn to Cry」「You Don't Own Me」
1960年代はシングル中心の時代。オリジナルの45回転盤を手に入れると、当時の音像(モノラル・ミックスやシングル・エディット)をそのまま楽しめます。とくに“It's My Party”と“You Don't Own Me”(プロダクションや歌詞の力強さで名高い)は、単体での価値が高いです。
「Lesley Gore Sings of Mixed-Up Hearts」 (1963)
デビュー後の流れを受けたアルバムで、ティーン向けポップの側面と、表現の幅が広がり始める過程が伺えます。シングル曲以外のB面やアルバム曲にも良質なメロディが多く、コレクター的には穴場の発見がある1枚です。
「Girl Talk」 (1964)
初期のヒット路線を踏襲しつつ、より洗練されたアレンジや大人びた曲調も見られるアルバム。ヴォーカルの表現力が成熟してきた時期の好例で、ポップ史の文脈から聴き直す価値があります。
「California Nights」(シングル/アルバム曲、1967)
1960年代後半の作品群を代表する楽曲で、サイケデリックやソフトロック的な要素も垣間見える展開。時代の変化に応じたサウンド・プランが施され、レスリーのシンガーとしての幅広さを知るのに適したトラックです。
コンピレーション/ボックスセット(ベスト盤・シングル集)
初期シングルを網羅する編集盤や年代別ボックスは、まとめて彼女のキャリアを俯瞰したいときの最適解。オリジナル・シングルのモノミックスやシングル・ヴァージョンを収録したものを選ぶと当時の“音”がよくわかります。
各盤を楽しむポイント(聴きどころ)
声と表現の対比:10代らしい可憐さと、曲によっては強さや凛とした表現が共存しています。初期ヒット曲は若さの生々しさ、中期以降は歌のニュアンスに大人びた抑制が出てきます。
プロダクション(Quincy Jonesほか):初期のクインシー・ジョーンズによるアレンジ/プロダクションは特筆に値します。ストリングスやブラス、コーラスの扱いに注目すると、当時のヒット・メイキングの手法が見えてきます。
歌詞の視点:典型的な“ティーン・ポップ”にとどまらず、“You Don't Own Me”のように自己主張・独立を歌う楽曲は、フェミニズム的な視座から再評価されることもあります。歌詞を追いながら聴くと時代性と普遍性の両方が楽しめます。
モノ/ステレオの違い:オリジナルのシングルはモノラルで制作されていることが多く、モノの方が迫力や定位が強い場合があります。再発やステレオ化された盤と聴き比べると制作意図や時代感が違って聞こえます。
買うとき・探すときの実務的なヒント(選び方)
優先度の目安:まずは「代表的なアルバム1枚+重要シングル数枚(45回転)」、次に「幅広く知りたいなら良質なコンピ盤(モノ・シングル集)」といった順で揃えると理解が深まります。
オリジナル盤 vs 再発:オリジナルのMercuryプレスはコレクション的価値と当時のサウンドを持ちます。再発(Sundazedや他レーベルのリイシュー)は音質改善や入手容易性を重視する場合におすすめです。
入手先の目安:Discogsでカタログ番号やプレス情報を確認すると、どのプレスがオリジナルか/再発かが分かります。通販やレコード店での視聴時にはトラックリストとクレジット(プロデューサー/アレンジャー)を確認しましょう。
聴き方の提案(プレイリスト的な楽しみ方)
ストーリー順で聴く:初期のティーン・ポップ→中期の成熟したシングル→後期の実験的/成熟期曲、という流れで年代順に並べれば歌詞と表現の変化がよくわかります。
テーマ別ミックス:恋愛の告白/別れ/自立などテーマ別に曲を集めて聴くと、同じ表現が場面によってどう変わるかが比較できます。
他アーティストとの比較:同時代の女性シンガー(シェール、ドリフターズ周辺等)や、クインシー・ジョーンズが手がけた他のアーティスト作品と聴き比べるとプロダクションの特徴が際立ちます。
まとめ
Lesley Goreは“10代のポップ・シンガー”というラベルを超え、力強さや時代を見据えた視点を歌に込めた稀有なアーティストです。オリジナルの60sシングル/アルバムは当時の音作りと感情の生々しさが魅力。コンピレーションで網羅的に聴き、気に入った時期や曲はオリジナル盤や高品質リイシューで揃えていく──そんな楽しみ方をおすすめします。
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