Steve Perryの声を徹底解説|ソロ作とJourneyの名盤を聴き比べるおすすめガイド
はじめに — Steve Perryという声をめぐって
Steve Perryはアメリカのロック/ポップシンガーで、特にJourneyの黄金期で知られる「声そのもの」がブランドになったアーティストです。伸びやかで感情表現に富んだテナーは、AOR(Adult Oriented Rock)や80年代ポップ・ロックの象徴のひとつとなりました。本稿では、ソロ作とJourneyでの代表作を中心に「聴くべきレコード(作品)」をピックアップし、楽曲・制作背景・聴きどころなどを深掘りして解説します。
Steve Perry(ソロ)おすすめレコード
Street Talk(1984)
Steve Perryのソロ1作目。Journeyの活動の合間にリリースされ、前面に出たポップ志向と彼のソウルフルな歌唱が結実した作品です。シングルの「Oh Sherrie」は広く知られており、キャッチーなメロディと感情豊かなボーカルが直球で伝わります。
- 聴きどころ:ドラマチックなバラードとポップナンバーのバランス。Perryのフェイクやフレージングを堪能できる。
- 代表曲:Oh Sherrie、Foolish Heart、She's Mine。
- おすすめポイント:JourneyファンがPerry個人の音楽性を知るための最良の入門盤。ソロならではの私的な歌唱表現が光ります。
For the Love of Strange Medicine(1994)
約10年ぶりとなったソロ第2作。90年代の音作りを取り入れつつ、Perryらしいメロディラインと情感の深さは健在です。制作時期の背景として、Journeyとの関係や長いキャリアの反芻が作品に影響を与えています。
- 聴きどころ:成熟した歌唱、より個人的で内省的な歌詞、アレンジの幅の広さ。
- 代表曲:You Better Wait(リード曲)など。アルバム全体を通じて「大人のポップロック」として楽しめる構成です。
- おすすめポイント:80年代の晴れやかさとは異なる、成熟したPerry像を知ることができる一作。
Traces(2018)
長年の沈黙を破って発表された3作目。喪失や時間の経過をテーマに据え、シンプルかつ感情に直結する歌唱が中心のアルバムです。最新の制作技術を導入しながらも、歌の説得力を最優先にしたアレンジが特徴。
- 聴きどころ:静と動の対比、声の経年変化を活かした表現力。歌詞の内省性が強く伝わります。
- 代表曲:No Erasin' をはじめ、全体として一貫したトーンを持つ作品。
- おすすめポイント:近年作としての完成度と、ベテランならではの歌の重みを味わえる作品です。初めてPerryの深い歌唱に触れるリスナーにも勧めやすい。
Journeyで聴くSteve Perry — 代表的なアルバム
Escape(1981)
Journeyの商業的成功を決定づけたアルバム。Perryのボーカルがバンドのサウンドと相まって一気に世界的な注目を集めました。ポップとロックの橋渡しをした楽曲群が並びます。
- 聴きどころ:Perryの表現力が際立つバラード(例:Open Arms)と、バンドのダイナミズムが炸裂するアップテンポ曲の対比。
- 代表曲:Don't Stop Believin'、Open Arms、Who's Crying Now。
- おすすめポイント:Perryボーカルのポテンシャルが最も分かりやすく表れている作品のひとつ。
Frontiers(1983)
メロディ重視のAORサウンドが濃厚な一枚。壮大なコーラスワークとシンセの使い方が象徴的で、Perryの歌が楽曲の中心で光ります。
- 聴きどころ:ドラマティックなアレンジ、ヴォーカル・ハーモニー、Perryの高音の伸び。
- 代表曲:Separate Ways (Worlds Apart)、Faithfully。
- おすすめポイント:80年代AORを語るうえで欠かせない名盤で、Perryのテクニックと表現力の両方が楽しめます。
Raised on Radio(1986)
Perryが制作面で強い影響力を持った作品で、よりポップ寄りの仕上がりです。個人的でストレートな感情表現が目立ち、当時の音楽事情を反映したプロダクションになっています。
- 聴きどころ:ポップスとしての完成度、Perryのボーカル・プロジェクトとしての色合い。
- 代表曲:アルバム全体のバランスとシングル曲群。
- おすすめポイント:Perryの“ソロ志向”が色濃く出たJourney作品として興味深い一枚。
アルバムを選ぶ際の視点(聴き比べと楽しみ方)
Steve Perryの魅力は「トーン(声質)」「フレージング」「感情の込め方」にあります。以下の視点で作品を聴き比べると違いがより明確になります。
- 「曲のタイプ別」聴取:バラード中心のトラックとアップテンポ中心のトラックで、声の表情がどう変わるかを比較する。
- 「時代ごとの声の変化」:1980年代初頭のシャープな高音(Escape〜Frontiers期)と、90年代以降の深みある表現(For the Love〜Traces)を対比する。
- 「バンド曲 vs ソロ曲」:同じ歌手でもバンドのサウンドに支えられたときの強さと、ソロで内面的に歌うときの繊細さの違いを楽しむ。
購入・コレクションのヒント(リリースを選ぶ目安)
リリースの違い(オリジナル盤、リマスター、デラックス盤)によってミックスや収録曲が異なることがあります。初めて聴くなら代表作のオリジナル発表アルバムを一通り押さえ、気に入った作品の拡張盤やリマスター盤で深掘りするのが良い流れです。
まとめ
Steve Perryは「歌声そのもの」が最も魅力的なアーティストの一人です。ソロ作では個人的な感情表現が、Journey作品ではバンドとの化学反応がそれぞれ違った側面を見せてくれます。まずは『Street Talk』『Escape』『Frontiers』『Traces』あたりを聴き、好みの時期や表現を見つけることをおすすめします。
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参考文献
- Steve Perry — Wikipedia
- Street Talk (album) — Wikipedia
- For the Love of Strange Medicine — Wikipedia
- Traces (Steve Perry album) — Wikipedia
- Escape (Journey album) — Wikipedia
- Frontiers (Journey album) — Wikipedia
- Raised on Radio — Wikipedia
- Steve Perry — AllMusic
- Rolling Stone(Steve Perry 関連記事検索)


