ベッシー・スミスの代表曲とおすすめレコードを徹底解説|聴きどころと盤選びのポイント
Bessie Smith:おすすめレコード深堀コラム
「エンプレス・オブ・ザ・ブルース(The Empress of the Blues)」と称されたベッシー・スミス(Bessie Smith)は、1920年代〜30年代のブルース・ヴォーカルを代表する存在です。本コラムでは、彼女の代表曲と「レコードで聴く価値のある」おすすめ盤を中心に、曲の聴きどころや盤選びのポイントまでを深掘りして紹介します。
ベッシー・スミスが持つ音楽的・歴史的な位置づけ
ベッシー・スミスは、黒人ブルース唱法を広く一般に知らしめた存在で、力強い声と表現力で聴く者を惹きつけます。1923年の大ヒット〈Downhearted Blues〉を契機にコロンビア・レコードに残した一連の録音は、ジャズやブルースの発展に大きな影響を与えました。歌詞は生活の実感や挫折、誇りを率直に歌い、その語りかけるような歌い回しは今日でも色あせません。
おすすめレコード(編集盤・コンプリート盤)
Columbia/Legacy:Bessie Smith — The Complete Recordings (1923–1933)
理由:公式にまとめられた最も包括的なコレクションの一つで、コロンビア時代の全録音を通してベッシーの変遷を追えます。音質・選曲ともに信頼でき、資料的価値も高いです。初心者から研究者までまず押さえておきたい一枚。聴きどころ:初期のヒットから晩年に至るまでのヴォーカルの幅と表現の変化を一気に把握できます。
The Essential Bessie Smith(Columbia/Legacy 編)
理由:代表曲をコンパクトにまとめたベスト盤的コンピ。入門用として最適で、名曲の「聴きどころ」を短時間で押さえたいときに便利です。聴きどころ:〈Downhearted Blues〉〈Tain't Nobody's Biz-ness If I Do〉などの定番を高品質なリマスターで聴けます。
コンピレーション:The Empress of the Blues(各社編集盤)
理由:タイトルも印象的な複数の編集盤が流通しています。選曲や解説に特徴があり、同じ曲でも解説や曲順から新たな聴き方が得られます。音源の出所やマスタリングを確認して好みの盤を選びましょう。ディスコグラフィや専門レーベルの再発盤(Yazoo、JSP など)
理由:専門レーベルはオリジナル音源の丁寧な転写や詳細な解説を付けることが多く、コレクターや深く掘りたいリスナー向きです。複数の再発を聴き比べることで音の違いや編集方針の差が楽しめます。
代表曲ピックアップと聴きどころ
Downhearted Blues
聴きどころ:ベッシーの出世盤とも言える一曲。しなやかで力強いイントロから語りかけるような歌唱へと入る流れは、彼女の魅力が端的に表れます。Backwater Blues
聴きどころ:洪水や災害を背景にした深い哀感を帯びた歌。情景描写と感情表現の両立が聴きどころです。Tain't Nobody's Biz-ness If I Do
聴きどころ:強い自立心と皮肉を込めた歌詞表現。ヴォーカルの語り口が非常に魅力的で、シビアな物語性を感じさせます。Nobody Knows You When You're Down and Out
聴きどころ:人生の浮き沈みを歌うブルースの名曲。情感のこもったフレージングに注目してください。St. Louis Blues / Careless Love などのスタンダード曲カバー
聴きどころ:スタンダードの解釈力も彼女の特徴。オリジナル曲と合わせて比較すると、歌唱の幅広さが見えてきます。
盤選びのポイント(再発/リマスターの見方)
「コンプリート盤」をまず候補に:全録音を年代順に追える公式系コンプリート盤は学術的にも実用的にも便利です。
解説書・ブックレットの充実度:録音年代や共演者、制作背景が詳しいものを選ぶと、曲の理解が深まります。
リマスタリング情報を確認:同じ曲でもマスターソースや転写方法で聴感は変わります。可能なら試聴して好みのトーンを選ぶと良いです。
複数の編集盤を使い分ける:入門は要点を押さえたベスト盤、深掘りはコンプリート盤や専門レーベル盤、という使い分けがおすすめです。
聴くときの注目点(表現の細部)
ベッシー・スミスの魅力は声質だけでなく「語るように歌う」点にあります。発音の一つ一つ、語尾の処理、間(ま)の使い方──これらが感情表現につながります。伴奏がシンプルなものからジャズ色の強い編成まで多様なので、伴奏との対話も意識して聴くと面白いです。
まとめ
ベッシー・スミスは、ブルースというジャンルを通じて強い個性と表現力を示したアーティストです。まずは代表曲をコンパクトにまとめた編集盤で彼女の声に触れ、その後でコンプリート盤や専門的な再発盤で録音史的な流れを追う──この順序で聴くとより理解が深まります。歌詞の内容や歌い方の細部に耳を傾けることで、彼女がなぜ今なお評価され続けるのかが実感できるはずです。
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参考文献
- AllMusic — Bessie Smith(アーティストページ)
- Encyclopaedia Britannica — Bessie Smith
- Wikipedia — Bessie Smith(英語)
- Discogs — Bessie Smith(ディスコグラフィ参照)


