ブライアン・セッツァー プロフィール:ロカビリーとスウィングを再興したギタリストの音楽性と代表曲
ブライアン・セッツァー(Brian Setzer) — プロフィール
ブライアン・セッツァーは、アメリカ出身のギタリスト、シンガー、ソングライターであり、ロカビリーとスウィングを現代に蘇らせた第一人者のひとりです。1959年生まれ(4月10日)、若い頃からロックンロール、カントリー、ジャズ、R&B といったルーツ・ミュージックに親しみ、1970〜80年代のロカビリーブームの先駆となった「Stray Cats」を結成して注目を集めました。その後は自身の名を冠した「Brian Setzer Orchestra」を率い、ビッグバンド・サウンドとロカビリーを融合させて世界的な人気を得ています。
キャリアの概略
- 1970〜80年代:Stray Cats でのロカビリー・リバイバル。代表曲「Rock This Town」「Stray Cat Strut」などで国際的な成功を収める。
- ソロ活動:Stray Cats の活動休止・再結成を経て、ソロ名義でも活動。自身のギタリストとしての名声を確立。
- Brian Setzer Orchestra:1990年代以降に結成したオーケストラでスウィング復興に貢献。ホーン・セクションをフィーチャーした大編成でツアーを重ねる。
- リイシュー/クリスマス作品など多岐にわたる作品発表と映像・メディア出演。グラミー賞受賞などの評価も受けている。
音楽性とギタースタイル
セッツァーの音楽は「過去を尊重しつつ現代的なエネルギーを持ち込む」点に特徴があります。主な要素は:
- ロカビリー直系のリズム感とカントリー由来のフレーズ。アップテンポの4ビートにエッジの効いたギターが乗る。
- フィンガーピッキングやハイブリッドピッキング(ピックと指を併用)を駆使したアプローチ。速いロカビリーリックを明瞭に弾き分ける技術。
- ビッグバンド/スウィングのアレンジ能力。ホーン・セクションやストリングスを効果的に用い、ロカビリーとは別のダンスミュージック性を生み出す。
- ギター機材へのこだわり。Gretsch のセミホロウボディ(6120 系に代表される)を長年愛用し、その音色とルックスがステージ上のアイコンになっている。
ステージ・表現とファッション
セッツァーは音楽的な面だけでなく、ビジュアルとステージングでも強い魅力を放ちます。1950年代風のポンパドールやスーツ、エレガントなドレスといったレトロな美意識を持ち込みつつ、ライブでは高い演奏技術とエネルギッシュなパフォーマンスで観客を引き込みます。ロカビリーの「見た目」と「音」を両立させた点が、若い世代にも訴求する要因です。
代表曲・名盤の紹介
以下は彼のキャリアを知るのに適した代表作と楽曲です(網羅ではなく入門向けの選定です)。
- Stray Cats 時代の代表曲:Rock This Town、Stray Cat Strut — ロカビリー復興のキラーチューン。
- Brian Setzer Orchestra のキーベンチマーク:Jump, Jive an' Wail(ルイ・プリマのカバー) — スウィング復興ムーブメントの象徴的1曲。
- 名盤(抜粋):Stray Cats のデビュー作群、Brian Setzer Orchestra のアルバム(大編成でのダンスナンバーが中心)、セッツァーのソロ作ではギターに焦点を当てた作品やクリスマス・アルバムなど。
- 季節曲:彼が手がけたクリスマス曲・アルバムは、ロカビリーとスウィングを融合させたアレンジでファンに人気が高い。
魅力の深堀り — なぜ多くの人を惹きつけるのか
セッツァーの魅力は単に「レトロな音を再現する」だけに留まりません。以下の点が重層的に効いています。
- ルーツへの敬意と現代性の両立:オリジナル曲と選曲/アレンジのバランスが良く、古典的なナンバーを新鮮に聴かせる力量がある。
- 圧倒的なギターテクニックと分かりやすいメロディ:高度な演奏力がありながら、キャッチーで踊れる曲作りを忘れない点。
- 視覚的な魅力:楽曲とリンクした強いステージイメージ(ヘアスタイル、衣装、ギター)で「見て楽しい」音楽を提供する。
- ジャンルを越えた仕事ぶり:ロカビリー、スウィング、ジャズ、ロックンロール、ポップといったジャンルを横断し、それぞれの良さを引き出す器用さ。
- 世代をつなぐ力:1950s リスナーのノスタルジーにも、若年層の「かっこよさ」やダンス性にも訴えかけるため、広い世代に支持される。
影響と評価・後進への影響
セッツァーはロカビリー復興や1990年代のスウィング再評価に重要な役割を果たしました。多くのギタリストやバンドが彼のフレーズやスタイルを参照し、また商業的にも成功を収めたことでジャンル自体の注目度を高めました。グラミー賞など音楽業界の主要な評価を受けたことも、ジャンルの社会的評価向上につながっています。
聴きどころ・ライブでの楽しみ方
- イントロのリフやギターソロに注目すると、セッツァーの個性がよく分かる。
- オーケストラ編成のライブではホーンのアンサンブルとギターの生音の対比を楽しむと良い。
- 彼のレパートリーはカバー曲も多いので、原曲と比較してアレンジの違いを探すのも面白い。
まとめ
ブライアン・セッツァーは、ルーツミュージックへの深い理解と高い演奏技術、そして強いステージイメージを併せ持つアーティストです。単なるノスタルジアではなく、過去の音楽を現代に通用する形で再構築することで多くのリスナーを惹きつけ続けています。ロカビリーやスウィングに興味がある人だけでなく、優れたギタリストやエンターテイナーを探している人にもぜひ聴いてほしいアーティストです。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery
参考文献
- ブライアン・セッツァー — 日本語版ウィキペディア
- Brian Setzer — Wikipedia (English)
- Brian Setzer — AllMusic
- Brian Setzer 公式サイト
- Gretsch Guitars — Brian Setzer(アーティスト紹介)


