The Cars アルバム大全:デビュー作からMove Like Thisまでの聴きどころとレコード購入ガイド
The Cars — 新旧ポップ/ロックの架け橋としての魅力
1970年代末から1980年代にかけて活動したアメリカのロック/ニューウェイヴ・バンド、The Cars(ザ・カーズ)は、キャッチーなメロディとモダンなサウンド・プロダクションを両立させた点で現在も色褪せない魅力を持ちます。本コラムでは「レコード(アルバム)」という切り口で、代表作とその聴きどころ、購入時のポイントまで詳しく掘り下げます。レコードの再生・保管・メンテナンス自体の解説は含めません。
バンドの概要(簡潔に)
1976年に結成されたThe Carsは、リック・オケイセック(Ric Ocasek)のソングライティングとヴォーカル、ベンジャミン・オール(Benjamin Orr)の印象的な低音ヴォーカル、グレッグ・ホーソーン(Greg Hawkes)のシンセ使い、エリオット・イーストン(Elliot Easton)のギター・フレーズ、デヴィッド・ロビンソン(David Robinson)の堅実なリズムが特徴です。ロック、ポップ、ニューウェイヴ、パワー・ポップの要素を融合し、シングル志向のヒット曲を多数生み出しました。
おすすめレコード(厳選)
The Cars(1978)
The Carsのデビュー作。バンドの音楽性が最も端的に現れた一枚で、パワー・ポップ的な明晰さと新しさを兼ね備えています。
- 代表曲:Just What I Needed、My Best Friend's Girl、Good Times Roll
- 聴きどころ:鋭いギター・フックとミニマルなシンセワーク、シングル感の強い曲構造。デビュー盤としての完成度が高く、バンドの“顔”を知るには最適。
- おすすめの聴き方:アルバム通しで聴くと、シングルの連打に留まらない楽曲のバランス感が分かる。
Candy-O(1979)
デビューの勢いを受け継ぎつつ、より洗練されたサウンドと多彩なアレンジを打ち出した2作目。アルバム全体のトーンがクールで統一されています。
- 代表曲:Let's Go、It's All I Can Do
- 聴きどころ:ポップだが芯のあるギター・ワークと、鍵盤の効果的な配置。バンドのスタイルが“定着”している印象を受ける作品。
Panorama(1980)
やや実験的・ダークな色調を帯びた作品。派手なシングルを狙った作風から一歩離れ、雰囲気重視の曲も増えました。
- 代表曲:Touch and Go、You Wear Those Eyes
- 聴きどころ:サウンドのレンジを広げた挑戦作。時に陰影のあるアレンジやテンポの変化が楽しめる。
- 向いている人:シングル寄りのポップ性だけでなく、より深いアレンジに興味があるリスナー。
Shake It Up(1981)
タイトル曲「Shake It Up」がヒットした、よりダンス寄りのポップ感が強いアルバム。バンドのポップ・センスがより前面に出ています。
- 代表曲:Shake It Up、Since I Held You
- 聴きどころ:軽快で耳に残るフック、シンプルながら効果的なレイヤリング。
Heartbeat City(1984)
商業的にも大きな成功を収めた一枚。時代の先端をいく洗練されたプロダクションと、シンセ・ポップ的アプローチが特徴です。
- 代表曲:Drive、You Might Think、Magic
- 聴きどころ:ミュージックビデオと結び付いたヒット曲群、バラードからアップテンポまで幅広い曲想。バンドの「ポップ職人」としての側面が際立ちます。
- 注目点:ベンジャミン・オールが歌う「Drive」は特に感情的で、アルバム全体に深みを与えています。
Door to Door(1987)
オリジナル期のラスト・アルバム。やや力尽きたという評価もありますが、名曲候補やソングライティングの工夫は散見されます。
- 代表曲:You Are the Girl、Strap Me In
- 聴きどころ:バンド活動の集大成的な側面と、メンバー個々の個性が見える曲構成。
Move Like This(2011)
復活作。故ベンジャミン・オール不在の中で制作され、往年のサウンドを現代的に再構築しています。思い出補正だけでなく実力を見せる内容。
- 代表曲:Sad Song、Blue Tip
- 聴きどころ:オリジナル期の要素を持ちつつ、スタジオでの現代的な音作りが施された一枚として楽しめる。
アルバム選びのポイント(レコード購入を想定して)
どのアルバムを選ぶかは目的次第です。以下の観点を参考にしてください。
- 「初めて聴く」なら:バンドの代表曲を網羅するデビュー作『The Cars』か、ヒット曲が集まる『Heartbeat City』。
- 「深掘り」したいなら:音作りの変化が分かる『Panorama』や『Candy-O』を。バンドの幅と実験性が見える。
- 「コレクション重視」なら:オリジナル盤(オリジナル・プレス)と近年のリマスター盤それぞれで音質や解像感が異なるので、視聴して比較するのがおすすめ。
- 「感情的な1曲」を求めるなら:ベンジャミン・オールの歌う「Drive」が収録された『Heartbeat City』は別格の情緒を持つ。
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参考文献
- The Cars — Wikipedia(英語)
- The Cars — AllMusic
- The Cars — Rolling Stone(アーティスト紹介)
- The Cars — Discogs(ディスコグラフィ/プレス情報)


