Blancmangeの魅力を徹底解剖:80年代シンセポップの名盤と聴き方ガイド
プロフィール
Blancmange(ブランマング)は、イギリス出身のエレクトロ/シンセポップ・デュオ。中心メンバーはヴォーカルのニール・アーサー(Neil Arthur)とキーボード/サウンドメイカーのスティーヴン・ラスカム(Stephen Luscombe)。1980年代初頭のニュー・ウェイヴ/シンセポップ潮流の中で頭角を現し、キャッチーなメロディと実験的な音作り、時にワールドミュージック的な要素を取り入れたアレンジで人気を博しました。
来歴の概略
- 1979年ごろに結成され、初期はクラブ/ローカルシーンで活動。
- 1982年のデビュー・アルバム「Happy Families」で広く注目され、その後「Mange Tout」(1984)などで商業的成功を獲得。
- 1980年代中盤以降、活動休止やメンバーの健康問題などを経ながらも、ニール・アーサーを中心に音楽活動や再結成/作品発表が断続的に行われている。
音楽的特徴と制作手法
Blancmangeのサウンドは、シンセサイザーとリズムマシンを基盤にしつつも、次のような特徴が見られます。
- シンセポップ特有の明快なメロディとフック。ポップ・ナンバーとしての完成度が高い。
- スティーヴンの鍵盤アレンジによる多層的なテクスチャー。シンプルなシーケンスに重ねられるパッドやリードの使い分けが巧み。
- ニールのややドライで癖のあるヴォーカル表現。クールで機械的なサウンドに人間味を与える重要な要素。
- ポップ志向の裏での実験性。サンプリングや非西洋的な旋律/リズムの導入により、単純なシンセポップ以上の独自性を生んでいる。
代表曲・名盤
まず聴くべきクラシック作品と代表曲を紹介します。
- Happy Families(1982)— デビュー作。初期の楽曲群にニールの個性的なボーカルとユニークなシンセアレンジが詰まっています。
- Mange Tout(1984)— 商業的成功を収めた2作目。シングル「Living on the Ceiling」など、バンドの代表曲を多数収録。
- Believe You Me(1985)— より洗練されたプロダクションとポップ性が際立つ作品。
- 代表曲(抜粋):
- Living on the Ceiling — ブランマングを象徴するヒット。中東/地中海的な風味を取り入れたリズムとフックが特徴。
- Blind Vision — ダンサブルでリフ重視のナンバー。フェーダーワークやエッジの効いたシンセが印象的。
- Don't Tell Me — ポップセンスと切なさが同居する名曲。
魅力の深堀り(なぜ今聴くべきか)
- ポップと実験のバランス:単なるダンス・ポップに留まらず、音響や編曲の細部に遊びがあり、繰り返し聴くほど発見がある。
- 異文化性の導入:一部の楽曲で用いられる中東〜北アフリカ風のアプローチや非欧米音階の匂いが、80年代英ポップの枠を超えた味わいを生んでいる。
- 感情の幅:軽快なダンス・トラックから内省的で陰影のあるバラードまで、ヴォーカル表現が多彩で心に残る。
- 時代を超えたプロダクション:シンセやリズムマシンの使い方が時代色に偏らず、現代のリスナーにも新鮮に聴こえる要素が多い。
ライブとパフォーマンスの魅力
録音作品の緻密さをベースにしつつ、ライブでは人間らしい温度や即興性が加わります。ニール・アーサーはヴォーカルとステージングで観客を惹きつけ、シンセの正確性と生楽器のアナログ感が混じる点がライブの聴きどころです。
影響とレガシー
Blancmangeは80年代のシンセポップ潮流の重要な一角を担い、同時代のバンドや以降のエレクトロニック系アーティストに対して「ポップさ」と「実験性」を両立させるロールモデルを示しました。近年のリバイバル・ムーブメントにおいても、彼らのメロディメイキングとテクスチャー感は再評価されています。
初心者向けの聴き方ガイド
- 最初に「Mange Tout」を通して聴き、代表曲の持つポップ性を把握する。
- 次に「Happy Families」で初期の実験性と素朴さに注目する。アレンジの重なりや音の隙間を意識すると発見がある。
- 歌詞を味わう:ニールのヴォーカルは時に皮肉的、時に脆い。歌詞を追うことで曲の印象が深まる。
- 音の造形に注目:シンセのレイヤー、リズムの位置取り、非西洋的フレーズの使われ方などテクスチャーに耳を傾けると面白い。
おすすめプレイリスト例(短め)
- Living on the Ceiling
- Blind Vision
- Don't Tell Me
- Waves(アルバム曲)
- 初期シングルやB面(コンピやリマスター盤でまとめて聴くと全体感が掴める)
まとめ
Blancmangeは、キャッチーなシンセポップの枠を越えた音響的冒険と、ニール・アーサーの個性的な歌唱で独自の存在感を築いたバンドです。80年代の名作群は今でも色褪せず、ポップ性と実験性が交差するポイントは現代のリスナーにも強く響きます。入門としては「Mange Tout」や「Happy Families」を起点に、曲ごとのテクスチャーや歌詞のニュアンスを掘り下げていくのがおすすめです。
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