Faith No More 全アルバム徹底ガイド:時代背景と聴きどころで選ぶおすすめレコード

Faith No More — 概要と本コラムの趣旨

Faith No More(フェイス・ノー・モア)は、1980年代後半から1990年代にかけてロック、メタル、ファンク、ポップ、ジャズなど多彩な要素を統合し、ジャンル横断的なサウンドで大きな影響を与えたバンドです。本コラムでは「まず手に入れてほしい」「コレクションに加える価値が高い」といえるおすすめレコード(アルバム)をピックアップし、それぞれの背景、聴きどころ、音楽的な意義、どんなリスナーに向くかを深掘りします。レコードそのものの再生・保管・メンテナンスの解説は含めません。

The Real Thing (1989)

Mike Patton(ボーカル)加入後のファースト・フルアルバムにして、バンドの世界的ブレイク作。ヘヴィでありながらファンクやラップ的なノリ、キャッチーなメロディを同居させたことで、当時のロック地図を塗り替えました。

  • 代表曲:Epic(バンドの代表曲でありミュージックビデオも話題に)、From Out of Nowhere、Surprise! You're Dead!
  • 聴きどころ:ラフで攻撃的なギター・リフと、Pattonの多彩なボーカル表現(スクリーム、メロディ、語り)のコントラスト。ヒップホップ的なリズム感とヘヴィさの融合が初めて本格的に提示された作品。
  • 誰におすすめか:ヘヴィ・ロック/グランジ以降の流れに興味がある人、80s末〜90s初頭の“クロスオーバー”を体感したい人。

Angel Dust (1992)

バンドの創造性が頂点に達したと評される作品。商業的には賛否が分かれたものの、音楽的には非常に実験的で幅広く、ロックの枠を大胆に逸脱します。

  • 代表曲:Midlife Crisis、A Small Victory、Caffeine
  • 聴きどころ:メロディアスでありながら不穏さを孕むアレンジ、ジャズ的なコードや不規則なリズム、ブラックミュージックの要素を引き裂くような展開。リスナーに「期待を裏切る」瞬間が多く、繰り返し聴くたび新しい発見があります。
  • 誰におすすめか:音楽的冒険心が強いリスナー、90年代のオルタナティブ/実験ロックを掘り下げたい人。

King for a Day... Fool for a Lifetime (1995)

メンバーの入れ替わりや制作環境の変化を経て制作された、硬質で多彩なサウンドが特徴のアルバム。前作の実験性を踏襲しつつ、よりバンドの“演奏力”と物語性が前面に出ています。

  • 代表曲:Digging the Grave、Evidence、Star A.D.
  • 聴きどころ:ファンク、ジャズ、スウィング風のモーメント、ハードロックの破壊力が混在。曲ごとに異なる顔を持つため、アルバム全体を通してのドラマ性が高い。
  • 誰におすすめか:多様なジャンルが一枚に凝縮された作品を好む人、バンドの成熟期を追いたいコアリスナー。

Introduce Yourself (1987)

Chuck Mosley(初期ボーカル)在籍期の重要作。現在のファンからすると「パンク寄りで荒削り」な側面があり、バンドの原点や進化の起点を知るうえで欠かせない一枚です。

  • 代表曲:We Care a Lot(オリジナル・バージョンはこの期の象徴曲)、Introduce Yourself
  • 聴きどころ:パンク/ファンクがダイレクトにブレンドされた粗削りなグルーヴ。後のPatton期と比べると曲構成はシンプルですが、荒々しいエネルギーに魅力があります。
  • 誰におすすめか:バンドの歴史的文脈を辿りたい人、初期の荒々しさを楽しみたいコレクター。

Album of the Year (1997)

90年代後半、バンドが一時的に活動休止に入る直前の作品。静と動、メランコリーと強烈さが混在する、成熟したサウンドが印象的です。

  • 代表曲:Ashes to Ashes、Last Cup of Sorrow
  • 聴きどころ:力強いロック曲と叙情的なバラードがバランスよく配置され、アルバムとしてまとまりがある。リリース当時は“終わりの予感”を漂わせる作品として受け取られました。
  • 誰におすすめか:バンドの集大成的側面を聴きたい人、90年代オルタナの後期的なサウンドに関心がある人。

Sol Invictus (2015)

長いブランクを経て復活した2015年作。往年のエッジと新たな落ち着きが同居したアルバムで、再結成後の表現力と成熟が示されています。

  • 代表曲:Motherfucker、Superhero、Matador
  • 聴きどころ:若かりし頃のアジテーションだけでなく、静的な緊張感や空間の使い方が巧みになっている。歌詞やムードも深みを増しており、“再び鳴らす”ことの意味を感じさせます。
  • 誰におすすめか:復活作としてのロマンを味わいたい人、現代のプロダクションで再構築されたFaith No Moreを聴きたい人。

ライブ/コンピレーションで押さえておきたいもの

Faith No Moreはスタジオ作品だけでなくライヴパフォーマンスの評価も非常に高いバンドです。ライヴ録音や編集盤はスタジオ曲の別解釈や即興性を楽しめるため、コレクション価値が高いです。

  • ライヴ盤はステージでのダイナミズム、観客との一体感がよく伝わるため、アルバムとは違う側面を知るのに有効。
  • 編集盤やシングル集はレアトラックやB面曲をまとめて押さえられるため、コアなファンにはおすすめ。

購入の際の視点(何を基準に選ぶか)

  • まずは作品の「時代背景」と「ボーカル期」を意識する:Chuck Mosley期とMike Patton期で印象が大きく異なる。
  • 音楽性で選ぶ:よりダイレクトなファンク/パンク感が欲しければIntroduce Yourself、実験性や難解さを楽しみたいならAngel Dustが向く。
  • コレクション目的なら、初回盤や特典を含むエディションの存在をチェックすると楽しみが増す(ただし状態や価格は個別判断)。

まとめ

Faith No Moreは「ひとつのサウンド」に収まらない、常に変化し続けたバンドです。入門としてはThe Real Thing、深く掘るならAngel DustやKing for a Day...、歴史的背景を理解するならIntroduce Yourself、現代の表現を確認するならSol Invictusをおすすめします。各アルバムはそれぞれ異なる顔を持つため、目的に応じて手に取ると良いでしょう。

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参考文献