King Diamondの概要・特徴と代表作:コンセプト・アルバムの魅力
King Diamond — 概要(プロフィール)
King Diamond(キング・ダイアモンド、本名:Kim Bendix Petersen、1956年6月14日生まれ)は、デンマーク出身のヘヴィメタル・ヴォーカリスト/ソングライター。1980年代初頭に結成したバンド Mercyful Fate での活動を経て、1985年からはソロ名義「King Diamond」として数多くのコンセプト作を発表してきました。
経歴の簡潔な流れ
- 1970〜80年代:地元シーンでの活動を経て、Mercyful Fate を結成(1981年頃〜)。
- 1980年代中盤:Mercyful Fate 解散後、King Diamond 名義でソロ活動開始。1986年のソロ・デビュー作以降、概念的なコンセプト・アルバムを連続的に発表。
- 1990年代以降:Mercyful Fate の再結成と解散、ソロ作品の継続的リリースおよびツアー。常に独自の世界観を軸に活動を続けています。
音楽的特徴と声の魅力
King Diamond の最大の武器は、その類稀な声域と劇的な表現力です。高音のファルセット/ヘッドボイスを自在に使い分け、細やかなビブラートや叫び声、低音域の語りを組み合わせた演技的な歌唱で、楽曲を一種の“ホラー劇”へと昇華させます。
楽曲面では、古典的なヘヴィメタルのリフワークに加え、複雑な構成や劇的な展開、シンフォニックな要素やギター・ソロのメロディアスさが特徴です。ギタリスト Andy LaRocque を中心とするアンサンブルは、メロディとテクニックを兼ね備え、物語性を支える重要な要素となっています。
テーマ性・コンセプト作の魅力
King Diamond はアルバム単位で物語を完結させる「コンセプト・アルバム」を得意とします。登場人物、時代背景、幽霊や狂気といったホラー的モチーフを重層的に描き、曲ごとの劇的対比やナレーション(台詞)を挟むことで、リスナーに「音による朗読劇」を提示します。
このため、1曲単体よりアルバム全体を通して聴くことで真価が発揮され、サウンドとリリックが一体となった没入感の高い体験が得られます。
ステージとビジュアル演出
彼のステージは演劇性が強く、白黒のフェイス・ペイント(いわゆるコープスペイントに近い独特のメイク)や衣装、セットや小道具を用いた演出で知られます。曲のサスペンスやクライマックスに合わせた照明・動きで物語を再現するため、ライブは単なる音楽公演を越えた“ホラー劇場”となります。
代表作・名盤(おすすめの聴きどころ)
- Mercyful Fate — Melissa(1983)
バンド初期の傑作。ブラックメタルやエクストリーム系に大きな影響を与えた楽曲群と、King のカリスマ的なヴォーカルが光ります。 - Mercyful Fate — Don’t Break the Oath(1984)
暗黒的で劇的な楽曲が並ぶ名盤。並外れたメロディラインと儀式的なムードが特徴。 - King Diamond — Abigail(1987)
ソロ初期の代表作にして、最も評価の高いコンセプト作の一つ。ホラー物語としての完成度が高く、アルバムとして通して聴くことを強く推奨します。 - King Diamond — Them(1988) / Conspiracy(1989)
連作的なストーリーテリングと、より緻密になったプロダクションでKing の作家性が確立された時期の作品です。 - King Diamond — The Puppet Master(2003) / Give Me Your Soul...Please(2007)
キャリア後期のコンセプト作。成熟した作風で、古参ファンにも新規リスナーにも届けやすい作品群です。
代表曲(入門用に押さえておきたい曲)
- Mercyful Fate「Melissa」「Evil」 — バンド期の代表曲。彼の原点が分かる楽曲。
- King Diamond「Welcome Home」(Abigail収録) — ソロ初期の象徴的ナンバー。ホラー劇の導入として有名。
コラボレーションとバンド体制
King Diamond のソロ・プロジェクトでは、長年の盟友 Andy LaRocque(ギター)をはじめとする実力派ミュージシャンが従事してきました。これらのメンバーは楽曲のアレンジやギター・ソロで大きな役割を果たし、King のボーカル・ドラマを支える重要な存在です。
影響力とレガシー
彼のやり方は、以下の点でメタル界に持続的な影響を与えています。
- コンセプト・アルバム/物語性の重視:ストーリーテリングを核としたアルバム作りは、その後の多くのヘヴィメタル/プログレッシブ系バンドに影響を与えました。
- ヴォーカル表現の可能性:高音ファルセットを中心に据えた表現は、エクストリーム・ヴォーカルの多様性を広げました。
- ビジュアルと音楽の融合:舞台演出やコスチュームを含めた総合的なアートワークは、ライブ表現の一つの基準となっています。
聴き方・楽しみ方の提案
- アルバムを最初から最後まで物語として聴く:曲間に挟まれるSEや台詞、展開が意味を持つので、シャッフル再生は避けるのが吉です。
- 歌詞とブックレットを読み込む:細かな設定や伏線が散りばめられており、物語理解が深まります。
- ライブ映像を見る:音だけでなく視覚的演出が理解を助け、より深い没入感を味わえます。
まとめ — King Diamond の「魅力」を一言で言うと
King Diamond の魅力は「音楽で語るホラー劇場」にあります。類稀な声域と演技力、緻密な物語構成、劇的な舞台演出が一体となって、リスナーを強烈な世界観へと引き込みます。単なる“曲を聴く”を超えた物語体験を求めるリスナーにこそ刺さるアーティストです。
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参考文献
- King Diamond - Wikipedia
- Mercyful Fate - Wikipedia
- King Diamond Biography — AllMusic
- King Diamond — Encyclopaedia Metallum


